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国家秘密組織と特待生  作者: ryuu
前章 潜入調査開始――――テロ組織『シートコール』との戦争
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優の一日

 寮へ戻った優は風呂へ入って上がり部屋着姿になってソファで酒を飲む。

「うめぇー、やっぱ最高だな」

 爺のような感じで缶ビールを飲み干し、手元にあった携帯を操作する。

 スケジュール欄で明日の予定を確認。

「あすは午前中に学校へ向かい、17時まで学内にいる。その間に、ミユリさんの案件を片づける。できればだが。19時には新たな任務があるから仕事に1時間で戻る。よし、だいたいはいいだろう」

 スケジュールの確認が済んで頭の中でもう一度繰り返させた後にテレビ画面をつける。

 録画ためしておいたアニメを見る。

 優の数少ない秘密の趣味であった。

 今日は仕事も早めに片付いたので趣味に没頭できた。

 時刻は夜8時だ。いつもだったらもっと帰りが遅いが今日は敵が速く片付いたからよかった。

 画面ではファンタジー世界のような場面で王道な冒険と学園ラブコメが繰り広げられていた。

 見いってる中でも頭の片隅で今日の仕事のことを考えていた

(今回は敵の手引きが絡んでたとしてもウルフはあまりにも逃亡を割り出されすぎている気がする。それにウルフはどうして『シートコール』と不祥事を起こした?)

 今回の不可解な点はあまりにも多く存在している。

 謎の二人組、『シートコール』という組織、『シートコール』の支援される組織『フィン支社』、ウルスガラディーンと『シートコール』の間で起こった不祥事。

 最も重要なのは『シートコール』という存在。

 彼らもしくは彼女らがなにをおもい革命を引き起こそうとしてるのか。

 そして、事業の内容とはなんなんのか。

 『シートコール』は早急に対処しなくてはならない組織であろう。

 でも、まったく闇の部分が見えない『組織』とは一番厄介な存在。

 とくにウルスガラディーンを支援していた理由も謎だ。

 ウルスガラディーンは別にそこの社員などではなかった。

 おおよそウルスガラディーンは契約関係にあったというだけだと優は考えていた。

(ウルスと『シートコール』の間でなにかしらの契約はたんにつながる問題が起きた可能性があるな‥‥)

 優はウルスのことを主浮かべながら口にした。

「あいつの腕の入れ墨‥‥蜂のあれはなんだったんだろうか?」

 携帯でネット検索をかけ蜂とキーワードを入れる。

 何種類ものは血の画像を見てウルスガラディーンの刺青と酷似した蜂の画像をクリックして検索をした。

「オオスズメバチねー」

 猛毒のは血で攻撃性が強い。そう書かれていた。

「どうでもいいことか」

 結論で食えた直後に携帯へ着信が来る。

 それはアリスからのメール。

 例のミユリ・ハーフェス・杏里の資料の送付の受け渡しについてだった。


『明日、朝7時取りに来るように』


 携帯の画面を消灯し、しばらく、アニメを鑑賞してから眠りにつく優だった。


 *****


 翌朝。

 7時になって早々、昨日の報告通り資料を取りにアリスのいる社長室に入室する。

 ドアをノックして返事を待つ。

 だが、返事は返ってこなかった。


「アリス?」


 ボスとは言わずいつもの態度で名を呼んだが返事は返ってこない。

 おかしい。


「あけるぞ、アリス?」


 そう言って開けたが中にはだれもいなかった。

 ただ、机の上に置かれた資料の束と一枚の手紙。


『私は私用で少し出かけるわ。資料を持ち学園の潜入調査にあたりなさい。DD。

 国家特別暗部殲滅掃討委員会、社長、アリス・クリスティア』


 そう、それは優宛ての手紙だ。

 コードネームで記された優宛の手紙。

 小首をかしげながら嫌な感じがしてくる。


「私用?」


 彼女とは長年一緒にいるので彼女のことは多かれ少なかれ大体わかってる優でもその私用については思い当たらない。


「あいつ、今日何かあったっけ?」


 もし、仮に仕事関係の私用であれば優や他の社員に言わないはずがない。

 そう、思う。

 いや、思いたい。

 優は手っ取り早く『掃除屋』の『伝達室』にアリスの事務机の上にある電話回線を使い連絡を入れてみる。

『はい、こちら『伝達室』コードMHです。ボスどういたましたか?』

「あー、こちらは『討伐犯』部隊隊長兼指揮官補佐のコードDD」

『こ、これは補佐官ご苦労様です。どういたしたのでしょうか?」

「アリス――ボスに呼び出されてきたんだが外出してるようなんだ。どこかに行ったみたいなんだがどこに行ったか聞いてるか?」

『え? 外出の言伝は預かっておりませんが」

「‥‥そうか」

『『通信班』に頼み衛星で居場所を探してみますか?』

「いや、いいさ。サンキュー」

 優は通話を切って頭をかく。

「まぁ、いいか」

 とりあえず、そんなに気にしないことにし――

「まずは目先の任務だ。さぁて、行きますか」

 資料を回収してその場から離れ、新渋谷にある学園に向かった。



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