第4話 「親子の会話と関係」
難波凌はそのまま自宅に帰ることに。
ー難波家 1階ー
すでに難波の父「難波文和」はリビングのテーブルの椅子に腰かけていた。
この家に盗聴器が仕掛けられていることにはこの家族はまだ知らない。
それはほんの一部の親子の会話である。
「おかえり。凌。」
「ただいま。」
「それで、話って何の話?」
どうやら帰宅途中に難波文和からメールで「今すぐ帰宅するように。」
というメールが来ていて慌てて自宅に帰ったというのが流れ。
「ある男から謎の石板をもらわなかったか?」
「もらったよ。それがどうかしたのか?」
難波に父は少し曇り気味な表情で息子である凌を問いただす。
「それは今どこにある?」
「俺の右手の手のひらにあるけど。」
「そうか。とんでもないことをしてくれたものだな。」
「とんでもないことって?」
「それは。呪紋と呼ばれるものでな。
我々が回収している国家の極秘重要物なんだよ。」
「マジか。」
「で、俺はどうしたらいい?」
「そうだな。とりあえず明日から学校を休め。」
「なんでだよ。」
難波凌は父親からの思わない言葉に戸惑いを隠せない。
「もうすでに私のほうから各方面に連絡済みだ。」
「マジかよ。ってかおやじって何者なんだよ。」
「毎日毎日どんな仕事しているかわからないし教えてくれたっていいじゃないか?」
「わかった。こんな状況になった今話すしかないようだな。」
難波文和はそう話を切り出すと現在のことを話し始めた。
「私の職業は東京総合学園付属金沢支部高等学校で教師をしていてね。」
「え?それってまさか俺の学校で教師をしているのか?}
「あぁ。そうだ。話してなくてすまない。」
「だが、教鞭を取っているのは1年生と2年生の2学年のみ。」
「つまり、会うことはないから話す必要はないと?」
「それについては謝る。申し訳ないことをした。」
難波文和は息子である難波凌に深々と頭を下げる。
「それは良いとして、裏の顔は?」
「全日本呪紋連盟の東京本部長。ただそれだけだ。」
「なるほど。言いたいことはよくわかった。」
凌は納得したような表情を思い浮かべながら話の本題を父親に尋ねる。
「あのさ、俺が手に入れたこの能力については何か知ってる?」
「それについてなんだかもちろん知っている。」
「この凌の能力なんだが、この国叱りこの全日本呪紋連盟が指定している四大呪紋の一つだ。」
「てことは俺が手に入れたこの能力の前任者がだれか知っているのか?」
「ああ。知っているよ。どんな風にして亡くなったのかもね。」
「そうなのか。わかった。また何か知っていたら教えてほしい。」
ここでなぜか親子の会話は途切れる。