国家組織者VSシートコール
「そっちにいったぞ!」
あれから出て数分後にはものの見事に見つかってしまった。
だが、うまい具合に敵を倒して切り抜け進む。
現在は3階にどうにか到着していた。あと、二つ降りれば目的地である。
一人の男が目の前に立ちはだかったが優には関係はない。
壁を蹴り上げ跳躍し天井の壁を蹴り上げて頭上を飛び越え―――
「あれ? どこに――――ぐぁああああああああ!」
背後に回って電流の魔法を男へ向け流し込んだ。
気絶した男を見て前方にまた立ちはだかった軍隊の指揮官の女性が指示を出す。
「うてぇええええ!」
一気に銃弾の嵐が飛び交う。
だが、それをリーナと優の混成魔法によるダブル防壁が銃弾を防ぎそらした。
二人に守られる形で友美も後ろからついてくる。
だが、友美も守られてるだけじゃない。
「ウェザ―シュート!」
『ぎゃぁあ!』
二人のわずかの間に手を伸ばし前方の群れに向けて防壁をすり抜けて風の砲弾を打ち出した。
突然の砲弾は軍隊を壊滅させた。
「ぐっそぉ」
倒れ伏した軍隊の指揮官が最後にこちらに銃口を向けたが―――
「寝てろ」
「ゃぁあああ!」
炎が女を包み絶命し、その敵意を向けた行動は無意味となった。
優らは足を一切止めず次から現れる敵の攻撃には同様の方法で対処した。
たまに、先手必勝を撃ったりし、それで終わらせたりもしついにある気配を感じ取った。
「雪菜の気を感じる」
「え?」
「近づいてくる」
直後、振動が激しく起きて床が瓦解した。
「うぁあああああ」
「きゃぁあああああ」
「やぁあああああ」
優と友美とリーナは瓦解した床に飲み込まれるように落下していった。
******
1階ホール。
グレンダとかいう女に付き従うようにしてアリスは捕虜に偽装しながら向かう。
中に入ればこちらのもの。
内部から一気に混乱を招くように戦闘を持ち込む。
「つきましたわ」
グレンダはビルの手前で立ち止まり、アリスの背後に回った。
「先にあなた方が入りなさい。裏切る可能性もまだあるのですから」
銃口をかざし先に行けと銃を動かすサインを送る。
「ちっ、そんなことしねぇってんだぁア」
「もう、ちゃんと信用してほしいっすね」
「そうそうかなでたちはちゃんとほりょをつれてきてるんだよいえーい」
いわれるままにゆっくりと3人は二人の捕虜を連れて内部に入るふりをする。
グレンダは警戒しつつもこっちの本心は半信半疑状態。
グレンダも銃を向けたまま後に続く。
グレンダはそこで目を向くように立ち止まった。
それは3人も同じだった。
ただ捕虜に偽造した二人は何事かと感じる。
4人の様子が明らかに挙動不審。
「ごくろうです、4人とも」
「サード様、捕虜を連れてまいりました」
グレンダはそういって後に続けて宣告する。
「全部で6人ほど」
「ご苦労です」
アリスたちはどういうことだと考えた直後に一回ホールを埋め尽くす数多くの銃口を向けた人。
「もう、隠す必要はないです。アリス・クリスティア。内部から紛争を仕掛けようとしたのでしょうが私の目をごまかすことは無理です」
サードは悠然と微笑みを向けながら周りの部隊へ銃を下ろすように手を下へという動作のジェスチャーを送った。
そっとサードの背後に歩み寄る二人の影にアリスは息をのんだ。
(雪菜!)
北坂雪菜と資料に記載のあった少女、加倉井杏里、組織としての登録名義としてはアーリン・カークラインだったか。
「隠す必要はないってのはぁどういうことだぁア? こいつらはただのしゅう――」
一発の銃声が響き童子が足を抑えうめき声をあげた。
アーリンが容赦なく銃弾を放ったのだ。
「アーリン!」
「黙れッス裏切者。もう、バレバレッス」
途端にかなでと鼎は殺気を放出し、魔力を右手に固まらせ武器の形状へ。
魔装武装の展開だった。
かなでは闇色の傘を鼎が雷光の槍を構える。
「あなたたち落ち着きなさい!」
おもわず口を開き冷静を促しにかかる。
しかし、二人は聞く様子はない一気に飛び出した二人はサードへ先手必勝とばかりに攻撃を仕掛けた。
だが――アーリンと雪菜の魔装武装がその攻撃を防いだ。
アーリンの手には炎の闇色の大鎌、雪菜の手には氷の刀が握られている。
アーリンの魔力属性は火、闇。雪菜は氷だ。
対して攻撃を仕掛けたかなでの魔力属性は闇、鼎は雷、光。
相性的にはこちらが不利だ。
闇と光は相反する属性でどちらとも弱点で引き分ける属性同士。
火と雷もどうようである一方において氷と雷では氷のほうが強い。
この場で有利なのは雪菜。
はじかれた二人は間合いを取って奥歯をかみしめた。
雪菜はとてもやっかい。
力を増幅されてるあの状況で有利な魔力を持つとなれば――相手するのは同じ氷を持つ自分がいいに決まってるが動けなかった。
「動くんじゃありません。下手な真似をしたらすぐに射殺します」
背後にいるグレンダという女はかなり邪魔だ。
それにこの女には借りがある。
「あなたには借りがあったわね。今度ばかりは油断せず本気でいかしてもらうわ」
アリスの周りが冷気に包まれた。
その瞬間、伊豪はとびすさって周りにいる部隊の男の一人のそばに立っていた。
「な、貴様――」
「遅い!」
「ぐはぁ!」
軍隊が伊豪に意識が向いた。
アリスは変貌を遂げる。
銀髪が氷に覆われ、スーツも全体的に氷の鎧に覆われる。
そこには妖艶な氷のドレスをまとった美の女神がいた。
頭髪と顔を獣のアギトのようなフォルムのヘルム。
胸元を露出させたとげとげしく氷柱がめだつ妖艶なドレス姿。
手足は鋭く爪が伸びている。
「チェンジ」
アリスが一言言葉を唱えると右腕の先は一つの氷の刀身と化した。
「あなたのそれが本来の姿ですか」
間合いを取ったグレンダは冷や汗をうかべながら笑みを浮かべる。
抱えたエリスを放り投げ軍隊の一人がエリスをとらえた。
そのままどこかへ消え去っていく。
アリスが追いかけようとするも足元に砲弾がはじけた。
足を止めてグレンダをにらむ。
「彼女をどこに連れてくき?」
「教えないです」
「なら、力づくでも彼女を取りかえさせてもらうわよ! かなでさん、鼎さん、童子さん。3人はサード、雪菜、アーリンを任せます!」
立ち位置的に今は近い敵を相手取るのが友好的と判断し支持を送る。
そして、一気にアリスが飛び出せば仲間たちも踏み込んだ。
激しくぶつかる5人VS5人+数十規模の軍隊。
数十人をあいてに伊豪一人で立ち向かってるのは感心できる。
童子もサードが軍隊にこちらを攻撃するのを支持させ用としないとばかりに痛む足を気にせず攻撃を仕掛けている。
けど、どの攻撃もいなされてる姿。でも、この軍隊はサード自身がわざと支持を送っていないこともありえた。
何か考えがあるのか。
かなでと鼎も雪菜とアーリンに紛争してる。
私も武器を交差し決死の剣戟を繰り広げる。
「よそ見は禁物ですよ」
スキを突かれ横殴りの一撃がアリスを打ち上げた。
「がはっ!」
天井高く吹き飛ばされ天井にひびが入る。
「このっ!」
足場を凍らせて天井をスケートリンクにして滑り壁を滑走し降下しながらグレンダに勢いをつけて接近し一閃。
すばやい一閃がグレンダを切り裂き彼女は膝をつく。
「やったですねっ!」
彼女の剣が発光現象を伴い、剣撃の放射。
斬の砲撃をどうにか歯を食いしばりながらアリスは刀で受け止め上空に打ち上げた。
天井に爆音を轟かせて打ち上れば――
「え?」
「まさか――いやぁあああ!」
真下にいたグレンダとアリスを巻き込んで天井が落下した。




