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国家秘密組織と特待生  作者: ryuu
後章 共生学園『魔法競技ランク戦大会』――――魔法騒動テロ組織襲撃事件
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闇の襲撃

「待て! シェルシード・リュバン!」


 発砲をし、威嚇射撃を行う。

 シェルシードは躊躇せず逃走を図る。

 現在、ショッピングビル廃墟内、7階フロア。

 あたりには書棚と思われる木製の箱板が散乱している。

 もともとは本屋だったのだろうか?

 そこへ逃げ込んだシェルシードを見つけ追いかける。


「2度目はないぞ!」


 宣告とともにシェルシードを追いながらシェルシードに向けて3発の銃弾を放った。

 一発はシェルシードの肩を打ち抜きバランスを崩させたがタフな体でそれでも足を止めず逃げる。


「なんつー奴だ! 痛覚がないのか? いや、薬を服用して麻痺してるのか!」


 徐々に奥へ進んでいきCDケースの破片らしきものが床に散乱してる所へ。


「もともとCD店だった場所か?」


 そんな疑問がよぎってからシェルシードが足を止めた。

 行き止まりにあたったらしい。


「もう、観念して捕まったらどうだ?」


「はん、誰が捕まるかよ! 俺はもっと世の中にこの薬をばらまいて大儲けするんだ! てめぇなんかに邪魔されてたまるかよ! こちとら捕まったら命の保証がないんでなぁぁああ!」


 シェルシードは体が突如として変異していった。

 体全体を追う鱗、そして、長く生えた尾っぽ。トカゲのようなでっぱた顔に鋭い牙。

 そう――彼は亜人へと変貌する。


「リザードマンか!」


 口から火炎玉を吐き、優へ襲いかかる火炎玉。

 横へ飛んで回避する。

 続けざまに火炎玉を打ちこんでくるシェルシード。

 すべてをどうにか飛んで回避し続ける。


「予定を変更! 緊急的に独断的判断でシェルシード・リュバンをAランク犯罪者に任命し、ただちに殲滅任務へ取り掛かる」


 幾度目かの火炎玉を横へ飛び跳ねて避けざまに発砲。

 シェルシードの脚を打ち抜き体勢を崩させる。


「うぎゃぁ!」


「終わりだ!」


 体勢が崩れすきができたところへ懐に潜り込むようにして腰からナイフを引き抜きざま斬り払う。

 シェルシードの体を袈裟状に切り裂く。


「俺の体が‥‥‥‥そんな‥‥ちゃっちぃ‥‥ナイフで‥‥なぜだぁ‥‥」


 数歩後ろに下がってシェルシードは驚愕の目を優が持つナイフに向ける


「リザードマンはその鋼鉄な鱗が特徴的だが魔力を使い熱を浴びせたこの特殊な振動金属刀のナイフで切り裂ければ摩擦と熱によってうろこはすんなり切れる」


「ぐふっ‥‥‥‥‥かは」


 その場で倒れ伏し白目をむき絶命した。


「ふぅー、任務完了っと」


 くるると銃を回転させホルスターにしまい、ナイフも同様にしまいこんだ。

 携帯を懐のポケットから取り出して『伝達室』に連絡をする。

 数度のコールの後――

『こちら伝達室、SDです。どうぞ」


「こちらDD、予定通りとは行かずシェルシードを独断判断で始末したことをボスに通達願う」


『了解です。では、すぐに撤退準備をお願いいたします。『掃討班』wpすぐにそちらへ派遣いたしますので』


「了解」


 2、3簡潔に言伝を得て通話を切った。

 見下ろす足元にはシェルシードの死体。

「おまえは‥‥なぜ」

 そんな疑問を投げかけた矢先に足元にジャグリングナイフが突き刺さる。

 そのナイフが同時振動を起こし魔力を帯びて魔力同士が糸を引くようにつながっていく。

 そして、優の足場へと繋がり体が固定をさせられた。

「なっ――これはいったい――」

 頭上に大きな魔力を感知して見上げると太陽のように真っ赤な豪球に雷をまとわせたような球体が存在していた。

 それが爆散し優に嵐の弾丸を振りそそぐ。

「ぐがぁああああ!」

 たまらず絶叫を上げて膝をつき逃げようとするが身動きがとれない。

 足場を固定されたような感覚。

「なん‥‥だ‥‥これ」

 優の前に突如として漆黒のローブの3人が現れた。

 3人組の真ん中の一人が前に出てきて優へ近づく。

 手には滅多に現代ではお目にかかれないナイフ――ジャンビーヤ。

「おまえ‥‥なにをす‥‥」

 ずぶりとナイフが腹部を貫く。

「ぐふっ‥‥」

 腹部にとんでもない痛みが走り口の中が鉄の味で充満し喀血する。

「汝を犯せ、アビスポイズン」

 体全体をあぶられ焼かれて、最後には臓器をえぐられてしまうようなそんな表現できないような痛みが体全体を襲った。

 朦朧とする意識――はついに途絶えきれ意識を失う。

 3人のそばに漆黒の空間が出現しチャイナ服姿の二人組を従えた長身の黒髪の女の巫女服に身を包む女が現れる。

「‥‥哀れなオトコ」

 彼女はシェルシードにそっと触れると彼は数秒後ぴくりと体をはね上げさせ動き出す。

 その瞳に光はなく虚ろな表情で「あぁ‥‥うぅ‥‥」と声を上る。

「さて行きますよ。撤退ですわ」

 そう言って彼女とともにチャイナ服姿の二人と3人組の女が虚空の闇に消えていった。

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