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国家秘密組織と特待生  作者: ryuu
後章 共生学園『魔法競技ランク戦大会』――――魔法騒動テロ組織襲撃事件
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武器回収 後編

 ――地下の階層。

 そこにはありえない数の武器があった。

 壁には複数の刀と剣。そして、銃。

 足場のところには複数に積まれた箱。それらには銃器もそうだが各種の合わせた弾丸や武器のパーツだった。

 数百種類はあるだろう武器。武器の宝物庫と言っても過言じゃない。


「おいおい、すげぇな」


「ウチの武器の品ぞろえは日本一とか言ってたなぁー」


 他人事のように武器屋の娘は受け応えた。


「お客様にそういう口の利き方をするでねぇ。ちゃんと敬語を使うだ」

「あーはいはい」

 武器屋の娘は母親に注意をされ、ちょっと気分を害したように口をへの字にしながらも奥へ突き進む。

 後へ続く優たち。


「ここがそう、あんたらの注文してるブツがあるよ」

 武器屋の娘が笑顔でそう言って体を密着させながら優に説明をする。

 その際にその柔らかな肌を押し付けられて胸の弾力が腕に伝わりどぎまぎしながら慌てて彼女を突き放す。


「おい、くっつくな」

「へぇー、意外とウブなんだぁー」


 優をからかう彼女の頭上からげんこつが振り落とされる。

 その拳骨を振り下ろしたのは言うまでもなく彼女の母親。

「なにしてるだ、手伝うだ」

「はいはい」

「ハイは一回」

「では、少々待ってくださいだ」

 奥の部屋にふたりして先に入っていく。

 優たち3人はとりあえず言われたとおり外で待機。

(にしても、この改装はクソ広いな。地下に二部屋かそれ以上ありそうだな)

 ぐるりと見回すだけでも気が滅入りそうなほどの広さはある。

「お待たせしましただ」

 中から、奥さん店員が出迎えるように出てくる。

 部屋へ案内され中――――銃撃や刀剣訓練ルームだった。

 白い魔防壁に囲まれた射撃訓練用の的が3つ配置されただけの部屋。

 横長に長く、壁際には見学者用の魔防ガラスの仕切りがある。

 そう、いうなれば、人体実験の実験場そのものだ。

 しかし、この場所の用途は違う様子。

 武器屋の娘が重たそうにしながら箱を乗せたカートを奥から引きずってくる。

 奥にもひとつ部屋の扉があった。どうや、そこは注文を受けた武器庫のような部屋らしい。

「注文の品それぞれを使用するということだということだがどうするだぁ?」

「は?」

 武器屋の娘が一つの銃を取り出して奥さんが説明をする。

 シグ・ザウエルP226Eエリート(.9mm/.40SW)。

 しかも、改造されている。エリート改というものもあるがそれよりもより高性能にしてあり反動性も十分低下させ銃弾の発射速度も十分にあげてある。

 各種の部品を見てそれは容易に想像ができた。


「もちろんします。お借りしてもいいですか?」

「はい。部屋で待機するので少々お待ちくださいだ」

「了解です」

 そのための射撃訓練場かという納得を抱き、早急にエリスの訓練ルームに残る形で部屋を出て優たちのみ見学できる場所の方まで移動した。

 彼女は研ぎ澄ました瞳で人形の的当てを凝視。トリガーに指をかけて発泡する。

 見事に頭部へ命中。

 その後のエリスは銃を見回し眺めながらさらに数度発泡をする。

 武器屋の奥さんが手元にあったマイクで発する。

「どうだー? 使いごごち悪くねべかー?」

 内部と繋がる放送になってるようだった。

『わるくないです。しかし、もう少し反射制動を下げていただきたいですね』

「そうだべかー」

 若干、ショックがにじみ出る表情。

 武器屋としては商品の不備を言われればそうなるだろう。

 もうすこしオブラートに包んだ発言をしてやれよと思う。

『すみません、もう一つ武器をお願いします。今度は刀剣でお願いできますか?』

「柚葉、届けてやるだ」


「はーい」


 若干、不服そうな表情と共に武器屋の娘さんはカートの上に乗った赤い鞘に収まった刀を手に取り中に入ってエリスに手渡した。

『雪菜、あなたも来てください。そこにある武器一つを持ってくることを忘れずお願いします』

「え? どれをつか――」

 雪菜は突然の注文の困惑したがすぐに言葉を止め困惑さも消える。

 カートの上にすぐに自分のものだという武器がったようだった。

「これって‥‥」

 一つの白い鞘に収まった一本の刀があった。

 鞘には名義が書いてある。

『白冬氷雪桜』

 なんと呼ぶのかわからないが優はその刀に酷似した武器を知っていた。

(アリスの刀に似てる)

 今ではアリスは刀をそう使わなくなったが昔は相当刀を使い『羅刹狂気のアリス』とかいう異名まであったほどに強い刀使いだった。

 その当時に使っていた刀はまさに白い鞘に収まり、水色のラインが入った白銀の刀剣だった覚えがあった。

 握り部分やつばなんかは氷を似せてこしらえたような白い色をしていたはずだった。

 まさに、今目の前で雪菜が手に握った刀に酷似している。

 内部に入るとエリスは雪菜のその姿に「似ていますね。昔のボスに」と微笑みを見せる。

 優も実に昔を想起させるものだと感慨深くなる。

『では、初めてもらって結構だ』

 さっそく、訓練場で武器を交え出す。

 互いに一歩も引かない剣戟。

 すざまじい金属の音が響き、白と赤の光のラインが垣間見える。

 数秒後に互いに間合いを取って鞘に収めた。

『申し分ありません。こちらは買取でお願いします』

『私も問題ない』

 それを聞いて薄く笑みを浮かべる。

「ありがとうございますだ」

 エリスと雪菜は訓練場から出てきて武器を撫でる。

「ユウ、あなたも自分の新装武器が手配されてあります。一度試すことをしてみてはいかがです?」

「え?」

 エリスはそういうや武器屋の娘に「例の剣と銃を」と耳打ちする。

「あ、これね」

 武器屋の娘は俺にひとつのバタフライナイフと銃を手渡した。

「ボスは『シートコール』戦の武器を見てからユウにあう武器を考えていらした。あの武器は現状ユウの身体に影響を及ぼしかねないので廃棄したことを忘れたわけではありませんよね?」

「ああ」

 そう、『シートコール』の戦いで勝利の鍵となったあの武器。

 あれは薬膳狂音から頂いた武器ではあったが能力の吸引性は強いがその分使用者の魔力を一発の弾丸だけでも大きく浪費させるというデメリットがあった。

 なので、使用の控え及び薬膳に返却をしていた。

 でも、後の話では薬膳が使われない武器は廃棄という持論で廃棄したことを耳にしている。

「そろそろユウも会社について8年近くなるということですからボスは新装の武器を注文しています。今後は過酷になるでしょうから」

 優は感慨な面持ちを胸に武器を受け取った。

「この銃は近接に特化した銃ですが長距離中距離も難なくこなせるハイスペックな銃にしたってかんじ。デザートイーグルの高性能性も少し加えマグナム弾が撃て、インフィニティカウンターキラーよりは銃弾数も跳ねあがっているってかんじ。そして、より威力も高くはなりかなりの高性能銃」


「ありがとう」


 武器屋の娘の説明を受け優は銃とバタフライナイフを手に訓練ルームに入った。

 そのあとの衝撃に打たれた心は言うまでもない――――

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