血溜まりの中庭
スノードロップの超能力は他の超能力より戦闘能力ではやや劣る。
しかし、使いどころを工夫するとドラゴンを使役出来るとかいった超人的能力より戦況を有利に出来る。
彼女の超能力は、相手の心や考え、更にどんな超能力を使うのか等々相手の様々なステータスが瞬時に分かるというものだ。
例えば、これからどうしたいのか相手に聞かずとも分かったり、今どんな気持ちなのか知ることが出来たりする。
そして今日、それが役に立った。
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教官から指令を受け、さっさと片付けようと思い、すぐに目的の学校に飛び出した。
例の少年はすぐに見つかった。
ぼけっと中庭のベンチに腰掛け、考え事をしているようだった。
内容はこう。
いじめっこ逹、死んで。
この世から居なくなって。
消えてなくなればいい。
これはチャンスだ。
急に近づいて、急に人質になってといえば当然不審者だと思われる。
だったら、さりげなく「私ならアイツら殺せるよ」と声をかけた方がいい。
………どっちにしろ不審者に変わり無いが、教官からは暴れてOK貰ってるし。
「ねぇ、そこの君」
少年はキョロキョロ辺りを見回すが、ここには私と彼との二人以外だれもいない。
「え、僕!?」
「君以外誰がいるの」
「そう、だよね」
そう言ってあははと力無く笑う。
「君さ、いじめられてるんでしょ?」
質問の内容が予想外だったのか、少年は目を見開いた。
「何で、知ってるの?」
「それはともかく、君を虐めてる人達は死んで欲しいんでしょ?消えて欲しいんでしょ?」
少年はまたもや驚いた様子だったが、目をそらして言葉を濁した。
しかし、私には全てお見通しだ。
何なのこの女の子?
アイツらを殺してくれるの?
この子1人で?いやいや無理でしょ。
アイツらは暴力も惜しまない。きっとアザだらけで帰ってくるだけだ。
いや、でも期待してもいいかも?
少年の心は初めごちゃごちゃだったが、私の「私ならアイツら全員殺せるよ」の一言によりだんだんまとまってきて最終的に一つの答えとなった。
___是非殺して欲しい。
私は両太股のホルスターから銃を抜いた。
私ならアイツら殺せるよ
うむ。鶴の一声ですな。