運
運も実力のうち、って言葉がある。解釈は人それぞれあるだろうが、中にはこの言葉を毛嫌いする者もいる。実力の無い奴の負け惜しみだ! と息巻く奴もいる。
まあ、捉え方は個人の好きにすればいい。だが、一つ確かなことがある。ミケーラという女が、あの日あの時あの場所で奴らに出会っていなければ……彼女の運命は、全く違うものになっていただろうさ。
・・・
巨大な建物が、炎に包まれていた――
炎は建物を焼きつくすだけでは済まず、周辺の木々にも燃え移る。立ち上る煙は空の色を黒く染め、辺りを包む空気は熱さ……いや、痛みすら感じるくらいだった。
そんな中、彼女たちは出会った。
ミケーラは、必死の形相で逃げていた。
地面を這うようにして動き、息を切らせて四つん這いで走る彼女。ほとんどの場合、人間が全速力で逃げようと思ったなら、二本の足を用いて直立の姿勢で走るであろう。
しかし、ミケーラにはそれが不可能であった。なぜなら、彼女の足は切断されていたからだ。両足とも、膝から下が無かった……。
その上、両腕もまた肘から先が無い。しかも顔にはひどい火傷を負っている上、髪の毛はほとんどが焼け焦げていた。
そんな彼女は、一糸まとわぬ姿で、肘までしかない腕と膝までしかない足を懸命に動かし、這うような動きで森の中を進んでいる。それは、気の弱い男なら立ちすくんでしまう光景であった。
進んでいくミケーラの後ろからは、かすかに男たちの声が聞こえてきている。
「おい、あいつどこ行った!」
「人犬の分際で、調子に乗りやがって!」
「ぶっ殺してやる!」
そんな声に構わず、ミケーラは必死で森の中を進んでいた。草木の葉が、全裸の彼女を容赦なく傷つけていく。しかし、傷を無視して彼女は動く。凄まじい形相で、森の中を泳ぐようにして進んでいく。
突然、前の方からガサリという音がした。ミケーラは立ち止まり、思わず顔を歪める。
直後、彼女の前に一人の男が現れた。まるで瞬間移動でもしたかのように何の気配も感じさせず、いきなり現れたのだ。
さらに、その男の口から発せられた言葉は、ミケーラを唖然とさせた。
「お前、何してんの?」
ミケーラに向かい、そんな間抜けな問いを発した青年……年齢は二十代前半だろうか。中肉中背で肌は白く、黒い髪は肩まで伸びている。灰色のコートを着ており、その顔には余分な脂肪が付いていない。女を見下ろしている目には、感情らしきものが全く浮かんでいなかった。
そんな青年に対し、ミケーラは顔をしかめて見せた。息を荒げながら、どうにか声を絞り出す。
「悪いんだけどさ、助けてくんないかな? こんな顔になっちまったけど、出来ることは何でもするからさ……」
だがミケーラの懇願に対し、青年は全く反応していない。無表情のまま、彼女を見つめている。ひょっとしたら、頭がおかしいのだろうか。ミケーラは思わず舌打ちした。
「助ける気がないなら、せめて邪魔しないでくんないかな。あたしは生きなきゃならないんだよ!」
言うと同時に、再び進み出そうとしたミケーラ。後ろから聞こえる罵声は、徐々に大きくなってきている……。
その時、青年の後ろから別の声がした。
「ちょっとムルソー、もう少しゆっくり歩いてよ。こっちは、あんたみたいな化け物と違うんだからさあ……」
ぶつくさ言いながら、その場に現れたのは、顔の丸い中年女だった。長い髪を後ろで一つにまとめ、緑色の作業服を着て頑丈そうなブーツを履いている。全体的にガッチリした体格であり、太目であるが人の良さそうな雰囲気を醸し出している。
そんな彼女は大きなリュックを背負い、杖を突きながら歩いて来た。やがて息も絶え絶えといった様子で立ち止まり、不快そうな顔つきで青年を睨む……しかし、ムルソーと呼ばれた青年はミケーラの方を指差した。
「おばさん、あれ」
すると中年女は、ムルソーの指差した方向に視線を向ける。
次の瞬間、表情が一変した。
「ちょ、ちょっとあんた! 大丈夫かい!」
叫ぶと同時に、中年女は杖を投げ捨てた。ミケーラのそばに駆け寄り、しゃがみこんだ。
顔を歪めながら、彼女を抱き上げる。
「だ、誰がこんな酷いことを……」
中年女の声は震えている。その時、ムルソーが顔を上げた。
「おばさん、誰か来るよ。どうする?」
緊迫感のまるでない、間の抜けたような口調である。さらに、男たちの罵声が聞こえてきた。すぐそばまで迫っているのは明白である。
その罵声を聞いたミケーラは、苦しげな表情でそちらを向いた。
「あたしを追って来た連中だよ……早く逃げて。あたしも逃げなきゃ……」
言いながら、ミケーラは動こうとした。しかし、中年女は怒りに燃える目でミケーラを見つめ返す。
「奴らかい、あんたをこんな目に遭わせたのは?」
静かな口調で、中年女は尋ねる。だが、その体は震えていた。
「火傷は、あたしがヘマしたせいだけど……それ以外は、奴らがやったんたんだよ」
そう言って、ミケーラは自嘲の笑みを浮かべる。それ以外、とはいちいち説明しなくても分かるだろう。
すると、中年女は静かな口調で言った。
「あたしらに任せな。追って来た奴は、全員殺してやるから」
やがて、ミケーラたちの前に四人の男が現れた。年齢や服装はバラバラだが、共通点が二つある。全員、危険な雰囲気を漂わせていること。
そして、憎しみのこもった目でミケーラを睨んでいること。
「おいババア、死にたくなけりゃ、そいつを置いていけ」
低い声で言ったのは、いかつい中年男だ。森の中に似合わぬ白いワイシャツとベストを着ているが、その顔つきは凶悪そのものである。体も大きく、肩幅も広い。まるでゴリラのような体格だ。
しかし、中年女は怯まなかった。
「あたしゃ、ババアじゃないんだよ。ゾフィーって名前があるんだ。悪いけどね、あんたら死んでもらうよ……あたしゃ、あんたらみたいなクズが嫌いでね」
そう言うと、ゾフィーはムルソーに視線を移す。
「ムルソー、殺りな」
次の瞬間、ムルソーが動いた。
音もなく接近し、ワイシャツの男の襟首を掴む。
直後、片手でぶん投げた――
男は頭から地面に叩きつけられ、血ヘドを吐く。骨が砕け、肉の潰れる音が響いた。
凍りつく男たち。目の前で、百キロを超える体格の人間が一瞬で死体と化したのだ。叩き潰されたカエルのような、無残な死体へと。しかも、あまりにも簡単に。
暴力慣れしているはずの男たちだが、こんな光景を見るのは初めてである。彼らは皆、恐怖のあまり思考が停止していた。
一方、ムルソーは楽しそうに微笑んでいる。その表情は、とても無邪気なものであった。幼い子供がイタズラを成功させたような、そんな顔つきである。
直後、ムルソーは他の男たちに襲いかかっていった――
ムルソーが無造作に繰り出したパンチ。その拳は、一人の男の顔に炸裂した。直後、その顔は粘土細工のように潰れる。頭蓋骨を陥没され、男は壊れた人形のように倒れる。
さらにムルソーは、別の男の首を掴み、人間離れした腕力で首をねじった。頸椎をへし折られ、男は声もなく一瞬で絶命する。
最後の男は、ムルソーに胸を殴られた。すると男は、骨が砕ける音と共に仰向けに倒れる。その胸には、大きな窪みが出来ていた。まるで、重たい鈍器で思い切り殴られたかのように……。
ミケーラは呆然となっていた。
このムルソーという男、体つきは中肉中背である。腕力に秀でたようなタイプには見えない。にもかかわらず、四人の男たちを一瞬のうちに死体に変えてしまったのだ。
しかも、素手で……。
だが、ムルソーの凶行は止まらない。彼は突然、死体の服を剥ぎ取った。
さらに裸になった死体の腕を掴み、力任せに捻り出したのだ。捻り、ねじり、回し……最初、何をやっているのかミケーラには分からなかった。
だが、彼女はすぐに理解する。子供が捕まえた虫の羽根をちぎるがごとく、ムルソーは死体の腕を掴み引き抜こうとしているのだ――
やがてブチブチ、という胸の悪くなるような音が響き……ムルソーは、超人的な腕力で男の腕を引きちぎってしまった。その顔には、いかにも楽しそうな表情が浮かんでいる。
返り血まみれの顔で微笑み、もぎ取った腕を見つめているムルソーの姿は、地獄に潜む悪鬼そのものであった……。
その瞬間、ミケーラの心は限界を迎えた。彼女は耐えきれず、胃の中のものを全て吐いてしまう。
すると、ゾフィーが慌てた様子で声を発した。
「ムルソー、そこまでにしときな。まずは、この娘を手当てしないと……」
・・・
ウッドタウンでは、一時間ほど前から大粒の雨が振りだしていた。
多くの人間が屋根のある場所に避難し、忌々しげに空を見上げる。彼らのほとんどが、定まった住居の無い者たちだ。普段なら、僅かな小銭を巡って殺し合うことも珍しくない。
にもかかわらず、彼らは争わずに屋根の下でじっとしている。野生動物が、水場では争わない状況に似ていた。
そんなウッドタウンの一角に、奇怪な建物があった。石造りの塀に囲まれた、木造の一軒家である。派手な色でごてごてと塗りたくられ、けばけばしいデザインの二階建ての家である。周囲に建ち並ぶコンクリートの建物と比べると、明らかに異彩を放っていた。
この家、かつては宗教団体の教祖が住んでいたらしいが、今では街の三割ほどを仕切る権力者の住みかとなっている。
トントンと、ドアをノックする音に続き、遠慮がちな声が聞こえた。
「お兄さま、入ってもよろしいかしら?」
「ああ、構わない。鍵は開いているよ」
答えるニコライ。彼は全裸でベッドの端に座り、じっと床を眺めている。その端正な顔には、物憂げな表情を浮かべていた。
直後にドアが開き、一人の女が入って来た。すらりとした体を白いネグリジェに包み、しなやかな動きでニコライの方に歩いて行く。背中まで伸びた髪は黄金色であり、美しい顔には妖艶な笑みを浮かべている。
ニコライも女も、この世のものとも思えぬほど綺麗に整った顔立ちをしている。まるで、美を司る神のような……。
もっとも、二人の住んでいるのは法の存在しない町である。一歩外に出れば、悪鬼が蠢き死臭が漂う地獄なのだ。
力無き者は、この街では生きていけない。
「アデリーナ、どうかしたのかい?」
ニコライは下を向いたまま尋ねる。すると、アデリーナと呼ばれた女は彼の隣に腰かける。
「その前に……お兄さま、これはどうなさったの?」
逆に聞き返しながら、ベッドの上で横たわっている「もの」を睨みつけるアデリーナ。
そんな彼女の視線の先にあるのは、一人の娘であった。一糸まとわぬ姿で、仰向けに寝ている。恐らくは十代後半から二十代前半だろうか……ニコライやアデリーナと同年代、もしくは年下であろう。
その娘は両目を見開いたまま、身動きもせずに仰向けになっていた。まるで人形のように。
「あまりにもうるさかったので、心臓を止めたよ」
事も無げに言い放つニコライ。
アデリーナは忌々しそうに、娘へと近づいていく。まだ体は温かい。今にも動き出しそうである。
もっとも、娘の顔は恐怖で歪んでいる。死んだ後も怯えているかのようだ。
「このメス犬が……お兄さまがお前を相手にしたのは、ほんのお情けよ」
言いながら、アデリーナは人差し指で死体をつついた。
だが次の瞬間、眼球に指を突き入れる――
「アデリーナ、シーツが汚れるだろうが」
たしなめるように言ったニコライ。もっとも、彼の表情はのんびりとしている。本気で止める気は無いらしい。
一方、アデリーナは美しい顔を歪めながら、指で眼球を掻き回す。
胸の悪くなる音を室内に響かせながら、彼女はおもむろに口を開いた。
「お兄さまに敵対する、不吉な波動を感じますわ」
その言葉を聞き、ニコライは首を傾げる。
「俺に敵対? 変わった奴もいたものだな」
「怖いですか?」
からかうような口調で尋ねるアデリーナ。だが、ニコライは笑みを浮かべる。
「怖がらせてくれるほどの者なら、むしろありがたいな。退屈せずに済む」
静かな口調のニコライに、アデリーナは笑顔を向けた。死体から人差し指を引き抜き、シーツで拭う。
その時、ドアをノックする音がした。次いで、男の声。
「ニコライさん、報告したいことがあります。今は大丈夫ですか?」
「ブライト、ちょうどいいところに来てくれた。入ってくれ」
答えるニコライ。ややあってドアが開き、一人の黒人が入って来た。背が高く、がっちりした体格をしている。髪は短く刈り上げられており、クールな顔つきであった。さらに黒い革のコートを着ており、腰からはガチャガチャと金属音がしている。何か武器をぶら下げているらしい。
そのブライトと呼ばれた黒人はベッドの上の死体をちらりと見たが、すぐに視線をニコライに向ける。何事も無かったかのように語り出した。
「昨日……といっても数時間前ですが、バルガスの仕切るゴモラの館が、火事で焼けたそうです。女たちはすぐに避難させたため、全員が無事でした。しかし、従業員が四人死亡したそうです」
「おやおや、そんなことがあったのか。四人も亡くなるとは、哀れな話だな」
哀れ、と言ってはいるが……ニコライの言葉には、何の感情もこもっていない。それがどうした、とでも言いたげな表情を浮かべている。また、全裸であることを恥じる気配もない。
そんなニコライに、ブライトは真顔で話し続ける。
「二つ、気になる点があります。まず一つは、ミケーラがまたしても逃げ出したことです」
「ミケーラ? 誰だったかな?」
ニコライは首を傾げる。すると、アデリーナが答えた。
「かつて娼館を脱走し、みんなの前で人犬に変えられた女ですわ。なかなか可愛らしい顔をしていましたけど」
ここウッドタウンでは、罪を犯した者に対する罰は肉体の欠損である。とはいっても、その罰の重さは厳密に決められている訳ではない。権力者の一存で、刑は決まるのだ。
人を殺したにもかかわらず、足の小指一本を失うだけで済んだ者がいる。かと思うと、ひときれのパンを盗んで片腕を切断された者もいるのだ。
もっとも、ミケーラの場合は特別だった。彼女は美しい顔と綺麗な体をしていたが、ウッドタウンに売春婦として売られてきた。しかし、隙を見て娼館を脱走したのだ。もっとも、すぐに捕まってしまったが。
その後、ミケーラは娼婦たちへの見せしめのため「人犬」とされてしまったのである。
この人犬とは、ウッドタウン独特の刑罰だ。両手と両足を切断され、犬のように首輪を付け檻の中で一生飼われることになるのだ。ある意味では、死刑よりも残酷な刑であろう。
事実、人犬にされた者のほとんどが精神を病んでしまうのだ。
「そのミケーラという女は、恐ろしく頭が悪いようだね。人犬となれば、飼われている以外に生きる術がないだろうに……それなのに、火事に紛れて逃げ出すとは、よほど死にたいらしいね」
ニコライの言葉に、ブライトは首を振ってみせた。
「実は、もう一つ気になることがあります。死んだ四人ですが、館から一キロほど離れた場所の森の中で発見されました。全員、野生のゴリラにでも襲われたかのような有り様だったようです」
「ゴリラ?」
首を傾げるニコライ。
「ええ。死んだ四人のうち二人は、人間離れした腕力で撲殺されたようです。さらに一人は、首を捻られ脛椎を破壊されていました」
「おやおや、それは痛そうだね」
楽しそうな口調で、ニコライは口を挟んだ。しかし、ブライトは淡々と話を続ける。
「最後の一人、店を任せていたヨアキムですが……奴は私より重く、百二十キロあります。しかし投身自殺でもしたかのように、全身の骨が砕けていました。さらに、奴の腕は引きちぎられています。死体の状態から察するに、犯人は百二十キロのヨアキムを持ち上げて地面に叩きつけ、さらに無理やり腕をもぎ取った……野生のゴリラ並みの腕力を持つ何者かが、やったとしか思えません」
「野生のゴリラ? はて、ウッドタウンにそんなものがいたかな」
真顔でそんなセリフを吐き、首を傾げるニコライ。すると、アデリーナが笑みを浮かべた。
「まあ、お兄さまったら……この街に、野生のゴリラなどいませんわ」
そう言うと、彼女はクスクス笑いながらニコライの肩に顎を乗せる。この二人は実の兄妹なのだが、ブライトの目を気にする素振りもなく肌を寄せ合い、触れ合っている。
もっとも、ニコライの部下であるブライトにとっても、見慣れた光景ではあるのだが。
「もしかしたら、ポールのボディーガードの双子がやったんじゃないのか? 奴らなら、それくらいは出来るだろう」
ニコライの言葉に対し、ブライトは首を横に振ってみせた。
「それはあり得ません。あの双子はどうしようもないバカですが、ポールの命令には忠実です。ポールが、そんな愚かな命令を降すとは考えられません」
「ふむ、そうか。となると、やはり野生のゴリラの仕業かね」
真顔でそんなセリフを吐くニコライ。横にいるアデリーナは、いかにも愉快そうに笑った。
「もう、お兄さまったら。野生のゴリラは、ウッドタウンにはいません。わたくしが先ほど、そう言ったでしょう。お忘れですか?」
「うむ、そうだったな。まあ野生のゴリラはともかく、ミケーラのことはどうしようか? また、レミーたちにでも頼もうかね」
ニコライの言葉に、ブライトは頷いた。
「そうですね。私としては、あの女は捕らえると同時に処刑した方がいいかと思われます。生かしておいても、何の使い途もありませんし」
「そうか。ミケーラのことは、君に任せるよ。ところで、もう一つ頼みたいことがある」
そう言うと、ニコライは立ち上がった。ベッドの上にある娘の死体を蹴飛ばす。死体は転がり、床に落ちた。
「申し訳ないんだが、このゴミを始末してくれないかな?」
「分かりました」
返事と同時に、ブライトは死体を担ぎ上げる。何事も無かったかのように出て行った。
「ふむ、分からんな。ゴモラの館が燃え、人犬が逃げ、ゴリラが従業員を殺した……いったい何事が起きたのだろうね」
首を捻るニコライ。すると、アデリーナが体を擦り寄せてきた。
「そんなこと、どうでもいいではありませんか。それより、ぷんぷん匂いますわよ……あの、メス犬の匂いが」
そう言うと、アデリーナはニコライの手を取った。
「一緒にシャワーを浴びましょう。メス犬が触れた場所を、綺麗に洗い流さないと……あたくしが、清めてあげますわ」