グレンダVSエリス
グレンダ・リーベルが向かった場所は旧川崎の駅だった。
破棄されたその駅のホームは深夜なのも合い間って暗く、薄汚れ、路線はひしゃげていた。
売店などがホーム内にはあったらしかったがその売店も照明を落とし中には棚が散乱して、物は一切なかった。
グレンダの耳はホームの奥へ向かう。
銃撃戦の音が聞こえる。
「撃ちまくれええ!」
見えた先では国家組織と彼女の所属する組織『シートコール』の戦争が垣間見えた。互いに設置した照明ライトでリング状に囲うようにして戦っている。
剣や槍などといった近接武器を構え近接戦を繰り広げる者たち。
銃や弓といった遠距離武器を構え遠距離戦を繰り広げる者たち。
接戦状態にある両者。
特に接近戦で無双する一人の者が目立った。
赤い髪をなびかせ大型の双剣を振るう国家組織の人物。
たちうちできない『シートコール』の人物たち。
「きゃっ!」
グレンダは倒れた一人の部下を見た。
彼女はグレンダの知ってる人物だった。
「死んでください」
赤髪の美女が振り下ろす大型の剣。
死を覚悟したように目を閉じた仲間の女の前にグレンダは割り込んだ。
「何者ですか?」
大型の剣を自らの白銀のロングソードで食い止める。
闇色の魔力を帯びさせた剣。
武装魔法を瞬時に展開したおおかげで食い止めることが出来た。
しかし、彼女はまだ『魔力を放出していない』。
「第5調査隊隊長、グレンダ・リーベルです。お見知りおきを」
「‥‥あなたですか、私のボスを痛めつけたのは!」
剣が強く押しのけられ、グレンダは背後の仲間を抱えて間合いを取った。
「あなたはすぐに後方で援護へ回るんです。ここにいても邪魔なだけです」
「も、もうしわけありません」
少し冷たいい方をしながらも彼女の命を慮ってのことだった。
「戦闘中によそ見はどうでしょうか?」
そう言いながらも赤髪の彼女は一切攻撃を仕掛けるそぶりを見せなかった。
「そう言っててなぜ攻撃をしなかったんですか?」
「私はあなたがたのようにゲスな人物ではありません。背を向けた敵や仲間に気遣う相手を斬る無粋な真似はいたしません」
「あまいです!」
グレンダは容赦なく足を踏み込んで間合いをとる。
剣の刀身を闇の魔力で発光させて叫ぶ。
「ダークスレイダ!」
闇の斬撃が放射させ赤髪の彼女を弾き飛ばした。
「中々やりますね。その強さを見込み名乗らせていただきましょう。国家組織者『掃除屋』、掃討班兼社長補佐官、コードE」
名乗るといっても本名を名乗りはしなかった彼女。
それだけ、彼女たちは個人の情報を常に強く守っている。
それはグレンダも同様だった。
グレンダという名前も『シートコール』で与えられた名前にすぎない。
本名は捨ててるも同然なので出世記録を割り出せはしない。
「補佐官‥‥なるほど、あなた、『掃除屋』の片腕、『赤髪の凶器』エリスですか」
「そんな異名ありましたね。それで、あなたは恐怖して尻尾を巻いて帰りますか?」
「まさか、それはないです。私も調査隊の中で実力は最強です。ここで、あなたを倒します! 『シートコール』の名誉や目的のために!」
グレンダの武器と『赤髪の凶器』であり、『掃除屋』の左腕――エリスの武器が激しく魔力を放出させ激突する――――




