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国家秘密組織と特待生  作者: ryuu
後章 共生学園『魔法競技ランク戦大会』――――魔法騒動テロ組織襲撃事件
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倒れた優

 現場にエリス、雪菜の『掃討班』が到着する。

 旧横浜市街地は、今は隔離地域とされてるのでかなり雰囲気が悪い。

 とくに悪人が多く徘徊する地域なので警戒は怠れない。

 エリスはすぐに周辺状況確認を部下に命令し、自らももともとはデパートビルだったらしい建物内に入る。

 すると、痕跡を早速見つけた。

「それは一体何ですか?」

「例のモンスターコーンですね」

 一つの緑色のワッフルコーンが落ちていた。

 匂いも色も明らかな麻薬とわかる。

「班長、旧横浜地区E区画にて数人の麻薬摂取者を発見しました」

 さっそく進展が見られる。

 ひとりの男がここから数キロほど離れた国道沿いの付近の区画で麻薬摂取者を見つけたという報告。

「すぐに、その者達を捕らえて護送車両へ。私とコードSYはデパート内部を調べます」

「了解しました。班長お気をつけて」

 コードSYこと北坂雪菜とデパート内部に入っていく。

 このホールは食品売り場だったようにあちこちに生臭った臭いが充満してお、菓子の包みや腐り果てた食材が散乱していた。

 ショーケースも割られておりもともとは綺麗なケーキ屋だったのだろうかという雰囲気は今はもうない。

「停止したあのエスカレーターであがりますがその前に、水の精霊たちよ」

 エリスの呼び声に応えたかのようにエリスの周りに小さな天使のような姿をした水の妖精達が現れる。

 弓を携えた愛くるしいその表情。

 水の精霊たちは「きゅるる」と声を上げて指示を待った。

「上の階の捜索を願います。人を見つけたら直ちにその階層をお伝え願いますね」

 精霊たちが「きゅっ」と声を上げると一目散に天井を透過して上に消えていった。

 結構待たされるかと思った優樹菜だったがそうそうかからず、一体の精霊が戻ってくる。

「そうですか」

 エリスが険しい顔つきになり腰に携えてあった刀を握りしめる。

 その刀は数時間ほど前に購入をした新装武器――『明鏡水月』。

 雪菜も数時間前に買った新装武器――『白冬氷雪桜』の鞘に手を添えた。

 エリスが先行を切って停止したエスカレーターを上がっていく。

 およそ7階まで上がり終えたところで前にある本屋だったらしき箇所の中へ入っていく。

 散乱した紙媒体。

 現代では書籍は全て電子に切り替わり本屋というものは存在しない。

 中古本屋はいくつかそんざいしてはいるものの現代では客足は少なく消えかかってるのが現状だった。

 雪菜の目には紙媒体の本が珍しく思わず手に取ってしまう。

「へぇー、初めて見ました。紙媒体の書籍なんて」

「ゆっくりしてる暇はありません。行きますよコードSY」

「も、もうしわけないです」

 すぐに彼女のあとに続くように奥へ奥へと行く。

 すると、斜め前方に誰かが倒れてる姿を確認した。

「お、お兄ちゃん!」

 雪菜がすぐ駆け寄ろうとした直後にエリスがその行く手を遮って手を伸ばす。

「落ち着いてください。罠の可能性もあります」

「っ!」

 エリスがそばにいた水の精霊に支持を送り彼のそばにまで歩み寄らせると何もおからない。

「どうやら、罠はないですね」

 雪菜は直ぐに駆け寄って声をかけた。

「お、お兄ちゃん! お兄ちゃん!」

 息はしているので死んではない。

 しかし、体中ボロボロで血まみれだった。

「すぐに救護班に頼み、彼を手当するために薬膳さんのところへ移送します。コードSY彼を」

「うん」

「うぅ‥‥ゆき‥‥な‥‥」

 ふと、彼が目覚め雪菜を呼ぶ声。

「お、お兄ちゃんもう平気。私助けに来た」

「コードDD、任務完了報告を受けてたはずですが一体何があったのです? シェルシードのしたいもないですが?」

「くぅ‥‥突然‥‥なぞの‥‥3人組が現れ‥‥いや‥‥6にんだったか‥‥あぐ」

 そう言い残してまた気絶した彼へ雪菜は必死にまた呼びかけたが返事はしない。

 でも、エリスは今の言葉でおおよその検討は出来た。

 突然の襲撃によって彼ほどの強者は倒され、みすみすシェルシードという重要な証拠人を渡してしまったということだ。

「平気です。気絶しただけです。ですが、すぐに手当が――」

 ふと、エリスは足元のジャングリングナイフに気づいた。

 ひとつのジャングリングナイフ。

「指紋を採取する必要がありますね」

 すぐにエリスはハンカチで握り部分をくるみその物的証拠を密封パックに入れる。

「さぁ、行きましょう」

 エリスと雪菜は撤退作業を開始した。

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