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国家秘密組織と特待生  作者: ryuu
前章 潜入調査開始――――テロ組織『シートコール』との戦争
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別の避難誘導

 ミユリ・ハーフェス・杏里、市井みやび、二宮亜季、三矢百恵の以下4人は殺人鬼ウルスガラディーンの襲撃に巻き込まれていた。

 デパートから出ようとした矢先に防護壁シャッターが下り出口を阻んだのだ。

 隔離された空間。

 デパート各所にある一つの1階ホールで立ち往生する。

 4人以外にもた光の学生服を身につけた男女にサラリーマン風の男、OL風の亜人など様々な客がホールで立ち止まりわめき散らす。

 警備員がシャッター前に陣取って誘導をするように声を投げかける。

「申し訳ございません! 現在デパート内にて極悪犯罪者の侵入を確認し一次デパート内を封鎖いたします。犯人逮捕にご協力を願います! みなさんは係員の指示に従い避難をお願いいたします!」

 身勝手な言い分に何名かの客が反論の声を上げる。

「どういうつもりだ! 人権無視じゃないか!」

「私たちが殺されるじゃないの! さっさとそこから出して!」

 目の前のシャッターを指さしてこじ開けんばかりに人の波は警備員を押しまくる。

 一つの銃声が鳴りその場の全員が頭を抱えて発砲者に目を向ける。

「私たちは警察の者だ。みんなおとなしく誘導に従ってください。命の安全は保証しましょう」

 発砲者――警察局で特殊急襲部隊の部隊長兼亜人能力調査官という役職を持ったハンサムな三十路スーツ男、伊豪正宗が厳格な声色で周りへ伝えた。

「さぁ、彼らについて行ってください」

 ミユリたちを含むその場に取り残された客たちが彼の指示で警備の後をついて誘導されるままに進む。

「よし、私たちも行くんだ」

「はっ!」

 伊豪の指示に従い特殊急襲部隊が後続から続き歩きだす。

 周りを逐次確認をする。

「気をつけるんだ。およそ敵は一人ではないはずだ。多く見積もって10人はいるはずだ」

「了解」

 物音が聞こえ急襲部隊が銃口を向ける。

 客たちを背後にしかばうように前に出る。

「ねずみ?」

 急襲部隊の一人が首を傾げた途端伊豪は叫んだ。

「ちがう! ただのネズミではない!」

 そのネズミは大きくなり始め人の形をし始める。

 メタモルフォーゼという魔法。

 動物に擬態をする魔法だ。

 これの応用として亜人が人間に擬態を行ってるのを伊豪は知ってるからこそすぐに気付いた違和感に。

 それはミユリたち『共生学園』の生徒も魔法を勉強してるからこそ理解していた。

 ミユリたちはネズミを見たときにミユリの手を引いた市井と二宮、三矢が後に続け群れの中から飛び出して別行動を開始する。

 それを見た伊豪が怒声を吐く。

「ばか離れるな!」

 その時ネズミから変化したぼろぼろのマントに覆われた男が4人へ飛びかかる。

 伊豪が飛び出して守ろうとした矢先に足が動かないことに気づく。

 頭上に殺気を感じて見上げると蛇のように舌の長いローブを着用した男がおり、こちらに眼光を向け手に握ったダガ―ナイフで伊豪の肩口を切りつける。

「金縛りか!」

 体が動かなかったのは蛇のように長い舌を持った男の扱う魔法。

 影を利用した魔法。

 相手の影と自分の影をつなぎとめい手の身動きを封じる魔法だった。

 他の急襲部隊も同様の魔法に変えられ動けない。

 伊豪は目をむく。

 蛇のように舌の長い男は一人ではなかった。

 周りに数十人という規模でいつの間にか現れた。

「すぐに応援を呼ぶべきか!」

 伊豪は斬りつけられた傷口を抑え苦悩の表情を浮かべる。

 伊豪は例の学生たちを振り返る。

 血を垂れ流し倒れた4人を見た。

「くそっ!」

 毒づいて間もなくだった。4人の体が起き上がり4人の血と思っていたものはネズミの男の血。

「ぐあっ」

 ねずみ男は倒れて死亡した。

 何が起こったのかと4人の方をじっと見据えると陽炎の様な蜃気楼で空間が歪んだ。

 ステルス魔法を使っていっと思われる二人組の女が表れる。

 ローブ体にまとい一体何者かは分からない。

 しかし、わずかにのぞく制服の裾らしきもので『共生学園』の生徒だと理解した。

「友達か?」

 伊豪がそう考える時間はあたえられはしない。

 怒った蛇男の群れが襲いかかる。

「すこしばかりだぁア。あいてなってやるぜぇエ」

「たのしいっすね!」

 謎の女二人が蛇男の群れを圧倒し始める姿を伊豪はただ圧倒されながら茫然と見続けた。

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