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ドッグ・ランド  作者: いつき
第1章 ナスティー地区にて
8/9

第6話 マチョリティ姉弟

2025年4月21日

ナスティー地区。

地区内の路地で、大人数にリンチされている少年がいた。

そう、レベロである。


レベロの体はやはりこの状況にいつまでも慣れないが、レベロの精神はもうすでに慣れ切っている。


レベロはリンチされながら、こんなことを考えていた。



さて、今回は何分間リンチされるのだろうか?

いつも僕は最初の打撃から体内のストップウォッチを押す。

現時点でリンチ開始から3分10秒経過している。

平均は4分32秒、今までの最高記録は12分52秒。

逆に今までで一番短かったのは1分23秒。

その時あまりに短すぎて「え、もう終わり?」とつい声に出しそうになったのを覚えている。

別に僕はMじゃないから、長ければ長いほどうれしいというわけではないけど、

リンチされている間は頭が暇だからこういう考え事をして暇つぶしをしている。


今までのリンチ経験から言えるのは、リンチ時間は人数に比例する。

今日はあまり人数がいないから、いつもより短めになるかもしれないな。




リンチ開始から3分52秒経過した時点で、リンチ集団の外から人の気配がした。

オリバーが助けに来てくれたのか、とレベロは思った。

しかし、今回は違った。2人だ。2人の気配がした。



謎の女性「ねぇ、なにしてんの?」



しゃべり方からしてアメリカ人ではない。異国から来た人特有の独特な訛り方をしていた。

絶対にオリバーではない。

というか、男性ではない。声は明らかに女性だった。


女性が話しかけてきたとき、リンチが止まった。


レベロ(3分57秒か。いつもより短いな。

  この人たちが絡んでこなかったらどのくらいリンチされていたのだろう。)


リンチ軍団1「なにって、暇つぶしだよ。サンドバッグを殴ったり蹴ったりして遊んでんだよ。」


謎の男性「それ、楽しいですか?そいつはサンドバッグではなく、明らかに生きている人間のように見えますが。」


レベロ(どうやら、一方が女性で、もう一人が男性。

兄妹か、カップルか、親子か、どれだろう。)


リンチ軍団2「ああ?なんだお前?」

リンチ軍団3「というかお前その服装、この地区の人間じゃねぇな。よそ者がなんの用だ?5級の俺を嘲笑いに来たのか?」

リンチ軍団1「というかお前アメリカ人じゃねぇな。イタリアらへんか?」


謎の女性「おぉすごい!正解!私イタリアから来たんだ!」


リンチ軍団3「イタリアかぁ。ずいぶん洒落た所から来たんだな。」

リンチ軍団2「金目のものとかさ、いっぱい持ってんだろ?少しくらい分けてくれよ。」


謎の男性「なぜわざわざ君たちに金目の物を渡さなくてはならないのかがわかりません。」


リンチ軍団2「渡す気がねぇのか?」


謎の男性「そうですね。君たちのような者にお金を分ける行為にあまりメリットを感じません。」

謎の女性「なんか私、あんたたちみたいな雰囲気の人あんま好きじゃな~い」


リンチ軍団1「なら、無理やりにでも奪い取ってやるぜ!」


レベロは解放され、リンチの標的は男女コンビに変わった。



リンチ軍団のリーダーがこぶしを振り上げたその瞬間、

女性が一歩、前に出た。

距離の詰め方が、やけに静かだった。


次の瞬間、


リンチ軍団リーダーの体が宙を舞う。

殴ったわけでも、蹴ったわけでもない。

腕を取られ、体重を流され、気づいたら地面にたたきつけられていたのだ。


リーダーは地面に倒れ、自身の手首を抑えながら悶えていた。


謎の女性「ごめんね、反射で思いっきりやっちゃった☆」

女性がそういうと、突然その姿を消した。


リンチ軍団2「...は?」




謎の女性「なによそ見してるのかな?」シュッ


リンチ軍団2「え」


まるでテレポートしたようだった。

女性は次の男の懐に瞬時にもぐりこむ。

次の瞬間、その男は地べたに転がっていた。


リンチ軍団3「速えぇ!!」

リンチ軍団4「うわあああ!!!」


謎の女性はリンチ軍団を、流れるように次々と倒していく。

レベロは考えた。おそらくこの女性は格闘技経験者だ。

格闘技とか、護身術を嗜んでいなければこのような動きはできないだろう。




リンチ軍団5「この野郎!!!」

リンチ軍団の男は謎の男性の方に思いっきり殴りかかるが、


ガシッ

リンチ軍団5「え?」


謎の男性はリンチ軍団の男の殴りかかった右拳を手で瞬時につかむ。

その反応速度は、人間の限界を超えていた。


男はさらに左腕を振りかぶったが、一瞬でその左拳をつかまれる。


両手がふさがってしまった両者。

リンチ軍団の男は瞬時に左足を使って謎の男性を蹴り飛ばそうとしていた。

しかしリンチ軍団の男の左足が上がり始めた0.05秒後


謎の男性は、振り上がりかけの男の左足を右足でひっかけた。


その場で倒れるリンチ軍団の男。


別の男が謎の男性に攻撃を仕掛けるが、

ギリギリのところで避ける。


何度も殴ったり蹴ったりを試みるが、全て寸前で避けられる。


まるで、先に答えを知っているかのように。


レベロ(なんだ...この二人...)


数十秒もしないうちに、リンチ軍団は全員地べたに転がっていた。


謎の女性「あんま手ごたえなかったなぁ。つまんないの。」

謎の男性「戦いにはあまり慣れていない連中でしょう。」


息を切らす様子もない謎の男女コンビ。


戦闘シーン書くの苦手かもしれん

どういうオノマトペ入れたらいいのかわかんないので極力オノマトペ入れてないです。

戦闘シーンは皆さんの頭の中で想像してみてください。

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