ショートショート「暗号」
作中に説明が無い場合はN博士とW君の二人が登場します。
N博士:発明家。
W君:N博士の助手兼モルモット。
N博士は、数年前の雑誌「博士ジャーナル」に掲載されていたにも関わらず、未だに解かれていない暗号に挑戦していた。
ダ・ヴィンチの暗号と呼ばれ、レオナルド・ダ・ヴィンチの残した暗号と噂されており、解読した者には一財産手に入るとか、誰かが解読済で財産はとっくになくなってる、いやいやそもそもダ・ヴィンチが作ったとか眉唾だし、誰かがイタズラで作った暗号風の落書きだ、などの何が本当なのか分からない代物である。
ただし、解読したという者が現れないほどの難攻不落の暗号であることは間違いない。
「博士、まだその暗号やっているんですか」
「まあな、ボチボチ進んどるよ」
「進んでいるっていうよりは、ダメなパターンをひたすらに潰しているだけじゃないんですか」
数日後
「うーむ、また間違っていたか」
「よく諦めませんね」
「いや違う、これはアナグラムだ」
「聞いてないし」
「W君、ラテン語で『おめでとう』のスペルは何だったかな」
「おめでとうですか、gratulatioですよ確か」
「やはり、そうか……」
ヴォイニッチ手稿みたいなものがあったらというものをきっかけに書いてます。
苦労して暗号を解いてみたら、結果が「おめでとう」でしたというものです。
探せば同じような小話はあると思うので、この話のパクリじゃねーか!とか言わないで下さい。
最初は「ダ・ヴィンチの暗号」というタイトルだったのですが、タイトル詐欺っぽいのでやめました。