第7話 マチョリティ姉弟 II
2025年4月21日
リンチされていたレベロを助けた謎の男女。
その男女の身体能力、反射神経は、並の人間をはるかに凌駕していた。
レベロ(……なんだ、この二人)
数十秒もしないうちにリンチ軍団は全員倒れ、再起不能になる。
その路地に立っているのはその2人だけになった。
謎の女性「ねぇ、大丈夫?ケガとかは....さすがにしてるか。」
僕は少し考えてから答えた。
レベロ「……うん。大丈夫。今日はいつもより短めだった」
謎の女性「ん?どういうこと?」
その時、路地の入り口から聞き慣れた声がした。
オリバー「レベロ!」
レベロ「オリバー!」
オリバーはレベロに接近する男女コンビと、周りに倒れている汚いナスティー住民達を見て、状況を一瞬で理解した。
オリバー「君たちが、助けてくれたのか?レベロを」
謎の女性「レベロ?あぁこの子のことね。」
謎の男性「あなたは彼の知り合いですか?」
オリバー「ああ。親友だよ。」
レベロ「そういえば、あなたたちは誰ですか?」
謎の女性「」
彼女は胸を張った。
謎の女性「私はジュリア・マチョリティ!」
謎の男性「俺はマルコ・マチョリティです」
オリバー「……夫婦?」
マルコ「違います。姉弟です。この人が姉で俺が弟です。」
ジュリア「でも、夫婦でもいいかもしれないね!!
うっふぅぅん♥マルコぉ~ん♥ちゅーしちゃおうよぉ♥
TPO弁えず私たちの愛をひけらかそうよぉ♥」
マルコ「やめてくださいきもいです」
ジュリア「は?」
話を聞くと、二人は仕事でアメリカに来ていたらしい。
正確には、マルコの仕事だ。ジュリアは「アメリカに行きたい」という理由でついてきた、ただの付き添い。
ジュリアの職業は、どうやらジャーナリストらしい。
マルコ「一か月の予定でしたが、三日で終わりました」
オリバー「三日?」
マルコ「簡単でしたので」
ジュリア「うちのマルコちゃんはすごいんだよ!!
13歳で大学行って15歳で卒業したんだよ!!しかも主席!!」
マルコ「ちょっとやめてくださいよ...恥ずかしいですって...」
ジュリア「またまたぁ!自分の良いところはみんなに知ってもらいたいじゃん?
日本ではこういうことわざがあるのだよ!
『能ある鷹は爪を晒す』!!」
マルコ「『隠す』です。」
ジュリア「あれ?」
ジュリア「あ、そうだ。君たちのことも聞かせてよ。私、君たちに興味あるな」
オリバー「あぁ、俺はオリバー。オリバー・ケリー。レベロの親友 兼 代理親って感じだな。」
マルコ「代理親?」
オリバー「レベロがまだ物心ついていないときにご両親がどっちも死んでしまったらしいんだ。」
マルコ「両親とも?」
レベロ「うん。だから自分の親の顔も苗字もわからない。」
マルコ「なるほど。そんな過去を持っていたとは...失礼いたしました。」
レベロ「別にいいよ。全然気にしてないから。僕にとってはもうどうでもいいことだし。」
オリバー「どうでもいい?」
レベロ「だって、オリバーがいるもん。オリバーは信頼できる。」
ジュリア「Hoo!!」
マルコ「姉さん。こういう時はあまりふざけない方がいいですよ。」
ジュリア「ごめん。」
ジュリア「でもさ、そんなことあるのかな?お父さんもお母さんもほぼ同時期に死ぬなんて。おかしくない?」
オリバー「言われてみれば、たしかにそうだな。」
マルコ「その話はもうやめましょう。これ以上その話を広げる必要はありません。」
ジュリア「.......そうだね!重たい話は空気が重くなるし!」
「せっかく出会った縁だもん、私たち、仲良くなれたらいいね!」
オリバー「そうだな。助けてもらった恩もある。改めて、よろしく。」
マルコ「こちらこそ。お二人は、俺のアメリカで一番最初にできた知人です。よろしくお願いします。」
レベロ「......よろしく。」
それから、ジュリアとマルコはしばしばナスティー地区に遊びに来てくれるようになった。
ジュリアとマルコの噂はナスティー地区中に広がっており、ジュリアとマルコを襲うようなバカはいなかった。
ジュリアとマルコは、レベロに外の世界についていろいろ教えてくれた。
それらは、レベロにとって、散歩中の妄想暇つぶしに大いに役立てられた。
ジュリア・マチョリティ
年齢:27歳
誕生日:6月5日
身長:175cm
・体型はボンキュッボン。かなりの美人。
・明るい性格。ただ少し空気が読めない所がある。
・頭はあまり良くない。
・職業はジャーナリスト。
・日本が大好き。合気道と柔道の有段者である。
・ファクルテイツは持っていない。
マルコ・マチョリティ
年齢:20歳
誕生日:11月7日
身長:165cm
・少し小柄な男性。ハンサム。
・IQ168の超天才。大学に13歳で首席入学し、15歳で卒業。
・ジュリアとは性格が正反対。冷静沈着な性格。




