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国家秘密組織と特待生  作者: ryuu
後章 共生学園『魔法競技ランク戦大会』――――魔法騒動テロ組織襲撃事件
113/123

地下1 

「ユリハネ様」

 拷問部屋に来訪者が現れ、ユリハネはアリスを鞭打つ手を止めた。

 アリスは血まみれになって口から溢れ出る血と晴れ上がった顔から流れる血で上手く開けない視界をうっすらと開け思考を回転しながら聞き耳を立てた。

「どうしたデスノ? お楽しみ中デスワヨ」

「も、申し訳ありません。緊急の案件ですので」

「いいから言いなさい。どうしたんデスノ?」

「リーア様との通信が途絶えました。例の魔法が放たれて世界中の電力が消失。世界中の人々が突如として体から膨大な闇を放出し暴動を起こしています」

「っ! やってくれましたわねリーア。けど、予想は出来ていましたわ」

 アリスは何が起こったのか瞬時に理解した。

 世界の電力が遮断されたとなれば交通機関やさまざまな財政機関がてんやわんやになって財政危機に陥る上に事故が多発してるのではないか。

 その考えもつかの間。

 大きな地響きが起きだしどこかで爆発音が起こった。

「でも、対策はうっていますし計算のうちデスワ」

「っ! 計算のうち? それはどういう‥‥」

「いいんですわ知らなくって。いますぐ魔力供給の移送を完了させるんデスワ。そして、例の山の場所まで移動させておくんデスワヨ」

 部下は急ぐように拷問部屋を出ていった。

 ユリハネがアリスに向き直る。

 アリスはその目を睨みつけゆっくりと言葉を絞り出す。

「山の場所? どういうこと? それにあなたの口ぶりまるで妹と対立してるかのような‥‥」

「ええ、そうデスワヨ。ワタクシとリーアは別に仲良くありまセンモノ」

「どういう意味?」

「これからわかりマスワ。ワタクシたちもそろそろ外へ出る準備をしマスワ。外部に出払ってる構成員たちもうまく『亜人』を帰してるデショウシ」

「帰す? 外部って何の話?」

「さあ、行きマスワヨ」

 そう言って、ユリハネがおもむろに右手を挙げると背後に控えていたアイシャとシャーリーが動き出し佐藤林道に近づいた。

 そして、右手に握ったナイフを振り上げる。

「やめっ――」

 心臓と頭部にアイシャとシャーリーが突き刺した。

 アリスは悔しげに下唇を噛み締める。

「なんてことを!」

「まずは容赦ない殺人を見せる重要性デスワヨ。あなたが逆らえば同じように合わせマスワヨ」

 そう言ってDMが今度はアリスに近づき右手をかざした直後脳の奥が揺さぶられるように振動を受け意識が遠のいていった。


******


「‥‥っ」

 優は冷たい水滴の感触に目を覚ます。

 薄暗い部屋。

 どこかはわからない場所に落下した。

 鞭打つ体を起こしながらうめき声を漏らす。

「ここはどこだ一体?」

 ずきんと痛む額を抑え自分に起こった状況がすぐに思い起こされた。

「そうだ。俺魔力が暴走してそんでリーア会長を倒して地割れに落下‥‥そうだ! みんなは!」

 すぐに周りを確認するが何も見えずにいた。

「ふぅー」

 深呼吸してから体の奥から自分に流れる吸血鬼の力を使い暗視をできるようにする。

「地下道?」

 いろんな配管とケーブルがつらなっており、奥に続く道が形成されてるのみの場所。

 大会の地下道に落ちたことはわかった。

 だが、奥へ進んでもずっと道が続いてる保証はない。

「どうすっかって進むしかねえんだよな」

 自分で自問自答して歩みを進める。

 進んだ先に誰かいる可能性がある。

 声をだし仲間を呼びかけたが返事はなくただ声が反響するだけ。

 あとからくる静寂が恐怖をそそられた。

「だれだ?」

 そのときだった。

 奥からひとりの女の声が聞こえた。

「お前は」

 ぼろぼろの制服を身につけた赤髪の女。

 ウィンナ・グローズがそこにいたのだった。

2か3部構成の話です。

次回掲載は未定。

月末内には掲載予定。

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