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国家秘密組織と特待生  作者: ryuu
後章 共生学園『魔法競技ランク戦大会』――――魔法騒動テロ組織襲撃事件
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昼休みの騒動

『シートコール』事件から1年たった2151年2月19日。

 一人の青年、龍牙優も共生学園にそろそろなじみ深い1年生になっていた。

 そもそもが転入時期が2月の半ばだったのに『シートコール』との戦いでほぼ半年ほど優は療養期間に費やした1年だといえる。

 なので、2年生になる際は一切そのようなことがない生活を迎え、適度な学内調査を進行したいという気持ちがある。

 現在、魔法応用の授業が行われており、教師が黒板に記す事柄を真剣にノートに書き写す。

 知ってる内容ではすべてあるがとりあえず潜入してる立場でありこの学園の一学生なためその場にふさわしい行動をとるのがルールというものだ。


「ですから、このようにいろんな属性の自然魔法にも使いようによっては新たな魔法構築ができるのです」


 彼にとっては初歩中の初歩の講座。


(あーだるいな)


 彼はもっともこういう座学が一番だるかった。

 特にだるくないといえば、魔法実技の授業や体技訓練授業(体育のこと)が一番やりやすく楽しいものだった。

 だが、現在は座学である。頑張ってしのがなくてはならない。

 学校の4時限の授業終了ベルが鳴った。


「えーでは、終わりにしたいと思います。皆さんこのことを頭に入れて近いうちに行われる学年末テストや学内行事の魔法ランク戦をがんばってください。それでは、終わりにしたいと思います。号令」


 いつものごとくの『起立、例』のあいさつをして授業が終わる。

 そのあとは各自、飯を食いに食堂へ向かったりお弁当箱を持って外へ出て行くものやラウンジに向かうものは他またどこか空き教室に向かうものもいるし、この場で弁当を広げて食べる奴もいた。

 優は一人ぼっとしながら先生が言ったことを思い返す。

(そうか、学園理事長にも言われていた学校行事もそろそろか)

 学年末テストや各種学校行事がこの学園では毎年『年度の変わり目』に行われるのが通例で結構遅い時期に行われている。

 それも、学年が変わる際にクラス分けにおいて実力を固めるクラス分けをしなくてはならないからだ。

 2年生は基本そういう構成でクラスわけがなされておりS~Eという順でクラスがわかれる。

 成績及び、近く行われる『魔法競技ランク戦大会』をもってその実力を測るという。

 この『魔法競技ランク戦大会』、内容はトーナメントの魔法を使用した戦いだという話であり、数多くのお偉い人がその大会をわざわざ視察しに来るほどの翁行事。

 優ももちろんその行事は知っていた。

 なぜなら、世界的にも有名な大会であり、この学園ならではの伝統。

 しかも、その大会の出場者で上位者は毎度、お偉い方々からのお声がけで将来有名な会社に就けるような仕組みもなされてる――。

 そういうなれば、学生たちが自分を披露する大会で、求職の場。

 現在こうしてグループを作って食べてるのはそういった近くにある大会のために親交を深める食事だ。

 話の内容は作戦のことばかり。

「みんな血走ってんな」

 優も従妹が作ってくれた弁当がありラウンジで食べることにするつもりで席を立つと―――

「優君、一緒に外で食べない?」


「あ、抜け駆けずるーい私も一緒に」


「あ、私もー」


 とここ最近大会があるというので実力者の優と親交を深めようとするh女子たちが包囲網を気付いて声をかけた。

 ため息をついて斜めの位置に座る――青い目に赤のメッシュの入ったロングの金髪美女、ミユリ・ハーフェス・杏里に助けを求め視線を送る。

 現在の優の座席は真ん中一列の一番後ろの席。それに加えミユリはその右端の列の後ろから二番目だった。

 今年になって席は変わり、今の座席となっている。


「優さんがおこまりです。解散してください」


 あきれたようにミユリはやっと動いて仲介に入ってくれる。


「でたわね、ミユリ。今日こそは譲らないわよ。聞いた話だとあんただって今はあと一枠空いてるそうじゃない。ねらってんでしょ! そうやって私たちをのけさせて後からかっさらおうたってそうはいかないわ」

「そうよ、あなたいつもいい子ぶって恋人だからって理由でいつも独占してあなたたたちはずるいのよ!」


「そうそう」


 今日は逆効果だったらしい。

 しかも、恋人という発言に優は目を見開いた。

 さすがのミユリも憤慨すると感じた。


「こ、恋人なんて‥‥私と優君はそんな関係じゃ‥‥」


「なわけないでしょぉー、なにあなたたち勘違いしてるのぉ―。龍牙くんの恋人はこの私クリーエル・杏奈・フェンよぉ」


「おい、お前の恋人になった覚えもねえ!」


 人垣の中から突如として介入してきた金髪をカールしたギャル系美女。

 クリーエル・杏奈・フェンに思わずツッコミを入れてしまう。

「あらぁ、冷たいですわぁ。あんなことぉまでぇしたのにぃ」

『え?』

 クリーエルの言葉を聞いて群衆が氷りついた。

「優君もやっぱり‥‥ひどい。私より先にクリーエルさんに手を出すなんて」

「ずるい!」

「なにそれー」

 怒りの矛先が違くないかと思う。

 間違いだらけ過ぎて何も言えない。

 優は悩ましげに額に手をおき、どうしたものかと考えてれば教室の扉が乱雑に開かれた。

「ここに龍牙優という者はおるか!」

 それは優も一目見て種族がわかるほどの金髪な妖艶な顔立ちをした美女だった。

 種族はエルフ。

 長寿のみで魔力に優れた異世界の守り人と称される種族だった。

「なにあんた? エルフが何の用? 優様は私たちとお話し中よ」

 軍団の一人の女の子がエルフの女へ突っかかりに行く。

「邪魔だ」

 エルフの女が黒髪と青髪の程よい筋肉質のついた美女を従え彼女を突き飛ばし歩み寄ってくる。

 軍団は一気に圧倒され、道を作るように別れた。


「貴様がそうだな」

「えっと、どちら様で?」

 困惑してるとまたしても教室の外から廊下をかけだしてくるような駆け出す音。

 それも巨大な怪獣でも迫ってきてるかのような音が迫ってきてるような形だ。

 緊張の糸を引かせ優は魔力を少し高まらせた。

「先越されたが! エルフだぁ! そこをどぐでげぇ!」

 独特な口調をわめき散らすは小柄の巨体の肥満の女。

 服装は制服姿だが妙に頭のかぶった角のついた帽子が気にかかる。

「デルガザス‥‥っ!」

 仇敵にでもあったかのような様相でエルフの彼女たちは魔力をほとばしらせ、弓の魔装武装を展開した。

 金髪のエルフが緑色の魔力で構成された弓を、青髪のエルフが水井色の魔力で構成された弓を、最後の黒髪のエルフが赤色の魔力で構成された弓を展開している。

「消えろ! ここはドワーフがくる場じゃない!」

「それを言うならエルフだがぁ!」

 小柄の肥満女も、背に携えてあった斧を振り構えた。

「ねぇ、あれってやばいんじゃない! だれか風紀に伝えなよ」

「無理よ。廊下も同じようにエルフとドワーフでひしめき合ってる」

 周りの状況が殺伐としていた。

 どうやら、今の話の中でくみ取れたことで言えば外も同様の状態。

(いったいなんだ!?)

 優にも理解苦しむ光景だが、学園理事長に頼まれたん件に該当するので優は両者の間に立ち入ろうとした時だった。

「お二人共やめてください」

「ここは風紀員があずかりますよぉ」

 ミユリとクリーエルの二人がいつの間にか『風紀』という腕章をつけて両者の間に立ち入った。

 誰もが傍観するしかないと悟った状況下で彼女らの行動はあまりにも身の程知らず。

 この場のだれもが両者は相当な実力者と理解している。

「おい、二人とも無理を‥‥」

「優君、これは風紀員たる私たちの仕事です」

「すぐに離れてくださぁい」

 優はただだまりながら彼女らに圧倒されてしまう。

 風紀の仕事言えば確かにそういう状況かも知れない。

『風紀員』、それは学内の風紀をただす役職だった。

 それに去年の『シートコール』事件の後に所属したふたり。

 仕事として勇気ある行動をとってるけれど実力が段違いすぎる。

 相手が悪い。 

「風紀員方、邪魔をしないでいただこう。これはわが種族と忌まわしきドワーフの戦い」

「そうだべ。そこをどぐだぁ」

「そうはいきません」

 そっと、ミユリは魔力の壁を体に張り巡らして「キッ」と両者をにらみつけた。

「じゃまだ!」

「邪魔というんです」

 両者はやはり聴く耳もたず二人にその手を振るう。

 魔力をみなぎらせたなにかの技の発動が来る。

 優はふたりを守るように飛びいった。

 放たれた魔力の球体、上がる悲鳴。

 ―――一瞬で静寂。

 それは優が放たれた球体を素手で打ち砕いたから。

 周りはあっけにとられ言葉を失った。

 彼女らの本能は一瞬で彼の危険性を感じ取り肌身を震わせた。

「ちょっとばかりやりすぎだぞ。こちとら学校内のいざこざについて理事長に頼まれてるからさ、ここらで暴れるなら俺が相手になるぞ? あんたらの関係がどうあれ俺は腕っ節でアンタらを抑えるぞ」

「‥‥すまない。龍牙優殿、貴殿を困らせるつもりは毛頭なかった」

 エルフの彼女が素直に武器を収める。

 しかし―――ー

「我らの因縁を知らん奴が――何を意味の分からんことをいうだぁ!」

 肥満の女がこちらに迫り来た。

「龍牙殿!」

 エルフは彼を守るために飛び出しかけたが目の前の光景を見て唖然とその足が止まった。

 床に倒れたのは肥満女だった。

 エルフの彼女の目には彼が何をしたのか見えなかった。

 優はただそっとドワーフであろう彼女の胸に手を向けていう。

「これ以上抵抗するならもっと痛い目にあわす。ここは暴れる場じゃないだろ?」

 そう優の宣言を聞いて殺気を解いたエルフとドワーフ。

 そのあとに廊下側から足音が複数聞こえた。

 教室に数重の軍団が入ってくる。

「生徒会及び風紀員です!」

「何があったのか詳しく聞こうかしら?」

 一人は風紀という腕章を付けたメガネのショートのヘアー美女とその背後に控える同様の腕章を付けた女集団。

 もう一人はプラチナブロンドの 美女にその背後に控えた褐色肌に筋肉質な体つきをした女と茶髪をカールした唇の下にほくろがある女。

 どちらが風紀でどちらが生徒会か一目で理解できる姿だ。

「これで何度目です?  シャーリー・ステファー、アイシャ・デルガザス」

 風紀の彼女がエルフの女とドワーフの女にそれぞれ殺気めいた目線を向ける。

「彼女らふたりをそこのあなた直ぐに風紀室に連行をしなさい」

 風紀リーダーの彼女が部下の一人へ連行するように指示を送る。

「それからあなたたちはすぐに風紀室にきてください。生徒会の方々にはこちらの対処をお願いします」

「わかりましたわ」

 そういうや風紀リーダーがミユリとクリーエル2名を引き連れて去っていこうとする。

 どうやら、部下である彼女たちに事情を聞こうというのか。

「龍牙優殿。此度は騒がせてしまい申し訳ない。後日また改めてまいりたいその時は話を聞いてくだされ」

 ―――ーとそこで連れ去られる直前だったエルフの女性、シャーリー・ステファーがこちらを振り返り一言漏らした。

「あたしもおねがいするだ」

「ドワーフ風情が彼を仲間にできると思えないな」

「それはエルフだ」

「あなたたち黙りなさい」

 二人の種族女はそのまま沈黙し風紀に連れてかれた。

 状況の対処を早急に生徒会はしており場は沈静化していた。

 廊下側もどうやら群れが消えたようすで教室から次々と出ていくものが見えた。

「龍牙優さん、少々生徒会室にご同行願えますの?」

 ――――と生徒会の彼女がにこりと微笑みを向けた。

 プラチナブロンドの彼女の笑みはなぜか優には異質なものを感じた。

「あ、はい」

 断る理由も見つからず優は彼女たちの後へ続く。

 どうせ、今回の騒動について聞かされるだろうことは目に見えていた。

内容変更をしました。

この後に続く話はつながりがありません。

全く新しい話となります。

随時、内容変更を行いますのでご了承を。

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