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夢>世界遺産

前書きはありませんが、読んだあとに、あなたの心に前書きが生まれることがあります。

 オレの名前はロケ・サンタクルス。世界を旅して絵を描いている。聞こえはいいが、その日暮らしの”さすらいバックパッカー”である。

 オレは今、とある国のオープンカフェで遅めのランチ、おっと、OL風に言ったらブランチを勢いよく腹にぶっ込んでいるわけだ。食べているのは【キノコとツナのパスタ】と【グリーンハーブティー】だ。勢いよく腹にぶっ込んでいたのには訳がある。ここ数日間、砂漠で遭難しちゃってたんだよね。なんとか水筒の水とチョコレート、サボテンの実に含まれる水分などでギリセーフだったけど、まじでバッドだったぜ!注文する時、店員さんに「大盛りで!」と言ったらキッチンの方から大森という日本人女性が出てきたときはマジ笑えなかったぜ。

 


 大森「お客さん呼びましたか?」


 サンタクルス(以下サン)「え?誰?」


 大森「アルバイトの大森ですけど」


 サン「あー、なんかアルバイト出てきちゃったよ」


 

 このくだりいる?いらないよね?でもこの子の笑顔がものすごい可愛らしかったから、砂漠での疲れも吹き飛んだよ。この先オレと結婚することになるとは全く予想してなかったな。

 食べ終わり、会計を済ませ、チップを置いて席を立とうとすると、妙な高揚感におそわれた。なんだか最高にハイだ!今すぐにでもキャンプファイヤーしたい!チラッと横を見ると、アルバイトの大森がこう言った。



 大森「お客さん、見たところさすらいの絵描きさんでしょう?」


 サン「そうだす、オラ絵描きだす」


 大森「そうだと思ってキノコのパスタにマジックマッシュルーム入れておいたの♥」


 サン「え?まじで♥!?」


 大森「まじです♥マッシュルーム好きかな〜?と思って」


 サン「うん!好きだす!うわー、そりゃハイになるはずだわー!」


 大森「良かった、喜んでもらえて♥」



 後に聞いたのだが、彼女はオレに一目惚れしていたらしい。そういうオレも彼女を一目見た時から恋をしていたのだ。彼女は連絡先を書いたメモをオレに渡し、戻り際に振り向いて一言こう言った、



 大森「私の名前、ナナコ!」


 そしてニコっと笑って彼女はキッチンへ戻って行った。オレはその後、驚く程ぐるんぐるんになり、気づいたら浜辺のヤシの木に登っていた。ヤシの木から沖の方を見てみると、遠くの方にポツンと浮かぶ小さな島を見つけた。ビーチを歩く少年たちにあの小さな島は何という島なのか聞いてみると、その中の一人がこう答えた。


 少年マッコリ「あの島はねー、”神々が住む島”だってじいちゃんが言っていたよ。島には大きな森があってたくさんの珍しい動物たちが暮らしているって聞いたことあるよ。でも今は海流が変わってあの島に行くことは出来ないんだってさ。」


 サン「少年よ、ありがとう」


 そう言うとオレは、お礼として少年にヤシの実をあげようと、ヤシをひきちぎり下へ落とした。


 『ゴン!!』


 鈍い音と共に、少年マッコリは膝から崩れ落ちた。数分後、少年マッコリの友達と思われるちびっこ集団に、ヤシの木のまわりを包囲されていた。


 少年達「お前は包囲されている!早く降りてこい!」


 軽くイラっとしたオレは、すぐに降りてこう言った。


 サン「うるせー!!ぶっ殺すぞ!!」


 子供達はビビって帰宅。子供はキライだ。



 動物好きのオレとしては、少年マッコリの言っていた”神々が住む島”に行き、珍しい動物たちとやらを描きたくなった。



 数日後、オレはあの島のことが気になって町で島のことを聞いてまわっていた。すると、ひとりの老人がスタスタと近づいてきたと思ったら通り過ぎていった。島へ行くには船では行けない、とするとヘリか・・・しかしヘリも上空の突風の影響により、飛べない空域となっているらしい。海もダメ、空もダメ、となると残す選択はただひとつ、地面を掘って進むしかない!まるで夢物語、無理だ。

 だけどオレ、諦められないよ!情熱に火が着いちゃったし!


 「情熱よ 弾けて混ざれ 夢の人」これが死んだじいちゃんの口癖だった。どんなに困難なことでも、努力次第で結果がついてくるって言ってたっけ。だからオレ!地面を掘るよ!


 



 十年後、オレは33才になっていた。今日も地面を掘り続けている。島までの距離はあと数百メートル、今では少年マッコリも穴堀りの手伝いをしてくれている。いや、もう青年マッコリか。


 「はい、お茶☆」


 そう言ってさしだしてくれたのはオレの奥さんのナナコだ。ナナコとは、オレが30の時にプロポーズして結婚した。お互い子供はキライなので自由きままに穴堀りの応援をしてくれている。なんでこんなに自由きままかって?それはオレが23歳の時に描いた絵が、ローマ法王に気に入られ、300億円で買い取ってもらったからだ。そう、あのヤシの木から見える景色をキノコを食った時に描いていたんだ。それにしてもA4サイズの絵で300億円にはびっくりしたが、最初は3万円から始まったヤフーオークションが、300億円になるなんて、夢のようだな。だがこれも事実、オレの絵は夢の世界に通じているからな。


 人生なにがあるかわからない!だからおもしろい!道がなければ作ればいい。全ての道はつながっているのだから。


 これまで掘り進める中で、様々な問題があった。笑えることから、頭を抱えること。しかし、あと数百メートルに近づいたその時、これまでにない大きな問題にぶちあたった。それはというと、なんとも大きな石造物が目の前にあらわれたのだ。


 サン「おい、どうなってるんだ!?なんでこんなところに神殿が・・・」


 青年マッコリ「あわわわわわ・・・!?昔じいちゃんが言っていた!太古の時代に海の底に沈んだ神殿があると・・・」


 サン「お前、キャラみつけたな」


 青年マッコリ「・・・神殿の名前はランテ・ランサ」


 ナナコ「しかし邪魔だねこの神殿・・・サン!爆破しちゃおっか♥」


 青年マッコリ「え!?何言ってんスカ!?」


 サン「そうだね!やっちゃおっか!」


 青年マッコリ「は!?ダメっすよ!ランテ・ランサはそれこそ世界遺産ですよ!!」


 サン「男にはな、自分の夢より大きなものはないんだよ。」


 ナナコ「夢>世界遺産」


 サン「オレの夢の邪魔をするやつはこっぱみじんだぜ!ナナコ!神殿爆破!」


 ナナコ「ブラジャー!」


 青年マッコリ「ッッえええええ!!!」


 ナナコ「3、2、1…爆破♥!!」


 




 ズゴーン!!!!!!!!!!!!


 


 サン「よし!先へ進もう!島までもう一息だぜ!」


 と言うのと同時に、ほぼ壊れかけた神殿の奥からひとりの老人が現れこちらに近づいてきたと思ったら通り過ぎていった。なんなんだよ一体。


 青年マッコリ「なんなんすか今のじいさん!?」


 ナナコ「帰ったんだよ家に」


 サン「帰りを待つ人のもとに。おい、それよりマッコリ!もうじき結婚するって聞いたぞ!よかったじゃねえか!」


 青年マッコリ「そうなんすよ!この島が開通したら結婚するってプロポーズしたんですよ!」


 ナナコ「よかったね!ナターシャちゃんも喜んでたでしょう?」


 青年マッコリ「はい!彼女の雑貨屋に通い詰めた甲斐がありましたよ!」


 サン「しっ、静かに…何か音がする…」


 すると暗がりから一匹の真っ白な犬が出てきた。


 イヌ「イテテテテテ、一体ナンダッテンダ!?急に爆発しやがった。」


 ナナコ「イヌがしゃべった♥サン!私このイヌほしーい♥」


 サン「いいよ!イヌ!お前しゃべれるのか?」


 イヌ「うん。名前はジェンナーロ・ガットゥーゾ、神殿の守り神だよ!」


 青年マッコリ「あわわわわわ」


 サン「神殿邪魔だったから爆破したけど許してね。」


 ガットゥーゾ「別にいいですよ。すでに沈んだ神殿だし、当時も守りきれなかったし(笑)」


 サン「ものわかりのいい子だ。オレはロケ・サンタクルス、サンって呼んでくれ!」


 ナナコ「わたしナナコ♥これからよろしくね♥」


 青年マッコリ「あわわわわわわ」


 サン「こいつは青年マッコリ、ま、いわばこういう立ち位置のやつだ。よろしく頼むよ!」


 ガットゥーゾ「わん!」


 それからオレたちは、ひとまず家に帰ったんだ。色々なことがあって少し疲れたからな!その晩に奇妙な夢を見た。けど忘れちったぜ!次の日、青年マッコリの仲間が穴堀りを手伝ってくれると言っていたけど断った。理由は大人数が苦手だからだ。

 あと少し!あと少しで念願の、あの”神々が住む島”に通じる道が完成する!!今日には開通させるぞ!!そう思った時、一本の電話がかかってきたんだ。


                                                 続く

























 

 

はじめて小説を書き始めました。読者の皆様、私がピクチャーです。以後お見知りおきをお願いします。普段は絵を描いています。

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