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国家秘密組織と特待生  作者: ryuu
後章 共生学園『魔法競技ランク戦大会』――――魔法騒動テロ組織襲撃事件
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知りたくなかった真実

「ぐがぁあああああ」

 とある地下の通路で北坂雪菜は悲鳴を聞いた。

 そのまま光が差し込む方へと突き進んで歩いていた。

 落ちてから目を覚まして歩いてもう数十分は立っていた。

 あちこち広がった傷が痛みをまし意識が薄れ始めてるが生存本能の強さが雪菜の足を必死で光のある方へ声のする方へと導いていた。

 しばらくして、どしんという音が響いた。

 数十メートル手前でだれかが壁に吹っ飛びうまっている。

 それが誰かしばらくおいて理解した。

 伊豪正宗、亜人種能力調査官、室長であり警察の特殊急襲部隊SWATの隊長である彼だった。

 その彼を吹き飛ばした存在は漆黒のローブとロングブーツに妖艶な巫女衣装を下に着込んだ奇妙な格好をした綺麗すぎる美貌で恐怖が生まれるような美女、テロ組織『オオスズメバチの巣』のボス、ユリハネ・メルティシアである。

 彼女は伊豪を睥睨と見下しながら口を開いた。

「政府の犬風情がワタクシに叶うと思いマシテ。ワタクシはあるお方の下で鍛えられた戦士デシテヨ」

 彼女の姿は徐々にいびつな形へと変化する。

 ローブが破け体中から漆黒の鎧のようなものが浮き出始めた。

 それが彼女の胸と足に腕へ巻きつく。

 背からは二翼のコウモリのような羽。

「悪魔‥‥」

 雪菜の記憶にあるひとつの文献の詳細が有りそれの中にある悪魔の絵とそっくりな姿に彼女、ユリハネは変化した。

 額から二つの角が生えはじめてるのも特徴的だしなによりも首筋から頬を伝い目元に黒のラインが引かれてるのも一番の特徴である。

「政府の犬か、その政府の犬に貴様はこれから負けるんだ」

「あら、その状態でよくそんなことが言えまスワネ」

 右手から漆黒の槍を打ち出し、それがうもれた伊豪に怒涛に炸裂しまくる。

 伊豪の痛烈な叫び声があたりに響き遠くで椅子に縛り付けられてるアリスが必死にユリハネに食ってかかるように悲痛の頼みの声をあげていた。

「やめなさい! もうやめて! それ以上やれば死んでしまうわ!」

 彼女の言うとおりに伊豪は事切れたように意識を完全に消失していた。

 ユリハネが彼女の方へ近づきその髪を掴み目線を合わさせる。

「あなたは本当にさっきの話を聞いてマシタノ? 政府はあなたを小汚い犬のように使い捨てる気デスノヨ。その政府の裏の事情を知るひとりであるんデスワヨ。このオトコモネ!」

 ユリハネは伊豪を指差して理解できないことをいう。

「政府がゲートを管理するという名のもとに純正亜人をこの世界に隔離し、魔力供給装置には亜人の死体や純正亜人の戦士だったモノを媒介とし、傍らでは非合法な異世界のあ人を使った非人道的実験。それらを加担してるんデスワ。この伊豪正宗はネ! 彼は魔力供給装置を作るのに加担した一人デスワヨ!」

 アリスの目が共学に見開かれるのと同時に優樹菜も衝撃に打たれのけぞった。

 政府の陰謀を聞いてしまったからである。

 それが事実である証明はアリスの表情から察せれる。

「なにそれ‥‥」

 ユリハネは続けていう。

「世界中の犯罪がたんなる亜人の狂人者の仕業だと思わせるように情報を回し発端させたのも彼デスワ。彼らがこの世界に隔離されてしまったせいでストレスでおかしくなったことを隠し通してきたのも。もちろん中には本当の狂人者がいたかもしれませんけどほとんどの8割型はストレスでおかしくなった亜人デシタワ」

 次から次へと彼女は語り始めた。

 シートコールの真実に純正亜人のことやゲートのこと。

 政府が行ってきた非人道的な亜人に対する行為。

 止めは雪菜にとって聞きたくない言葉だった。

「共生学園本来はひとつの実験施設デスワヨ。あれは次世代の魔力供給装置の役目になる人物を生産するための施設であり、異世界へ派遣をさせ、情報を集めさせるエージェントの育成機関でもありマスワ。それを行うために九条美代あなたは作ったのデスワヨネ。学園を政府の指示のもとで」

 雪菜は配管に体を思わず打ち付けるように倒れてしまう。

「誰ですの!」

 ユリハネがすぐに近くのシャーリーとアイシャに指示を飛ばす。

 雪菜はすぐに二人に見つかり捕縛される。

「北坂雪菜。たしかあなたもボスが連れてくるように言ってまシタワネ」

「‥‥‥‥どういうこと?」

「ん? もしかして聞いてたんデスノ?」

「学校が政府のエージェント育成機関だって本当なの? そのまま将来に自由に決めることができないの?」

「ええ。本当の話デスワヨ。ワタクシの友達はみんな異世界の情報サンプルとして実験動物にされマシタワ。今は魔力供給装置の中デスワ。まあ、約一名はエージェントとしてあっちで戦死しまシタワ」

「学園長先生?」

 九条は雪菜と一切視線を合わせようとはせず歯噛みして俯いた。

「っ!」

「残念でしタワネ。あなたが入った学校は教育機関としては優秀ですけれどあくまで政府のための教育実験施設に過ぎまセンワ」

「どうして‥‥」

「どうして? それは政府がクズですからデスワ。私たちはただそれが止めるのが目的デスワ」

 アリスも聞かされていたことでそのことは承知だった。

 だが、やはり納得はいかないやり方である。

 ユリハネの純正亜人以外の無害の民の殺害という企画。

「ユリハネ! あなたは本気でこの世界を変えるつもりなら民の声を聞くのも努めでしょう! 彼らは無害な民よ! たしかに事実を知らなかったのは悪いけどそれでも彼らに罪はないはずよ!」

「立場をわきまえて発言しろアバズレ!」

「ぎゃぁああ!」

「やめて!」

 雪菜がユリハネにタックルをしアリスに闇の魔力波攻撃を食らわしてたユリハネの攻撃の手を止めた。

「アリスさんに攻撃加えるの許さない。加えるなら私あなた止める!」

 タックルの衝撃で飛ばされたユリハネは気分を害して犬歯をむきだし、背後のふたりを呼びつけた。

「北坂雪菜、あなたは調教が必要デスワネ。綺麗なまま連れて帰るのはなしデスワ」

 雪菜はボロボロの体の上に強烈な魔力の余波を受け体が重みを増し膝をつく。

 そこに殺到する操られたふたりの存在。

「お兄ちゃん‥‥」

 雪菜が願ったとき――

 地下空間の壁が大きく吹っ飛んだ。

「なんデスノ!」

 ユリハネがそちらを振り返ったとき――煙の中から漆黒のスーツに身を包む老け顔が印象的な青年が現れる。

「龍牙優!」

「ユリハネ・メルティシア。アリスを解放しろ今すぐ」

 龍牙優がその場に登場に雪菜の心に希望の光が射し込んだ。

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