第6話 魔法
更新が遅れてしまいました。
明日は頑張って更新します。
魔導書を使って、転移魔法を試してみようとしたが、ジニムの魔力反応が薄まっていることに気づいた。
俺の魔力感知は完全ではないが、魔力反応が薄まることにすら気付けない程、不便ではない。
俺がそれに気づくより先に、ジニムが言う。
「そろそろ、私、魔力切れよ、ルリス」
「分かった、使っていいよ」
「よしっ!」
ジニムが魔力の粒子となり、俺へと、吸収される。
そう、収納魔法「吸収空間」だ。
そのままでは、吸収空間に収納できないため、体を魔力の粒子に分解したのだ。安心してほしい、ジニムはいつでも、元の姿に戻れる。
だが、それは、ジニムが”別空間″で生まれたからこそ、できることだ。
勿論、他の生物が行えば、死に至る。
別空間の生物が、他の世界にいる時、体を維持するため、常に微量ながら、魔力を消耗し続けている。
もし、魔力切れとなってしまったら、元の生まれた、空間へと戻ってしまうのだ。そしたら、ジニムを別空間から、召喚しなければならなくなる。
魔力の消耗を防ぐためには、俺がやったように、魔法で、一時的に異空間へ隔離するしかない。
その間、ジニムと、話すこともできるが、精神伝達を使用しなければならないので、しばらくは、話せないだろう。
今のジニムには、精神伝達を使うための魔力も残っていないのだ。
それで、話し相手もいなくなって、暇になったので
転移魔法を、使ってみることにする。
魔法を覚えるため、魔導書の中を見ると、魔法陣がびっしりと描かれている。これに魔力を流し込む。
そうすると、魔導書は消滅してしまったが、俺に、魔力が流れる。ジニムからスキルを授与された時と、同じように。
早速、転移魔法「魔法移動」を使ってみよう。
まずは、移動先を決める。
今回は何処でもいい。遠い場所である程、使う魔力が多くなる。近い所が良い、とりあえず、カウタ平原にでも行ってみることにする。
一瞬にして、移動が完了する。
おっと!
転移した反動で、倒れそうになった。転移魔法に、慣れる必要がある。転移魔法が使えることが、確認できたので、戻ってもいいが、この辺を眺めてから行こう。
今、いるのは、俺がこの世界に転生した時にいた所。
あの時は見れなかったから、じっくり見ておきたい。
イアムはまだ、テムガルア平原に居るだろう。場所は大体分かっているが、イアムに会う気はない。
再会には、まだ早い。会っても、話す事がない。
俺は辺りを眺めた後、ドルムグラ魔導国に戻った。
気づけば、夜になっている。
すると、大勢の人々が逃げている。
魔力感知に強大な、魔力の反応がある。
その先には、剣を携えている。鎧を身につけている、長身の男。顔は鎧で見えない。
その男は、真っ直ぐに此方へ向かってくる。
住民が言った。
「あ、アイツ、カヤムドだ…珍しいスキルをもった奴を殺すのが趣味の…技術殺し、カヤムド!!」
スキルキラー、カヤムド、その名を知らぬ者は少なくない。レアスキルを所有する者を何人も殺している。危険な人物である。
スキルキラー!?
やばいな、俺も逃げないと。
そう思ったが、男はどうやら、俺に用があるらしい。
「貴様、ルリス=リペゼストだな」
「!?」
なんと、カヤムドは俺の名前を知っていた。
◇◇◇
カルボから、報告を受けた、リルテムは、精神伝達を使い、連絡をする。
(総統リルテム、いきなり、精神伝達とは、どうしたのですか?)
(カヤムド、其方は確か、スキルキラーと呼ばれていたよな?)
カヤムドはリルテムの目的を察した。
(はい……情報を頂いても?)
(ああ、今、情報を送る、この者を始末して、もらいたいのだが、どうかね?報酬は金貨50枚だ)
(…報酬など無くとも、受けますよ、この件、私にお任せください)
◇◇◇
さて、どうするか、カヤムドは俺のスキルを知っている可能性があるが、俺は相手のスキルを知らない。
これだけでも、かなり不利な状況だ。
理性がほぼ無い魔物なら、簡単にスキルを使ってくれるが、理性のある相手なら、そうはいかない。
このまま、敵のスキルが分からないのは、不利でしかない。
何とかしてスキルを使わせなければ。
その時、カヤムドが剣を抜いた。
「喰らえ!灯撃斬!!」
斬撃で、周りの建物が倒壊する。
カヤムドが攻撃してきた。
速い、カルボの倍以上の速さだ。それだけではない、この威力は凄まじいものである。
ギリギリ見えた、あと、少し速かったら、魔力で攻撃を相殺するのが、間に合わなかっただろう。
スキルとかの問題じゃない、一刻も早く決着をつけなければ。
「流闇!!」
俺の周りから、流闇が出現し、敵を襲う。
カヤムドは全てを捌くことができず、攻撃を受けるが、それでも、頑なにスキルを使おうとしない。
「何故、スキルを使わない?」
いや、この魔力の感じ。使おうとしない訳ではない。
「貴様、何故、オレがスキルを所有していると、決めつけている……」
そう言い、奴は不敵に笑った。
カヤムドはスキルを所有していない。
この世界の殆どの者は何かしらのスキルを所有しているが、カヤムドは違う。
カヤムドがもっているものは―――
魔力感知は練度によっては、相手が何の魔法を使えるかを把握できます。でも、そこまで、魔力感知の練度が高いのは僅かしかいません。