表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

第二話 弟子?助手?暗殺者?

 今日は……絶対にのんびりしよう。そう心に誓っていたはずなのに――。

「……トラブルに巻き込まれやすいって、こういうことなんだよね」

 一人でいるときに限って、こういうことが起こる。昨日だって変な言いがかりをつけられて襲われたから、仕方なく首をはねちゃったし。で、今日こそは平和に過ごそうって思ってたのに――これだよ。

「お前、調子乗ってるだろ」

「はぁ……乗ってないし」

 そう、チンピラに絡まれた。

 ちびで幼児体型な私が悪いのかもしれないけど、なんでこんなことになるんだろうね……。でもさ、人のことをろくに見ずに絡んでくると――。

「こうなっちゃうんだよ」

 裏路地に、小さな銃声が響いた。

 隠し持っていた魔導銃・フロストネイルが火を噴いた。

 弾自体は非致死性。殺しはしないけど……少し痛い目は見てもらう。ちょっとだけ、ね。

 相手の顔を見ると、こっちを見てびびってる。そんなに怖かった? ……ま、喋ってくれるならそれでいい。

「ねぇキミ。もしかして、誰かの依頼?」

 首を縦に振る。あら、素直だね。

「もうひとつ質問。キミは私のこと、どこまで知ってる? 名前? 出身地? それとも――職業?」

「……お前がアサシンだってこと。それと……賞金首ってこと。そ、それだけだ」

 びくびくしながらも、ちゃんと答えてくれた。

 もう一度、額にフロストネイルの銃口を向けてみたけど、これ以上の情報はなさそう。

「……ありがとう、色々知れたよ」

 ……実際、あんまり知れなかったけど。

 そもそも、下っ端のチンピラに多くを求めるほうが間違いなんだろうな。

 一人で考えていると、チンピラがこちらへと歩いてきた。おや、なかなか肝が据わってるじゃん。

「……殺さないのかよ、『白雪の亡霊』さんよ」

「ん。殺す価値がないから」

「殺す価値がない……ね。だいぶ下に見られたもんだな」

 苦笑混じりの声が返ってくる。でも、その前にひとつだけ。

「どうして、私が“白雪の亡霊”って呼ばれてることを知ってるの?」

「情報屋の情報だ。お前専属のな」

「へぇ……」

 それ、普通なら入手できないはずなんだけどね。

 私自身が何億も積んで上書きしてもらったトップシークレットだよ? よくそんなの掘り出せたね……。高くついただろうに。

 でもそれよりも、今の問題は――。

「その名前を知ってるってことは、選択肢は二つ。“記憶を消す”か、“キミを消す”か。さて、どうする?」

「……ほかの選択肢は?」

「あると思ってるの?」

 静かに魔術の構築を始める。

 この人、見た目はただのチンピラだけど、中身はそこまで悪くなさそう。……首、はねちゃうの、ちょっとだけ可哀想かも。

 ――これが、私なりの慈悲ってやつ?

「……それなら、ひとつ提案がある」

「なに?」

「弟子……もしくは助手にしてくれ」

 予想外すぎて、ほんの少し驚いた。

 そっち方面の発想、なかったよ……。てっきり記憶消すか拷問するかのルートかと思ってたのに。

「面白い提案。でも、それを受け入れるなら“私の情報を漏らさない”っていう契約が必要だよ。その契約を破ったら、死ぬ。それでもいいの?」

「記憶消されるか、殺されるかって状況なら、そっちのほうがマシだと思ってな。

もちろん、俺が暗殺しかけたことをどう扱うかは、任せるよ……レイン殿」

 ……あー、そこまで知ってるならもういいかな。

 ちょっとだけ、気が楽になった。

 助手かぁ。メリットもあるけど、デメリットもある。真剣に考えないと。

「……わかった。処遇については、少し考えさせて。まぁ、がんばれば私を殺せるかもしれないしね?」

「だったら、暗殺術を教えてほしい。無理にとは言わない。……でも、お願いだ。教えてください」

 そこまで言うんだ……。ちょっと感心してしまった。

「ん、わかった。知ってると思うけど、僕はレイン。“コードネーム・レイン”」

「俺には名前がない。……ずっと“72番”って呼ばれてた」

「ふーん、めんどくさいから今日から“ミルキ”。ね、ミルキ」

「ってことは……」

「うん。今日から僕、レインの助手だよ」

 ……殺すつもりだったのに、すっかりその気がなくなってた。

 いい人すぎるんだよ、ほんと。

「ちなみにさ、ちょっと気になってたんだけど――レイン、お前何歳?」

「ん? 秘密」

 気にしても無駄だよ。僕が16歳だってことくらい、どうせすぐわかるんだから。

 そんなことを思ってると、じーっと見つめてくる視線に気づいた。

「なに……そんなに見て」

「……絶対、俺より年下だよな」

「そりゃそうでしょ。僕、今16歳だよ」

「……は?」

 そんなに驚かなくても。

 ……ていうか、こんな路地裏で話してたら、また誰かに狙われそう。

「もう帰るよ。僕の家に案内してあげるから」

「ま、まぁ……わかった。……16歳か……8つ下って……」

 ちらっと聞こえた。24歳なんだこの人。……よわっ。

 さすがに口には出さなかったけどね。 今日は……絶対にのんびりしよう。そう心に誓っていたはずなのに――。


初めましての人は初めまして、雨宮瑞月です!

前回の続きですが、私の中ではこのルートと依頼をどんどんこなしていくルートの2つを用意しました。

そして行き着いたのは仲間との共闘ルートでした……仲間にした男の子、ちゃんと育ててくれるでしょう(未来の私に託します)

そんな私ですが、また仕事を再開できることにはなったので更新のペースは落ち着いてくれるのかなとは思っています。今の私……1日5本書き上げたりとかしていますので……。

更新のペースおかしいとは思っています!それだけ頭の中で作成できているといえばそうなのですが、一応療養中ですのでね。


私の話は置いて、これからも白雪の亡霊を、雨宮瑞月を応援してくださる方はお願いします!

また続き投稿させていただきます!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ