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序章 プロローグ
気が付いたら辺り一面が火の海だった…
「ここはどこだ…?」
見覚えのある景色
なじみ深い場所
でも無意識に自覚したくなくて分からない振りをしていた。
ここは…自分の住んでいる家…否
街なんだという事実に
「嫌だ…嘘だ…」
何もできずただ無力に燃え行く街の中に膝まづく
7歳の少年がいた。
視界には両親の死体が転がっていた
焼死体ではないー
火災に巻き込まれたわけでもないのに少年の目には死を感じさせるには難しくなかった残酷な殺害現場が瞳の中に映っていたー
これは夢であってほしい
ただそれだけを切なげに願い続けていた。
だが現実はそう甘くなく容赦なく火の粉が飛び散り家を燃やして少年に辛い現実を叩きつけていった…
街が炎に包まれているが少年にとっては世界が燃えてこのまま朽ち果ててしまうのだろうと思ってしまい絶望と共に涙が枯れ果てるまで叫んでいた。
僕に力がないからこうなってしまったんだ…
無力な己の力を痛感して絶望的な火の海を睨みつけて1人の少年が幼き心の弱さを晒しつつも確かな覚悟を胸に抱き誓った…
もう二度と大切な人を自分の手の中から溢れ落とさないようにしなければ…と