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プロローグ 未来永劫、きみだけが残る
夢かうつつか
きみのこえがする
僕にだけ響く
きみのこえ
もう聴こえない
きこえるはずがないのに
「もう駄目よ、隠し通せやしない」
「駄目なんて言わないで」
薄茶色の髪を腰まで伸ばした少女は、その蒼い瞳からひと粒の涙をこぼした。
「もう貴女には会わない」
その蒼い瞳に映る、黒髪を顎のラインで前下がりボブヘアにした女性は、瞳を潤ませながらも、決然と言い放つ。
少女は雷に打たれたような悲壮な表情を浮かべた。その表情を見て、女性は自分の発した言葉を初めて後悔した。
「…会わない」
先程の決然とした言い方とは程遠い、揺れた声。
「嫌よ」
その揺れに気付いたのか、少女はぐいと1歩前に出て、女性との距離を詰める。
「わたしから貴女を引いたら何が残るの?」
「何が残るって…言われても……」
「何も残らないわよ」
少女の一言は、女性の脳内では死んでやる、に変換されて大きく響いた。
少女は更にもう1歩前に出て、女性の手を掴んだ。
「お願い、貴女を喪いたくないの」
どうして其の手を
離したのだろう
他に術など
無かったのに
君の存在だけが
僕の中で
今も
ずっと
未来永劫
輝いている




