表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セイバーじゃありません!恋する乙女の『せいばあ』です!!  作者: Hatsuenya


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/20

恋する小さな乙女の中身は、恋する古い乙女

 読みに来て下さって、ありがとうございます。


 神官長、大変張り切っております。



 ワイバーン達は、どんどん止めを刺され、倒された。

 それと同時に、帝国の紋章が入った鎧を着た騎士達が、次々と倒れていった。倒れた騎士達の背後には、必ず神官が立っていた。


「ショータ、せいばあは、老眼が酷くなったのかもしれない。神官達が、帝国の騎士達をやっつけてる様に見えるんだけど」


「ああ、私にもそう見えるよ。せいばあ、10歳に老眼は早すぎるからね」


 神官達は、アルテアの騎士や聖騎士、自分達の聖騎士達には手を出さず、帝国の騎士達の背後に近付いては、彼らの背中に手を当てて、神力で気絶させて回っていた。

 

「どうせ、帝国の騎士達は、ワイバーンから逃げ回ってばかりで役に立たなかったし、問題ないんじゃないか?

 ああ、叔母上が、あんな所に居た」


 神官の1人が、腰が抜けたのか這いつくばっておたおたしていた泥だらけの女を助け起こした。

 それを見て、ショータは、溜め息を吐いた。


 わかるよ。ばあちゃんだって、あれの代わりは、嫌だからね。

 しょうがないから、行くけどさ。


「ほら、せいばあ。馬車の屋根から降りて。はい、手をこっちに」


 ショータが、そう言って手を差し伸べてくれた。

 でも、私の目は、ショータの背後に釘付けとなった。


 シルバーグレイの輝く髪、目元や口元の皺が少し目立つけれど、優しそうな笑顔。歳の割りにがっしりとした体躯に纏った白い神官服に神殿の女神の花の紋章が入ったカズラを羽織っている。

 ゴルディア帝国のグレナリア神殿の神官長が、私の立つ馬車に駆け寄り、私に向かって両手を広げた。


 私は、迷わず、彼の手の中に飛び降りた。


「これは、これは、可愛らしい聖女様。ようこそ、ゴルディアへ。

 私は、グレナリア神殿の神官長、セオドアと申します。グレナリア神殿一同、心より歓迎致します。聖女バーミア様」


 彼は、そのまま私を高い高いして、クルクル回った。何だか、本当に嬉しそうだ。


 私も、嬉しいけど。

 可愛らしい聖女様、だって。フフフフフ。


 セオドア様は、そのまま私を子供抱っこして歩き出したので、私は慌てて彼の首に両腕を回して、しがみついた。

 いい男は、加齢臭もしない。いい匂いが、するのだ。


「聖女様は、女神様の花の匂いがしますね」


 クスクス、クスクス。私は、嬉しくなって、喉の奥で小さな声で笑った。

 お姫様抱っこじゃなく、子供抱っこなのは少し悲しいけど仕方ない。だって、私は子供だからね。心は少々古い乙女だけど。


「神官長殿!少々お待ちを」


 私達の後ろから、ショータが声を荒げた。

 ショータは、ゴホンと咳払いすると、セオドア様を睨み付けた。あー、焼きもちか。


「ショータ。心配しなくても、嫁に行っても、せいばあは、いつまでもショータのせいばあだからね」


「いや、そうじゃない。何、頭の中、お花畑にしてんだよ。違うから。

 あー、神官長殿。その、よもや、そう言う趣味は、ありませんよね?」


「これは、申し訳ない。同じ年頃の姪孫が、居りまして。いえ、あちらは男の子で、大きくなってしまったんですが……つい。聖女様が孫の様で、可愛らしくて。

 さあ、聖バーミア様。神殿へ参りましょう。女神様がお待ちです」


 まあ、そんなもんでしょうよ。

 嫌な男に抱っこされるより、好みのいい男に抱っこされる方が嬉しいから、問題ないね。

 今の内に、堪能しとこう。ふふふん。


「では、私も神殿に、女神様に御挨拶に行きますので、少し待って貰いたい」


 ショータは、騎士達に命令し、持って来た囚人用の護送馬車に自分の叔母を突っ込み、騎士達に、馬車と共にアルテアに戻る様に命じた。


「何故、私がこの様な格好のまま、しかも、囚人用の馬車に乗らなければいけないの!?ショータリアス、何とかしなさいっ!」


「他国の王の暗殺未遂の犯罪者ですからね。オマケに、その為に我が国から英雄と言われた聖女を1人失うんですよ。貴女は、王家や聖家、神殿だけでなく、国民からも恨まれているんですよ。自覚して下さい。

 そして、その聖女は、私の婚約者で、掛け替えのない人です。自分が今、どの様な立場なのか考えろ」


 騒いでいる王姉を、ショータは怒鳴り付け、騎士団長に、今すぐ出立する様に命じた。

 アルテア騎士団は、私が躾ただけあって、きびきびとアルテアに帰って行った。


 うん、大変宜しい。





「ジェラルド、バーミア様のクッションカバーは、これで、いいかな」


「良いわけないだろう?10歳の女の子だぞ。母上が、先程、刺繍の付いたクッションカバーやカーテンを寄越して下さった。これを使え」


「え、何?ベッドも、テーブルも、どんどん運ばれて来るんだけど」


「家に置いてあった姉上の子供の頃の家具だ。可愛いだろう?」


「ジェラルド、縫い上がったぞ。こちらを聖女様に」


「え?副神官長。え?ピンクのウサギのぬいぐるみ?いや、可愛いけど。ちょっと、ジェラルド?」


「ご苦労様です。ジョナサン、それは、ベッドの上へ」


「パッチワークキルト、縫い上がりました!」


「人海戦術、ご苦労様です。はい、ジョナサン、これもベッドの上へ」


「ちょっと、ジェラルド!?え?皆さん?」





 神殿では、ジェラルドを始め、留守番部隊の神官達が、張り切っております。

 ウェルカム!聖女様!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ