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第三十三話 スキル けんしょう

大変遅くなりました。

忙しいのと難産だったのとで時間が空いてしまいました_(:3 」∠)_


今回は検証&説明回。

鍛錬場に来た俺は早速手に入れた弓を手に訓練を始める。


弓術スキルの熟練度は大体8射で1上がる。

通常の弓は耐久値が大体100あるが、1射で1減っていく。その為、弓術スキル取得の熟練度100に達する前に壊れてしまうので、今までも鍛錬はしてきたものの、スキル習得までは至ってない。

だがこの弓は耐久値が250あり、耐久値も24射で1しか減らない。この機会を逃す手はない。


和弓、特に歩射では射法八節(しゃほうはっせつ)という足踏み(あしぶみ)胴造り(どうづくり)弓構え(ゆがまえ)打起し(うちおこし)引分け(ひきわけ)(かい)離れ(はなれ)残心(ざんしん)の8つの動きを基本とする。

もちろん実戦の中で毎射必ずこの動きをする訳ではない。だが基本の動きが完璧に、それこそ無意識に行えるくらい身体に染みつかせておかないと実戦での色々とアレンジも効かない。


約30メートル先の巻藁で出来た的から目を離さず、深呼吸の後、足を60度に開いて姿勢を作る。

重心を身体の中心に置き、肩と腰の線を地面と並行にして、(ひかがみ)(膝の裏)を伸ばし、本弭(もとはず)を左膝頭の上に置いて、気を丹田に落ち着かせる。

大木を抱えるように弓を持ち、右手を弦にかけ、丹田に落ち着かせた気を下半身に巡らせる。

両拳を額の上に挙げ、弓を引き分ける。

引き手は手首ではなく右肘で引き、押し手も左肘を伸ばす力を使う。

ギチギチと弓が軋む音がするが、普通の弓と違い破滅的な音はしない。クエスト報酬のこの弓は単純な耐久値以上に耐力がありそうだ。


そして弓を引き絞った体勢で気力を丹田に集め、満ちたところで弓を放つ!




放たれた矢は狙い違わず的の中心を射抜いていた。

"与一(よいち)の弓"は通常の弓よりも大きい七尺五寸(285cm)の弓は、ただ大きいだけでなく、普通の弓に比べ弓を引くのに3倍近い力が必要だ。

その分威力は絶大で深々と刺さった矢は、相手が人であれば間違いなく致命傷であろう。





矢を放った後もその姿勢のまま残心を保つ。


「ふぅ…」


巻藁には既に8本、それも人でいうと頭にあたる位置に矢が集中している。


「藤十郎殿、貴方が弓の鍛錬とは珍しいですね」


「勝三郎殿、出陣の準備はよろしいので?」


「ええ、私が指示しなければならないことは概ね終わりましたので」


そういうと恒興さんはいつも通りの感情を読ませない笑みを浮かべながら鍛錬場に入ってくる。


三枚打弓(さんまいうちゆみ)ですか。中々古い形の弓ですね。どこで手に入れられたのですか?」


「えっ?いや、あの……んー、たまたま作って下さる弓師がいてですね………」


「今時そんな古い形をですか?」


「うぐっ」


そうなのだ。今使っている"与一の弓"はその名の通り那須与一(なすのよいち)が使用した弓で、形が一世代古い。

この時代で一般的な四方竹弓(しほうたけゆみ)とは違い横から芯材の木が見えているので一目瞭然なのだ。


「はぁ…今更貴方に二心があるとは思っておりませんが、後ろ暗い事があるのであれば早々に片を付けておいて下さい。その弓はどうしても目立ちます。すぐに三郎様からも問い詰められますよ?」


「………わかりました」


クエストで入手した弓です!とは流石に言えないからなぁ。一番近い表現としては天から与えられた、と言うべきなのだが、それもなぁ…


「では、私はそろそろ。私たちがいない間、留守を頼みますよ」


「えぇ、無事の帰還をお待ちしておりますよ」


恒興さんが立ち去るのを見送り、俺は再び弓術スキルを習得する為に鍛錬を続けるのであった。




・・・・・・・・・




・・・・・・




・・・




無事に弓術スキルを習得した俺は自室へと戻っていた。


せっかく出来た時間だ。しっかりと腰を据えてスキルについて考えるとしよう。


まずスキルだがこれで手持ちの武器で習得できる武器スキルは一通り取ったことになる。

また弓術スキルを習得したお陰で遠近両方ともカバー出来ることになる。

ちなみに弓術スキルを取って分かったことだが、武器スキルの説明にある"扱いが上手くなる"というのには、耐久値の減少スピードが落ちる効果もあるようだ。"与一の弓"は元々24射で耐久値1だったが、48射で耐久値が1減るようになっていた。


"鷹の目(たかのめ)"についてはいわゆる可変スコープの様な役割を果たすパッシブスキルのようだ。

発動に気力消費は伴わず、弓を構えた時に狙う先が拡大される。ざっくりではあるが8倍くらいの倍率だ。

こちらも8射で1の熟練度が上がるようだ。弓術系は8射が1セットなのかな?戦の時は(えびら)1筒には大体24本の矢を入れるのが通例だから、1筒で熟練度3てとこか。近接系のスキルと違って遠距離系のスキルは実戦での習熟は現実的じゃないなぁ。




あとスキルで大きな変化があったと言えば、レベルが30になったことでスキルツリーシステムが解放されたことだろうか。

初期スキルポイントは60ポイント。つまりレベル×2が支給されていた。


スキルツリーと言っても全く取ったことのないスキルが取れるわけではない。

武器スキルの次のランクが習得できたり、一部の必殺技、たとえば"二連撃"であれば"三連撃"、"四連撃"と回数の派生があったりという形だ。


基本はスキルポイントで開放する形ではあるが、よくよく見ると回数表記がある。という事はスキルポイントを消費しなくてもコツコツ回数をこなしていけば習得できるらしい。

ツリーにある全てのスキルを習得するには流石にポイントが足りなすぎる。とはいえ、例えば"三連撃"の正しい形がわからないと回数は増えない。いろいろ試してみて回数が増える型を見つけなきゃいけないが、パターンは無数にある訳だし、流石に無茶がすぎる。


スキルポイントの使い方に関してはリセットボタンがある訳でもないし、中々難しいところだなぁ。




戦場では基本的に近接スキルで回してるし、近接武器スキルのランクアップをするのが本当はいいのだろう。

だけどせっかく取った遠距離スキルが死にスキルになりそうなんだよな。

試しに一つ武器スキルをランクアップさせてみるか。


俺はステータス画面をタップして、スキルポイント5を消費して剣術Ⅱを取得する。




技術名:剣術Ⅱ(全般)

効果 :太刀の扱いがより上手くなる。強力な太刀と他スキルとの複合必殺技の習得が可能となる。太刀を装備した時の攻撃力+3




強力な太刀スキル…?

俺は再度スキルツリーをスクロールしていく。

するとさっきはなかった剣術系の必殺技が増えていた。




必殺技名:火炎斬り

熟練度 :☆☆☆☆☆ 0/500

消費気力:36

詳細  :剣術と符術の複合スキル。符術により発生させた炎を刀に纏わせて放つ斬撃技。


必殺技名:雷電斬り

熟練度 :☆☆☆☆☆ 0/500

消費気力:36

詳細  :剣術と符術の複合スキル。符術により発生させた雷を刀に纏わせて放つ斬撃技。


必殺技名:氷雪斬り

熟練度 :☆☆☆☆☆ 0/500

消費気力:36

詳細  :剣術と符術の複合スキル。符術により発生させた氷を刀に纏わせて放つ斬撃技。



おおお!属性近接攻撃キターーーーー!

そうだよな、符術に属性があるんだからきっとあると信じていたんだ。

流石に複合スキルっていうだけあって気力消費がエグいけど、これは取らざるを得ない。

いやでも1つスキルポイント7って高ぇな…符術との複合スキルってことは自分でなんとかならんかな…?


試したいけど、これもどうやって説明すれば大っぴらに鍛錬場で使えるかな…?


今までになかったスキルに心躍らせながら、俺は戻ってきた市に声をかけられるまでステータス画面と睨めっこを続けるのであった。

筆者は弓道に関してはホントに触りだけの超ど素人です。ゴム弓までしか触ってませんので変なところがあっても容赦ください。

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― 新着の感想 ―
[一言] まってました!今1番面白い歴史転生!
[一言] >"与一よいちの弓"は通常の弓よりも大きい七尺五寸(285cm)の弓は、ただ大きいだけでなく、普通の弓に比べ弓を引くのに3倍近い力が必要だ。 ココは 通常より大きい与一の弓は、のほうがスッキ…
[一言] 面白かったです
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