第0話 プロローグ
1999年1月1日
北緯38度11分 西経91度3分
アメリカ・ミズーリ州の森林に突如、長径60m、短径21mの大きな隕石が衝突した。
この隕石の落下による死者は751名、負傷者は3872人、行方不明者250名。
大きな災害、事故だったが、この時は「甚大な被害をもたらした隕石落下事故」として処理された。
しかし、この隕石落下以降、
アメリカ内で不可解な現象が発生したのだ。
隕石落下からしばらくして、アメリカの至る所で、超能力を発現させた者が続出したのだ。
その超能力は個人によって異なり、人々はその超能力を総称して
「ファクルテイツ」
と名付けた。
このファクルテイツの登場により、アメリカ社会はどんどんおかしくなっていく。
人によって、便利なファクルテイツ、強力なファクルテイツ、そうでもない地味なファクルテイツが存在するが、
それが故に自分のファクルテイツを使って犯罪を犯そうとする者が発生し始める。
それにより、アメリカの治安が悪化。
サリー・ホワイト大統領は
ファクルテイツの発生要因は隕石の破片にあると断定し、隕石の破片の回収命令を全国民に通達した。
2025年4月4日
アメリカニューヨークのスラム街 ナスティー地区にて、
少年レベロは今日もいつも通り、リンチを受けていた。
理由はレベロが6級国民であるからである。
スラム街に住む人々のほとんどは5級国民であり、日頃のストレスを6級国民の人間にぶつけていた。
アメリカは2011年から国民階級制度を実施。
国民性、人間性、国への忠誠度などを観点に、その人間のアメリカ内での階級を決定する。
一般国民は最高が1級、最低が6級である。
1級は模範国民であり、公共交通機関がすべて無料になったり、専用のコンシェルジュがついたり、毎月国から多額の給付金を貰えたりする。
クレジットカードの最高ランク、ブラックカードを申し込めるのも1級以上の人間のみだ。
平均は3級で、4級は下級国民、5級は上級国民から奴隷として扱われるほど冷遇される。
6級まで下がる者はなかなかいない。よっぽど人間性が終わっているか、国家に忠誠を誓わないか、またはその両方の人間しか6級という烙印は押されない。
とにかく、隕石落下から数年で、アメリカは悪い意味で、見違えるように変わってしまったのだ。
かつて自由の国と呼ばれたアメリカは、見違えるように変わってしまったのだ。
出だしこういうのでいいのかな・・・?




