赤ずきん。
これは、人がまだ森で暮らしていたときの話。
「古の森」には二つの族が住んでいた。
一つは、゛ベリー族゛。
そこに生まれたものは生まれながらに自分の「輝色」をもっていた。
男性は首にネックレスとして、女性は手首にブレスレットとして自分の輝色の宝石をつけていた。
輝色は赤子が生まれるとき、母親のゆめのなかで精霊よってに伝えられる。魔術が使える。
もう一つは、゛オオカミ族゛。
狼を守護神とし、敬う。彼らは、不思議な力を持っていたといわれているが、
今は狩りをしながら平和に暮らしている。
狼は森で一番強い、そのため野生動物たちも彼らを襲わない。いや恐れていたのだ。たとえ人間であろうが彼らを襲えば、狼を襲ったことと同じことになるからだ。
この二つの種族は敵対していた。
元々はお互いに助け合いながら生活していたのだが、二つの種族の先祖達の時代に
゛ある出来事゛がおきた。それ以来互いの村を行き来することは禁じられ、深い溝ができた。
子供は大人たちに、「村の境界線には近づいてはいけない。」「あの種族は悪いやつらだ。」と
言われ育ってきた。
時が経つにつれて、今ではもうその゛ある出来事゛を知る者も少なくなってしまった・・・。