Ⅴ.行方不明な神童
「行方不明…って…それじゃなんで助けに行かないで得体の知れない俺の勧誘なんかにトップのあなたが出向いてるんですか!!?人員の割き方おかしくないですか!!?」
「敵のアジトのど真ん中で行方不明になったんだぞ?
とっくに敵に捕まって殺されてるか男共の良いようにされてるに決まってるさ」
「何諦めてるんですか?…四宮はあなた達にとっても大事な戦力ですよね??何見捨ててるんですか?」
あまりの冷たい態度に腹が立って仕方がなかった
仮に桐崎十夜のいう後者側だったとしてもまだ命の方は助かる可能性だってあるのにこの男は完全に四宮姫香を諦めている。
それが無性に許せなかった。
「そんな事は今はいいのですよ…今重要なのは天野悠斗君…君が何者かであるって言う事ですよ?興味本位で一般人があの場に立ち会える訳が無いです」
「……どうでもいい……仲間1人の命よりもイレギュラーな俺の方が優先なのですか……」
話が全く噛み合わない
双方が議題にしたい内容が全く違っていく
今自分の正体を知られるよりも彼女を…四宮姫香の無事の方が心配だった
「あなた達がそんな薄情な方だとは思いませんでした…もう何も話すことはありません…僕は……四宮姫香を探してきます…」
「………」
何も返答せず俺の背中を無言で見つめ続ける桐崎十夜。彼は今一体何を考えてるのかもう全てどうでもよかった。
俺は生徒会室を颯爽と飛び出して昨夜彼女と会った敵の基地へと向かった。
そして1限目の予鈴がなり渡った