Ⅱ.固有武器未所持者
斧が振り下ろされたー
大きくて重いのか動きはそんなに速くはなかったー
戦闘経験の乏しい俺ですら目に追える程度には遅いが回避してもその重い一撃には力があり衝撃波がとてつもなくこの素人の身体の骨を軋ませていたがそんな弱音を吐いてはいられない
「今のうちに行け!ここは俺一人で十分だ!」
定番な王道なセリフをはいて俺は任務中のその少女に向けた。
「…」
少女は負傷した傷を庇いながらゆっくり姿を消していった
なんか一言くらい欲しかったが。。。
「お前…見かけねぇ顔だな?新人か?」
意外な敵からの質問だった。
でも俺の事を知らないのはそりゃ当然
異能力者として未登録だしなにより意図的に隠していたから敵に認知されているわけがない
「さぁ~て…俺は誰でしょうねぇ…」
斧を避けながら手ぶらな俺はなす術もなく回避行動を続けていた。
固有武器未所持者ってのは大変だなと思いながら2,3分経ったとき敵がしびれを切らしたのか
「ちょろちょろ小賢しい!」
地面に斧を振り下ろして足場を崩されてしまった
「めんどくさくなったからって滅茶苦茶な!」
ちょうど移置した場所が橋だったから崩れ落ちた拍子にそのまま海に落ちていってしまった。
「こんな面倒事は二度とごめんだな…」