~プロローグ~
2030年日本。
あの激動の2025年問題から早5年が経過していた。
当時のあの事件の記憶は人々の中から薄れかかっていた。
そして、どういう偶然か5年の歳月が流れ今度は日本を巻き込むことに・・・。
それは今は誰も知らない話。
かつて平安時代に「呪紋」という存在が確認され、そしてつい最近になって、
現内閣総理大臣の城山大全と全日本呪紋連盟会長の枢木が
極秘で東京都内にある料亭「梅桜」で会談・会食をし、
その存在の認否と所在について意見を交換した。
日本にある20個の呪紋うち10個は全呪連の職員が保持している。
残りの10個(四大呪紋2つを含む)だけは未だ行方が分かっていない。
~料亭「梅桜」~
「枢木会長、お久しぶりですね。あの時以来ですか?」
城山総理が料亭の女将さんから案内された一室に入るや否や
先に座って待っていた枢木に話しかける。
枢木は口を開き城山の呼びかけに応答する。
「そうですね。先生も相変わらずお元気そうで…。」
城山は12畳もの広さの畳の中央に超高級日本料理がキレイに並んでいる
テーブルの下座に座ると枢木会長に訊ねる。
「枢木会長、今日は極秘でと言っていたが…。」
少し間を置き答えを聞き出そうとしている。
城山の質問に少しばかり戸惑ったが、重たい口を開き話し始める。
「城山総理。少しばかりお伝えしたいことが・・・。それで席を用意しました。」
「なるほど、どのような件ですか?」
「現東京本部長を務めている難波という男から緊急を要する件だそうで
全体はまだ把握しきれていないのですが今現在、日本には呪紋が20個あり、
そのうち残り10個の所在が行方不明でして…」
気まずそうに話す枢木だが、城山は表情一つ変えずに話を聞いていた。
「それは、大変ですな。これからはどうされるおつもりで?」
「各地の全呪連の支部長に報告と調査を徹底していこうと思っています。」
「わかりました。こちらでも何かわかりましたら報告します。」
「この話はこの辺で、料理をいただきますか!」
「そうですね、いただきます。」
その後、城山と枢木は料理を食べ、雑談などをし、1時間ほどで解散した。
「この場面は、一体…?」
(なぜ、城山総理と親しげに話している男は何者なんだ?)
謎の男が、城山がいつも会食場所として使っているという
「梅桜」でスクープをとるためにたまたま足を運んでいて偶然にも、
城山と枢木が話している場面を撮影してしまったのだ。
~石川県・東京総合学園付属金沢支部高等学校~
「ねぇ~!凌、もう授業終わったよ!」
幼馴染である立花花蓮が難波凌が寝ている机まで起こしにやって来る。
「あぁ~!!もう!!毎回起こさなくたっていいだろう?」
難波は寝起きが悪いのか少し橘に強く当たってしまう。
「あぁ〜~。またいつもの夫婦喧嘩~」
「ほんと立花の奴も飽きないよな~」
「ほんとそれ、面倒見がいいていうか。」
「それにしても難波は寝すぎだろ?」
「まじそれな。少しはまじめに授業受けてもばち当たらないと思うけどな。」
クラスメイトの同級生が二人の会話に対してひそひそ話を始める。
難波凌は小中、高校1年まではこの石川県に住んでいたが2年の春に
父の仕事の事情ということで東京に移り住んでいたが、高校3年生になる少し前に
彼だけ「やっぱりこっちに住みたい。」という強う気持ちを父に打ち明けると
「わかった。用意する。」の一言だけしか言われず生まれ育った故郷に帰ってきていて
今は広い一軒家で一人暮らしをしている。
そして、放課後になった難波凌は学校で1階にある倉庫室に足を運んでいた。
「個々の床の板をはがして、パスコードを入力してっと。」
どうやらこの学校の1階の倉庫室には秘密が隠されているようだ。
そして、難波はその扉を開け中へと入っていくのであった。




