組織の法律
日本、東京都内にある新秋葉原。
2100年にできた新秋葉原だ。
その一角の建物屋上で龍牙優はビル内の従業員を眠らせたついでに身ぐるみを引っぺがして、その自分が元着ていたスーツと交換し着替えていた。
「さっぶ、外で着替えるんじゃなかったか? つっても、仕方ないか。中は見張りだらけだし」
だが、今回の依頼内容を考えて仕方ないかと思いを浮かべる。
今回の依頼内容は、このビルもとい、ホテルにチェックインしてる『亜人』のマフィアの抹殺もとい交渉破断。
どういう意味かといえば、本来の主目的は確かに交渉破断であるが、裏業界とは交渉で物事が進むケースは基本あまりない。
よって、実際は抹殺というケースがとられることが多いが、抹殺とは言っても状況的判断によって行うことが会社の義務付けがされている。
『掃除屋』とは暗部の組織であり、国家に援助を受けた組織なのであるが組織自体はもはや一個の国と化している。
組織自体で法律があって規則があり、そして、依頼者から受けた依頼はこなすが殺す依頼というのは特に組織の法律に順ずるのだ。
まず、殺し依頼が来たらどう対処するか――法律に従って動くとするとランク分けがされてるのだ。
まず、Cランク指定犯罪者――――反省の意思が見られるので、交渉したのち相手側が承諾した際に捕縛し、依頼者には捕縛した件は内密にし、こちらで事後処理を行う。
Bランク指定犯罪者――反省の意思は見られるが、どこかで何かをためらう余地がある。もしくは、その者は単なる部下にすぎない人物だったと判定したならば強制捕縛、のちに、更正処分を与え、情報を吐かせる。C同様依頼者には内密にしこちらで事後処理。
Aランク指定犯罪者―――反省の意思見られず、殺し依頼通り抹殺。依頼者にはその後のまま伝える。
――という感じで法律とはこの指定を推測し認定したのち自分たちで規定通り行うのだった。
他にも多種依頼が存在するが、『掃除屋』の法律は殺しに関した依頼というのみだけに反映するもの。
そして、今回は『壊滅させてくれ』という依頼者からの要望を再度認識し優は笑みを浮かべる。
「悪人は抹殺しておかないとな」
それは殺し依頼。
このホテルにチェックインしてる『亜人』マフィア組織自体を全員殺す必要がある。金銭トラブル問題もしくは対人関係か、気になると思うところだが、こちらにはそのような依頼者の事情などはあまり考えない。
そして、今回その依頼に際しての作戦準備をするために多くの予期をした際に安全と考え屋上で着替えるハメとなった優。ホテル内には数多くの抹殺対象が出回っているためトイレ内での変装は厳しかった。よって、屋上という決断を導いた。
暗部組織所属の自分は相手に素性を知られるわけにもいかない。
サングラスをかけ――
「さてと、行きますか」
そうして、扉を開き仕事を開始する――――
修正済み