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蒼碧のつかい  作者: ひよよ
下ノ編
65/65

拾ノ四

 

 この一件に一番怒りを露わにしたのが、父、策達さくたつだった。

 市井しせいにいた頃、金の貸し借りが本格的になり始めてからは、策達さくたつ本人はもちろん、寧照ねいしょうにも必ず護衛として用心棒を付けていた。


 華族となり、華族地区に住むようになってからは、華族が外出時の警護に使う随身ずいしんを雇い護衛に付けていた。

 策達さくたつは、どことなくこの随身ずいしんが鼻に付いた。

 随身ずいしんなんかより、仕事をきっちりこなす用心棒を好んだが、体裁を気にする妻の咲萄しょうとう華族地区ここでは随身ずいしんを雇い、護衛に付けてもらわないと困る。華族になったからには華族の風習に従ってもらわないと困ると、何度も咲萄しょうとうに困る困る言われ普段、市井しせいで仕事をしている策達さくたつの用心棒はそのままし、おもに華族地区で仕事をしている寧照ねいしょうの護衛に随身ずいしんを雇ったのだ。


 しかしこれが見栄えだけは立派だか、全く腕が立ちそうに見えなかった。

 咲萄しょうとうの頼みもあって、策達さくたつもしぶしぶ雇っていが、あわゆく寧照ねいしょうが殺されかけたと聞かされ、怒りが収まらなかった。

 襲われた夜も雇っていた随身ずいしん白銅家はくどうけで待機している間、酒を勧められ、千鳥足になるまで飲んでいたという。

 いつもは咲萄しょうとうの願いなら、ありとあらゆることを何でも聞いている策達さくたつだが、この時ばかりは咲萄しょうとうを叱りつけ、随身ずいしんを即座に解雇した。


 代わりに雇ったのは護衛としてその界隈で信用があり、腕が立つと言われている男二人だった。

 一人はカロックのミト。少し年を取っているが腕は確かだと、同業者からも一目置かれている還獣クワンシュだった。背丈はそれほど高くないががっしりとした体格だ。

 もう一人はミトの相棒、リロックのトルファだ。ミトよりも若く、細見の長身だ。一見便りない感じに見えるが、彼もまたミトの相棒として腕は確かだった。


 随身ずいしんではない、どこの馬の骨か知らない輩者を屋敷に住まわせるなど咲萄しょうとうは嫌がったが、これ以上、策達さくたつに口出したら策達さくたつの怒りが収まらない。

 何かにつけてあれやこれやと細かく口を出す咲萄しょうとうも、今回ばかりは貝のように、何も言わず黙っていた。

 






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