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ドッグ・ランド  作者: いつき
第1章 ナスティー地区にて
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第9話 悪魔 II

2025年4月22日

エリオットは別のボランティアに自分のボランティアのポジションを任せ、自分の運営する小さな闇カジノにレベロたちを案内した。


エリオット「今日は俺が炊き出しのボランティアに行くから店を閉めてるんだ。

だから今はお前らの貸し切り状態だよ。」


エリオットのカジノ「CASINO ELIOT」はテーブルが4つ程ある、とても小さなカジノだった。


ジュリア「まるで日本の老舗定食屋みたいな、素朴な雰囲気ね。」

エリオット「まぁ豪華な装飾ができるほど儲かってはいないからね。」


レベロたちはその中で、入り口から一番奥にあるテーブルのところに座った。


エリオット「こいつ、ブラックジャックのルールは知ってるのか?」

オリバー「いや、知らないと思う。俺もあまり知らないからルールを教えてくれ。」

エリオット「わかった。ではブラックジャックのルールを説明しよう。」





今回のブラックジャックのルール

・このゲームでは、

 絵札は全て10、Aは1か11と数える。

・親と子に分かれて行う。

・親と子、ともに2枚配る。

 子は手札2枚を公開し、親は2枚のうち1枚のみを公開。

・子→親の順番でゲームは進む。

・子は「ヒット」「スタンド」「フォール」ができる。

 ヒット = カードを1枚追加できる。

  ヒットした場合、手札の合計数字が22以上になった場合は「ブタ」となり、即敗北。

  しかし、親もブタになった場合は引き分けになる。

 スタンド = カードを追加せず、自分の手札を確定する。

 フォール = 勝負を降りる。負けを認める。

・手札が配られた時、Aと10またはAと絵札を引いた場合、ブラックジャックとなり即勝利。

  しかし、その際親もブラックジャックとなった場合は引き分けになる。

・子が全員スタンドしたとき、親のターンとなる。

・親のターンとなった場合、2枚目のカードを裏返して公開する。

 親は手札の数字が17以上ではない限り、ヒットし続けなければならない。

・手札の数字が親よりも21に近い且つ21以下の者は全員勝利。

・子が複数人いる場合、子同士は争わず、あくまで子vs親の勝負となる。




エリオット「普通はプレイヤー同士で戦うのだが、今回はカジノらしく、親と子に分かれた方式で行う。」

レベロ「なるほど。大体ルールはわかった。」

エリオット「まぁ、お前に負けるわけがないだろうから、気楽に行こう。」


こうしてレベロとエリオットの戦いが始まった。


エリオットはレベロに荒々しくカードを2枚配り、自分の前にカードを2枚置いた。

自分の前に置いた2枚のカードのうち1枚は数字を伏せてある。


レベロの前にはハートの6とスペードの2が置かれた。

エリオットの前に置かれている裏返しのカードには、クラブのQが置かれていた。

数字は10。


レベロ(6と2だから、合計は8。21にするためには最低でも1枚は引かなければならないのか。)


エリオット「どうするレベロ?スタンドするか?」

レベロ「なわけあるか。ヒットだよ。」


レベロはヒットした。エリオットは山札から1枚取り出しレベロに渡した。


配られたカードは、ダイヤの2。

レベロの持ち数字は10となった。


レベロ(これで10になったか。でも21には全然足りない。ここはもう一回ヒットだな。)

レベロ「ヒットだ。」

レベロ(多分ここで5とか6とかが出たらまずい気がする。

 絵札も10とカウントされるということは、一番確率が高いのは10だ。ここで10が出たら20になる。20はかなり勝ちやすい。手札が10になったのはかなりラッキーかもしれない。)


エリオットは山札から1枚取り出しレベロに渡した。


配られたカードは、ハートの4だった。

レベロの持ち数字は14となった。


レベロ(うーん...微妙だな。スタンドするにも小さいし、ヒットするにもリスクが高い。10を引いたら当然ブタ。7以下の数字が出る確率は、13分の7だから、だいたい50%位か。)

レベロは少し考えた。

レベロ(今はおなかが空いてるから、できれば勝ちたいけど、よくよく考えたら別に負けても後でどうせオリバーがこっそり分けてくれるだろうから、別に負けても大した問題はないか。)


レベロ「コールだ。」

エリオット「ほう?」


エリオットは3枚目のカードをレベロに配った。


カードには、クラブの6を表す模様が描かれていた。


オリバー「おぉ6だ!!合計で20!!これは強いぞ!!」

レベロ(よくわからないが、多分またヒットしたらブタになる可能性が極めて高い。ここでスタンドしておいた方がよさそうだ。)


レベロ「よし。スタンドだ。なんとなくわかってきた。」


エリオット「では、俺のターンと行こうか。」



オリバー(20はこのゲームにおいてものすごく強い。親は21を出さない限り勝てない。伏せてある数字がAだったらレベロの即敗北だが、確率は13分の1で、かなり低い。

絵札か10だったら引き分けだ。)


マルコ(エリオットが負ける確率は13分の8、だいたい約61.53%か。

 エリオットはカジノを運営するぐらいだから生粋のプロギャンブラー。いくら対戦相手が自分が差別対象としている者で、自分のプライド上絶対に負けたくない戦いであれ、勝率4割弱で怖気づいたりはしないだろう。)


エリオットは今まで伏せてあった2枚目のカードを公開した。

2枚目のカードは、6だった。合計の数は16。


オリバー(16か。親は17以上になるまで引き続けなければならないからこれはかなり不利だ。)


マルコ(5以上のカードを引くとブタになる。ブタになる確率は13分の9。約69.2%。)

オリバーは一瞬エリオットの顔を見た。

その一瞬だけ、オリバーにはエリオットの口角が上がっているのが見えた。


おかしい。何かがおかしい。オリバーは思った。

なぜ、エリオットは今笑ったのだろうか。


エリオット「17以下なので、もう一枚カードを引くね。」

エリオットはヒットをした。半分以上の確率でブタになる。

レベロは安心していた。



レベロ「!?」

オリバー「は?」


エリオットがヒットしたカードは、

ハートの5だった。


合計で21。ジャスト21で、エリオットの勝利となった。


エリオット「と言うわけで俺の勝利だ。残念、お前に飯はやらん。」


レベロ達は絶望した。

エリオットはそんなレベロを見てニヤリと笑う。


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