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セイバーじゃありません!恋する乙女の『せいばあ』です!!  作者: Hatsuenya


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20/22

姑か小姑か、それが問題

 読みに来て下さって、ありがとうございます。


 せいばあは、めげないっ!



 大人になったら、きちんと婿を貰って子供を産みますよ~宣言をした後、私は、セオドア様の執務の手伝いをする事になった。


「今のところ、私以外に女神様とお話が出来るのは貴女しかいません。

 私も年ですし、次にこの神殿を束ねるのは、貴女になるでしょう」


 そんな悲しい事を言わないで欲しい。出会ったばかりで、死別の準備とか。

 まあ、確かにセオドア様が、如何に頑強でしっかりなさっていても、彼の齢は70歳を越えているのだ。

 よよよよよ。悲しいねぇ。


「それでしたら、今日からセオドア様にベッタリ張り付いて、引き継ぎの勉強をしたいと思います」


 こうなったら、四六時中張り付いて、少しでも長く一緒にいる時間を増やすのだ。

 フフン。私は、前向きな乙女だからねぇ。


 かと言って、本当にずっとベッタリ一緒に居れるわけもなく、早速、お留守番になった。

 セオドア様は皇宮に呼び出され、私はセオドア様の執務室で宿題をする事に。


 過去の執務記録に目を通しておく事。


 退屈な宿題と思うことなかれ、これが中々、嬉しいお仕事なのだ。


 神官長の執務記録。そう、言ってしまえば、これは、セオドア様の日記に他ならないのよっ!

 その内、お互いに執務記録を書き合って、『交換日記』が出来るのでは、ないかしらね。


『せいばあ、何考えてるんだよ』


 ショータなら、絶対に突っ込みを入れてくれるのになぁ。ちょっと、寂しい。


 執務室では、ジェラルドが私の世話を焼いてくれた。

 神官長の外回りの補佐は、基本、ジョナサンの仕事。内向きの仕事の補佐はジェラルドの仕事と決まっているらしい。


「こちらが、今年の執務記録です。と言っても、今年に入ってからまだ2ヶ月なので、少量ですが。わからない記述は、私に、ドンドン質問して下さいね。

 普段から私が補佐をしてますので、大抵の事は答えられますから」


 ジェラルドがニコニコしながら、私に執務記録を手渡し、お茶の準備をする為に部屋を出て行った。

 明日からは、ここに私の机が並ぶが、今はセオドア様の机と椅子を借りている。


 凄くとんでもない事をしている気がする。憧れのセオドア様の机に向かい、彼の椅子に座り、彼の書いた日誌を読む!


 もう、背徳感しかしない。


 良いんだろうか。


 何か、ドキドキしてきた。


 実際の内容は、仕事の事ばかりだけれど、耳元で彼が読み上げてくれている幻聴が聴こえる気がする。


「はい、セイバー様。お茶をどうぞ」


 うん。現実に戻してくれて、ありがとうジェラルド。危うく、何処か違う世界に旅立つ所だったわ。あはははは……。



 しばらくセオドア様の日誌を堪能していると、神官がやって来た。ルクスブルグ公爵夫人が、私に面会を求めて来たらしい。

 ルクスブルグ公爵夫人、誰それ?


 応接室で待っていた公爵夫人は、早速、私を睨み付けた。


「貴女が、聖バーミア様。セオドア様の言う通り、お可愛らしい方ですこと」


 これは、宣戦布告?それとも、値踏みをされているだけ?

 神官長とは呼ばずに、セオドア様を名前で呼ぶ公爵夫人は、結い上げられた緋色の髪に琥珀色の瞳が映える、艶っぽい美人さんだった。


「聖女様とおっしゃるから、こう、もっと儚げで神秘的な方を想像しておりましたわ。でも、よく考えたら、10歳で神秘的な女の子って。それはそれで、とんでもないわね」


 公爵夫人は、扇で口許を隠して、私にそう言った。


 はい、普通の10歳の乙女ですが、何か?


「いえ、ちょっと意外だったものですから。

 それはそうと、聖バーミア様。その、どんな殿方がお好きですか?」


 初めて会って早々、恋バナですか?


「はあ。そうですね。一緒に居て、寛げる方が良いです。一緒にいるだけで癒されて、ホッとする方が好きです」


「え?それだけですか。顔、顔は、どうですか?格好いい方が良いとか、可愛らしい方が良いとか?どうでしょう」


「格好いい方が、良いです」


 私は、セオドア様を、頭の中に思い浮かべた。


「体格は、どうでしょう。?細身の方がよろしいですか、それとも、騎士の様に筋肉質な方がお好きですか?それとも、ポッチャリ体型?」


「そうですねぇ。どちらかというと、騎士の様に筋肉質な方が、好きです」


 この方は、一体全体、何をしに来たんだろう?


「母上!いきなりやって来て、セイバー様に何を聞いているんですか!?」


 ノックもせずに、いきなり、ジェラルドが部屋に飛び込んで来た。

 母上って事は、この方は、ジェラルドの母親で、セオドア様の姪ごさん。


 私の未来の小姑さん?




「あ、ジェラルド。ジュリアに、会ったか?さっき神殿に来てたぞ」


「いえ。まだ会っていませんが。何か言っていましたか?副団長」


「いや、何だか、会った途端に


『お兄様には、決して負けませんから!』


 と叫ばれてしまった。一体、何があったのか知らないが、いそいそと神官に応接室に案内させていたぞ」


「何ですか、それ。不安しかないんですが」





 ジュリア・ルクスブルグ公爵夫人。一部の人からは猪突猛進で知られる皇太子の妹。エイブレム副団長の妹にして、ジェラルドとジョナサンの母親。

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