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血溜まりの戦友

「あ、スノーちゃん新任務ー?」


教官室を出ると、そこには前線で戦っているはずの私の唯一の友達、リナリアがいた。


「そうだけど…リナリアは任務どうしたの?」

「今週は私が休戦日だから、久しぶりに皆の顔見に来てた。でも明日には帰んなきゃ」

そう言って寂しそうに笑う。

前線組は、3ヶ月に一回、一週間だけ休暇が与えられる。


頭のお堅い政府の人達は、戦争が始まってすぐの頃は休暇を与えてくれなかった。

そのおかげで疲労、ストレス等により、日本の前線組は思うように力を発揮出来なかった。

また、そのせいで死者も今の三倍はいたと言う。


「ふーん。前線は大変だね~」

「まぁ大変っちゃ大変だけど、最近は前より落ち着いてるかな。特に赤猫本部が」

「ん?そうなの?」

赤猫本部が落ち着いてる、ねぇ。


何か、引っ掛かるな。


赤猫本部が落ち着いているのだったら、なぜ密入国してくるのだろうか?

そもそも、日本の前線組は一騎当千で人手が少ない割に戦力差はこちらのほうが上だ。

そんな危険な場所にいくら助けてくれる人がいても、単独で乗り込んでくるだろうか?


その主旨と今回の私の新任務の内容をリナリアに伝えると、激しく同意してくれた。

「確かに危険過ぎるよね。いくら赤猫でも大胆過ぎると思う。私だったら絶対やんない」

「何か裏が有りそう。あぁ~、そしたら調べるの面倒そ~」

「いや任務なんだし頑張りなよ。あぁ、後もうひとつ」

「ん?」

何か他に気になることが有るのだろうか。

「絶対、殺しちゃ駄目だよ!」

「リナリアもそれ言うか!教官と一緒だなっ!」

全く皆して…そんなに私信用無いかな?

…無いな。過去の任務を見れば尚更だ


二人で久しぶりに心から笑った。


「じゃあね~。新任務、裏が有りそうだったら連絡して。場合によっては助けに行くから」

「有難いけど、流石に前線から抜けちゃうのは駄目でしょ?こっちは気にしないで良いよ」

私にとって正直、一人の方がやりやすい。例えリナリアでも、だ。

その本心を隠しつつ、笑顔で顔を横に振る。

「ん~…ま、そっか。それにスノーちゃん強いしね!ホント前線組に来てほしいよ」

「私は平和主義者なのでw」

嘘だ。私が前線にでるときっとチームプレーを乱してしまうだろう。

そのせいで負けるなど、そんな事はあってはならない。

「またそんな事言って~。スカウト状出されてるんでしょ?」

「そんな物私にくれる人いないでしょー」

「って事は貰ってないの?あれれ~意外だなぁ」

また、嘘だ。リナリアがスカウト状を貰うずっと前に教官から渡された。

その時は大分悩んだが、今はきっぱりお断り出来る。


リナリアが時計を見て少し慌てた。

「あ、そろそろ時間。前線の総司令官、時間に凄いうるさいから」

「頑張ってね~」

「そっちこそ。じゃ、また」

そう言ってリナリアはベランダの方に駆け出す。

そして、そこから飛び降りた。


この光景を初めて見る人は、慌てふためくだろう。

しかもここは13階である。


でも私は何回も目にしているから、別段驚きもしない。

さらには、最初に会った時、リナリアの超能力は私の超能力で全て把握していたため、全く驚かなかったが、こちらの超能力を把握されるのは嫌だったため、大袈裟に驚いて見せた。

案の定バレなかった。


基本的に個人個人の超能力は知ってはいけないという暗黙のルールがこの学校にはある。

しかし、私の超能力の前ではそんなルールは通用しない。


リナリアの超能力は、飛翔。

飛ぶときは、背中に天使を思わせる翼を生やす。

剣技を得意とし、前線においては自由に空を飛び回り相手を打ちのめしていく。

そして、とても美人というか美少女で、男子の注目の的である。

しまいに戦闘能力もピカイチで、性格もいいとなれば振り向かない男子はいない。

恋する乙女にとってはかなりの天敵である。


まぁ、私は恋する乙女ではないが。


そんなこんなであれこれ考えながら、戦友を見送り、長い長い廊下を歩いた。



とても遅くなってすみませんでした!!


リナリア→この花も在ります。


というか、これから名前は何かの花で付けると思います。

ネーミングセンスが欠如しているのでw

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