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国家秘密組織と特待生  作者: ryuu
後章 共生学園『魔法競技ランク戦大会』――――魔法騒動テロ組織襲撃事件
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旧横浜

「あいつか」


 場所は、旧横浜といわれる都市――。

 改築に伴い、隔離された横浜の旧都市。

 『元』横浜ともいえる場所だ。

 この辺には『元』横浜の駅もある。だが、現在は封鎖された駅だ。

 実際、どこからどこまでが旧横浜かといわれると横浜駅と言われた廃駅から『元』三沢公園区域までが締める区域である。

 新都市といえば横浜港一角に増築施設が建てられてみなとみらい区域の方は一気に改装新築してそちらに今は横浜新駅がある。

 そして、現在優がいるのは旧横浜の廃駅だった。そう、『元』横浜駅。

 改札を出てすぐの柱に身をひそめて東口ゲートに向かう男の姿を目視でとらえる。


「あいつか」


 情報通りにあった風体、写真と一致する顔。

 厳つい顔をした強張ったもので、長身の平均的な体格。髪はニット帽をかぶっていてわからない。

 特徴的ともとれる髑髏のついたピアス。

 そして、頬についたオオスズメバチの刺青。

 マジックオフィシャルの施設管理員にしてはそぐわない身だしなみだった。


「――ったく、今の施設管理者ってのはみんなあんな姿してんのかよ」


 呆れた物言いをつぶやきながら後を追う。

 追いかけてくと軒並み崩壊跡のような場所に出てきて瓦礫が行く手を遮ってしまう。


「くそ、見失った!」


 一瞬目を離したすきに見失ってしまい、走って東口の奥にある元は大きなショッピングビルだったであろうの方へ走っていく。

 あたりを見渡すがいない。

 もともと広場だったらしく頭上を見上げれば時刻が14時半。ちょうど、この区域が廃止された時間帯で止まった大きな人形ぜんまいの古時計が壁に備え付けてあった。


「あぁん? 前払いってどういうことだ! 聞いてないぞ!」


「っ!?」


 ちょうど、廃墟のショッピングビルの中から男の怒声が聞こえた。

 慎重に足音を立てずに開いた扉のそばに身を隠し中をのぞく。

 ちょうど、案内カウンターだったらしき、テーブルのそばで口論している。

 時刻が19時を回り始めほのかに暗い。

 暗さがうまくその扉のみでもカモフラージュとなった。


「だから、言いましたよぉちゃぁんと。前払いだってぇーな」


「ふざけんなさっさと薬をよこしやがれぇええええ!」


 カッとなった男がシェルシードに殴りかかるがそのおぼつかない足では避けられて足を引っ掛けられ転倒されるのがオチだったようだ。


「てっめぇ」


 青筋を立て地面に這いつくばりながらもう一度立ち上がって拳を振るう直前だった。

 シェルシードは客に向けて銃を突きつけた。


「なっ!?」


 客は目をむき、後ずさる。


「言うこときかない子犬は死んでくださぁいーな」


「そこまでだ。シェルシード」


「「っ!?」」


 優が二人の前に姿を現す。

 二人して共学に目をむき彼の身なりをみていぶかしむ。


「あなたどちら様ですぅー? こんな場所にその格好タダものじゃないですぅーな?」


「‥‥‥‥‥何者か知らなくていいことだ。あんたを捕まえに来たやつとだけ言おう」


「俺を捕まえるぅ? あひゃひゃ! ああー。わかりましたぁ例の暗部組織の人ですかぁーな。例の情報が欲しいんでしょー」


 シェルシードがげひた笑い声を上げる。

「おまえやはり例のテロ組織と何か関係があるのか?」

「あひゃひゃ! さぁーどうでしょーかな!」


 薬の袋をポーンと遠くへ投げ捨てる。

 客らしき男が慌てるようにその薬の方へ駆け出す。


「あ、おい!」


 慌てるように優もその行動を食い止め、男の腕を引っつかんだ。


「薬なんてやめ――」


「邪魔をするなぁああああ!」


「くっ!」


 反抗的に優へ襲いかかった麻薬を買いに来た亜人。

 服用者は鋭い爪をえぐりこむように優の眉間へ杭刺しにかかったが優もそうやられはしない。

 うまく身をそらして足払いをし、服用者を転倒させ瞬時に腹這いに身を転じさせて服用者の両腕を後方に締めあげ、捕縛用の手錠をかけた。


「――ったく、落ち着けっての」


「ぐぁああ! 離せええええ!」


「うるせえな。てめぇの処罰はあとで判断する今はおとなしくしてろ」


 麻薬服用者には原則 Aランク指定犯罪者という判定はない。

 基本は捕縛のみという規定となるが、そのあとの方針は今回の場合は警察が対処する手はずとなっている。

 依頼者が警察とのこともあり、服用者の場合は警察任せとなる可能性があるためこの様な処置が必要となり判断したものだった。

 服用者に気を取られてる間にシェルシードが姿を消していた。


「くそ、取り逃したか!」


 ただちにボスへ連絡をするべきかどうか迷ったがとりあえず、メールで伝達を行い行動を起こす。


「まだ、そう遠くへ行ってないはずだ。探すか」


 捕縛した服用者はメールでアリスに伝えたので後から来る『掃除屋』の誰かに任せることにし、優は急いでショッピングビル内に入って探すことにした。


(近くから気配を感じなかったということは中にいるのは確実だ!)


新編、国家秘密組織。

シェルシードに遭遇。

このシェルシードを今回、大きく関わらせていただきます。

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