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セイバーじゃありません!恋する乙女の『せいばあ』です!!  作者: Hatsuenya


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18/20

実は私、不器用でして

 読みに来て下さって、ありがとうございます。


 まあ、誰だって完璧じゃないですよねぇ。



 いやー、失敗、失敗。

 昨日の疲れが残っているのか、はたまた、ショータとの別れが尾を引いているのか。

 それとも、ジョナサンが、いきなり強くなったのか。まあ、男の子の成長は、速いからね。昨日出来なかった事が、今日は出来る様になるなんて、ザラだからねぇ。


「あの、セイバー様。勢いで、医療室にお連れしてしまいましたが、セイバー様はご自分で治療魔法が使えるんですよね?」


 ここまで抱っこして運んで来て下さったセオドア様が、ベッドに座る私を心配そうに覗き込んだ。


「治療魔法は、使えるんですが。ちょっと問題が、ありまして」


「問題ですか?……聖女様は、自分自身に治療魔法がかけれないと言う括りがあるとかですか?」


 そんな御大層なもんでは、ない。

 私は、額に手を当て、大きな溜め息を吐いた。

 う、たん瘤が出来てるんじゃないかねぇ?これ。腫れてるし、かなり痛いわ。


「いえ、その……私、かなり不器用でして。

 攻撃魔法は、その場のノリと勢いで細かい事も出来るんですが。

 回復や治療魔法となると、ねぇ」


「お出来にならない?」


「いえ、曲がりなりにも聖女ですので、出来ますよぉ。出来るんですけれど、不器用なので。

 1人分の回復や治療魔法をかけようとすると、その……神力が多すぎて、広範囲にかかってしまうんですよ」


 セオドア様が、遠い目をした。


 ですよね。まあ、普通は、そんな事には、ならないですよねぇ。

 私は、再び深い溜め息を吐いた。


「それは、その。神力の無駄使いですよね」


「ええ。まあ。戦場や災害現場では、重宝されるんですけどね。

 ちょっと自分のかすり傷を治そうとすると、偶然近くに居た大怪我をしている人が、いきなり治ってしまうわけです」


 目を瞑り、眉根を揉み始めたセオドア様は、溜め息を吐きながら、私の額に手を置いた。


「取り敢えず、私が治療しておきますね」


「ありがとうございます。お世話かけます」


 私の額が暖かな光に包まれ、額の痛みが引いてきた。セオドア様の治療魔法は、とても気持ちが良い。どうやら、額の腫れも引いてきたらしい。


 聖女なのに、申し訳ないやら居たたまれないやら。

 本当に、つくづく、自分のポンコツ具合が、嫌になる。


「ショータには、『前世も今も、性格が大雑把過ぎるんだよ』と言われてます」


 クスクスと、セオドア様が小さく笑い出した。あ、何か可愛い。イケジジは、笑うと可愛くなるんだねぇ。

 慌ててコホンと咳をすると、セオドア様は、ちょっと笑いを堪えている顔で、恥ずかしげに私を見た。


「『篠突く光雨』でしたよね。とんでもない術を使われるので、聖女様は凄い、私とは桁外れに次元が違う方だな。

 と思ってましたが、苦手な事もあるのだ、私共と同じく普通に人なんだな、と少し安心しました」


「何せ、人から生まれてますんで。母親の大聖女は、ともかく、父親は聖騎士団長って……前の王弟だったわ。すいません、私、結構サラブレッドでした。

 アルテアでは、聖女は代々の王または王家に1人は嫁ぐ事になっているんで、私の父親にも聖女の血が入ってるんです」


 セオドア様は、考え深げに顔をしかめた。

 あ、これはこれで格好いい。ちょっと渋めなイケメン風だわ。


「アルテアでは、聖女は意図して作られていると言う事ですか。フム。

 ところで、先程のジェラルド達の件もありますが、今はまだセイバー様は10歳ですから大丈夫ですが、ショータ殿下と我が国の王妃が交わした約定の中に


『聖女バーミアは、王家に連なる者と婚姻し、子を為す事』


 と言うものが有りまして」


 あー、まあ、そうだろうねぇ。どうやら、この世界では、聖女の血筋からしか、聖女は生まれないと言う縛りが、あったわ。


「まあ、大人になったら、ちゃんと誰かと結婚して子供を産む覚悟は、あります」


「良かったです。

 それでですね。先程の件なんですが。

 現在、皇太子の第一子が12歳、第二子が7歳。その次に王位継承権があるのは皇太子の妹の息子のジェラルド、ジョナサン。

 今のところ、この4人が年齢的に釣り合うセイバー様の結婚相手候補です」


 ジェラルドとジョナサンが、私と結婚?想像つかないわ。どう見ても、近所の子供にしか見えない。

 あれ?何か引っ掛かるわねぇ。


「セオドア様。『年齢的に釣り合う』とは」


「はい、その、後2人。聖騎士団副団長エイブレムは、皇太子の弟で、独身です。そして、私も前皇帝の弟で独身ですので、勘定されています。

 最も、私の歳になりますと、子を為すのは無理ですので、論外ですが。

 エイブレムは30過ぎで、そっちの趣味は、無いそうです」


 失礼な。30過ぎは、私にとっても子供だよ!


 こっちだって、子供相手にそんな趣味は無いね!





「おい、聞いたかジョナサン」


「ジェラルド。私かジェラルドのどちらかが、という話だよね」


「じゃあ、僕じゃダメなの?」


「ティムは、駄目だ。そして、もう一人は、エイブレム副団長か。彼が一番の強敵かも知れない」


「セイバー様が大人になったら、40歳位。ジジイまで行かなくとも、オジサンだからな。先ずは、全員でエイブレム副団長の株を下げるぞ」





 ジェラルド達の作戦に絡め取られようとしているエイブレム副団長。彼の運命や如何に!

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