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国家秘密組織と特待生  作者: ryuu
前章 潜入調査開始――――テロ組織『シートコール』との戦争
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情報料の支払い

 屋上の出入り口扉では二人の会話を聞く者たちがいた。

 それはリーナ・久遠・フェルト、加倉井杏里、宇佐鳶友美の北坂雪菜についてきた3人。3人は結局雪菜に言われるままに撤退したわけではなかった。

 ちょっとしたいたずら心で二人の会話を聞いてやろうとしていた。

 あわよくばそれで雪菜をからかおうとしていた3人は聞いた内容はとんでもない話だった。


「任務ってなんで―す?」

「さ、さぁ」

「わからない‥‥‥です」


 3人の中で重い空気が漂い自らの犯した重い罪が荒波の様に押し寄せてくる。

 聞いてはまずい内容だと知ったが後の始末。

 聴きいってしまい会話を終えた二人はもはやこちらに来る寸前だった。


「まずいでーす! くるでーす!」


「一度てった――」


「もう‥‥遅いよぉ」



 扉が開き3人は階段から点灯は免れはしたものの北坂雪菜と龍牙優二人と視線を交差させる羽目になった。

 硬直する5人。

 二人の眼は衝撃に大きく見開かれ優が即座に何かを懐から取り出そうとした刹那――


「お兄ちゃん!」


「っ!」


 雪菜が大きな声を荒げて優が自粛する姿勢を見せた。

 優の懐から見えたのは黒いひっかった機械的な物体。

 素人目でもわかる物。銃だ。

 優は一瞬3人からとんでもない殺気を感じたような気もしたがふと精神を落ち着かせ雪菜の目を見て謝罪をする。


「わるい」


「あのーなんでーす? 仕事って‥‥」


 ここにきて空気を読まず能天気なほどの質問を加倉井杏里が投げかけた。

 それを聞いて雪菜と優は渋った表情をする。


「もう、3人とも私帰れって言ったのに」

「ごめんでーす」

「ごめんねぇー」

「ごめん‥‥雪菜ちゃん」


 雪菜は親友たちの気持ちをくみ取って大きく息をつきながら兄へ問いかけるような目を向けた。

 優はそれの意味を理解し言葉を紡ぐ。


「説明するからとりあえず、お茶でもしに行こうか」


 優はそう切り出した。

 その時に優に向ける3人の凶悪な視線に優は気づきはしなかった。


 ******


 騒動後は、普通にかばんを教室から取りに戻って、学校から出て数分が立っていた。

 現在、優たちは駅近くの歓楽街の一店舗に来ていた。

 そこは名のある有名どころのケーキ屋さん。

 雪菜に約束通り情報料の支払いだった。

 学園自体は新渋谷にあるので駅近くには名所と呼べるようなおいしい店はたくさんある。

 しかし、どこも名所だけあり値段は張る。

 優も金銭面に余裕は持たせてはいれども貯蓄タイプの優には痛い出費。


「どうぞ」


 優たちが座った団体客席にお店のきれいな衣装に身を包ませた女性スタッフがケーキを運んできた。

 テーブルの上に置かれる色とりどりのケーキ群。


「あ、あの‥‥ありがとうです」

「感謝で―す」

「ごちなるですぅ―」


 3者3用に感謝を述べてケーキに手をつけ咀嚼する一方で雪菜は平然とケーキを例を述べずに恍惚とした表情で幸せそうにほおばっていた。

 情報料分なので感謝を述べる権限は雪菜にはない。


「お兄ちゃん食べないの?」


「ん、ああ」


 優もテーブルに置かれたケーキを手につけ食べ始めながらも3人を観察した。

 自分の素性を知ったにしてはあまりにも表情に変化を感じられない優は違和感を感じずには居られなかった。

 あまりにもそう言う衝撃的な場になれたような感覚が3人には感じた。


「どうしたでーす?」


 杏里が優の視線に気づき声をかける。

 優はギクリと目を丸くしながら咀嚼を終えた手を止めお茶を一息飲む。

 杏里もよく見ればケーキをそうそうに平らげていた。

 他のメンツは食べている途中でもその手を止めて優へ視線を向けた。

 空気の切り替わる感覚に反応を示すように。


「3人とも俺がどういった存在か気になるそぶりが顔に出てないから少し意外に思ってるんだ」

「「「‥‥」」」


 一言も発することはなく3人は口をつぐんだ。

 友美が目線を泳がせながらも口をパクパクとさせまるで小魚の様になって何かを話そうかとしてるが結局引っ込んでしまう。


「まぁ、あんな学校の学生だから耐性があるのかな。3人に聞くけど俺が怖いとか感じないのか?」


「優さんは怖いと思わないで―す」


「そう‥‥です。怖く‥‥感じません」


「ケーキおごってくれたですぅ―優しいですぅ―」


 怖いと感じさせられないのはまたそれはそれで優にとって問題があった。

『掃除屋』の優としてすごみは大切だ。

 だが、3人に対して優は好意的であり、優が普通ではない存在と知った今でもそれは変わることはなく恐怖感はない様子。


「屋上で射殺しようとした俺を?」


「んーあれは優さんにも事情があったことだと思ってまーす。だから、あのときの優さんは怖いと思いましたが今は平気で―す」

「同じ‥‥です」

「右に同じくです―」


 解答は同一的で変わらない印象。

 それは良かったというべきかと優は自身の今の特待生としての立場で考えた。


「お兄ちゃん3人とも変わらないよ。だって私の親友たちはそう言う人たちだもん。優しい人たちだもん」


「みたいだな。ふぅさてと、じゃあ事情を話しておくかばれてしまった以上。これからはなすことは他言無用で頼むぞ」


 3人とも緊張するように生唾を飲み込み頷いた。

 優は自分の正体を簡潔に伝え潜入任務のことを伝える。

 そして現在はミユリ・ハーフェス・杏里のいじめ問題にかかわろうという立場にあるとの情報を与えた。


「なるほでーす」


「それで‥‥雪菜ちゃんに話を」


「雪菜はお兄ちゃんの職業知ってたの―」


「知ってた」


「そっかぁー」


 案外聞いた後でも何一つ変わらない3人に拍子抜ける優。

 なれない状況に少々困惑気味だった。


「そこで、なんだが3人とも何かミユリさんについて知ってることない?」


「私はあまりかかわったことないから知らないで―す。でも、ちょうど少し前に起きたお金の盗難事件は知ってるで―す」


「私も‥‥同様です。‥‥それで‥‥親友とも仲たがいしてる‥‥話とか‥‥です」


「あたしも友美と同じことしか知らないですぅー」


 優は友美のワードの一部にひっかかることを感じた。


「しんゆうとなかたがい? その親友っていうのは誰?」


「名前までは‥‥」


「私知ってるでーす」


 そこへ口を挟み込むように杏里が言った。

「本当か! 名前は!」


 机から身を乗り出すようにして杏里へ迫った。

 杏里が狼狽するがお構いなしに優は迫る。

 雪菜はキレて優の頭をヘッドロックし氷の魔力を流し込む。


「あがぁあああ! つめてぇええ!」


 優は身を引いて大人しく元の体制に戻る。

 となりで黙々とケーキを食べていた雪菜はケーキを食べ終えて兄の行動を自粛させるように出た行動。

 優の頭は地味に氷付けにされ冷症になる寸前だった。


「オレを殺す気か!」


「お兄ちゃんこそ少し落ち着いて。私もひとりそういえば心当たりがある」

「そういえばお前屋上で親友の話なんて一言もしてなかったよな! 有力すぎる情報を何故言わなかった!」

「親友の情報なんていう必要あるの? お兄ちゃんがなにか親友にしでかすかも知れないじゃない!」


「そりゃ、状況判断においては対応を――」


「最低! レイプする気だったんだやっぱり! 杏里教えなくっていいから」


「だれもそんなことしねえよ!」


 優と雪菜の声は甲高く醜い喧嘩の声は周りにまる聞こえであった。

 優と雪菜は静かになった場の状況に即座に気づき自分らが視線の間取になってることに気づき「「すみません」」と互いに頭を垂れて謝罪をする状況になる。

 周りの客は苦笑いを浮かべると即座に談笑を始め元に戻る。


「みんなに一つ提案だけど、一度ここから出ない?」


 雪菜の出した案に全員が賛同しケーキを早々と平らげ別の場所へと移動を開始した。

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