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無限に続いた転生世界  作者: 立谷蒼
転生開始編
4/9

第3話 遭遇

足音を立てながら、此方へ近づいてくる。

一瞥しただけで分かった、転送連合の連中だと。

コイツは転送連合職員に与えられる、薔薇のペンダントを身に付けているからだ。



背は俺より少し高くて、丸腰だ。

武器も持たずに来るなど、相当な自信があるのだろう。


強い、魔力感知もままならない俺ですら分かる。

ゴブリンとは比べものにならない程の魔力量だ。

これ程の魔力量、幹部クラスなのか?


一体、何の用で来たんだ?


そして、イアムが問う。


「アンタ、何しに来たんだよ?」


「俺はカルボ、イアム=リペゼスト、貴様を連合に連れ戻せとの、命令だ」


「ルリス、先に行ってろ、こいつ、強いぞ。」


やはり、目の前にいるのはただの職員ではないようだ。丁寧に名乗ってくれた。

多分、幹部だ。やばいな、勝てるか分からない。


「無理です!イアムさんを置いて行けませんよ!」


「だから、そんな事言ってる場合じゃ―――」


その時、カルボはかなりの速度でイアムを吹っ飛ばした、威力も凄まじいものだったが、イアムに意識はある。まあ、攻撃を喰らい、動けなくなっているようだったが。


「貴様は後で連行する、次」


そうして、俺の方へと向かって来る。絶体絶命!?

という訳ではない、策はある。

さて、この策が通用するかどうかだ。


実はさっき、魔法を1つだけ紹介し忘れていた。

この魔法は俺のスキルだから使える、俺だけの魔法。


防御魔法「逆転防御」

敵からの攻撃の()()を反転させ、受ける。俺はスキルの特性上、()()()()()()()()()()し、回復することができるのだ。

だがこれは攻撃が正のエネルギーである時しか、通用しない。もし、攻撃が負のエネルギーであった場合、そのまま攻撃が通ってしまうのだ。


しかし、改めて普通に考えてみると、負のエネルギーでの攻撃なんて勇者や魔王クラスしか出来ないだろう。もし、カルボが使えるのなら、かなり衝撃的だ。


だから、何も問題はない。


「逆転防御!!」

と魔法を発動させる。


「防御魔法か、甘いな、その程度の魔法、貫通させてやる!」


と、意気揚々に答えるが、結局、俺に攻撃を吸収されてしまう。


「なっ、何故、攻撃が効かんのだ!?」


奴の攻撃は負のエネルギーへと反転し、俺に吸収される。ノーダメージだ。たった一撃、無効化されただけなのに、カルボは取り乱している。


「お前の攻撃は、俺に吸収されたんだ」


「何!攻撃の吸収だと!?そんなこと、魔王ですら出来る訳が――」


「流闇!!」


闇の刃が出現し、カルボは焦る。

俺は奴の首を刎ねた。

だが、違和感がある。


「分身!?」


それは奴がほんの一瞬で作った分身だったようで、その分身は消滅していく。

逃げられた。何処に行ったのかも分からない。

やはり、強い。

即死しなくとも、致命傷を与える気で攻撃したのに。


「イアム!!」


俺が心配して、駆け寄る、回復魔法を使うことは出来ないが、大丈夫だろうか。


「問題ない」


そう言い、立ち上がり


「やるな、お前、強かったんだな」


と褒めてくれた、イアムが褒めるのは結構珍しいことだ。



         ◇◆◇◆


森の中に、敗走している男がいた。

その男は驚愕していた。


「アイツ、何者だ?」


あともう少し、分身を作るのが遅れていたら、間違いなく殺されていた。油断していた、自分の攻撃が完全に防がれたことなど、今までで一度もなかったのだ。


「魔力の精度がとんでもない訳でも、魔法が凄い訳でもない。なんだ、あのスキルは?」


カルボはルリスのスキルが異常だと分かった。


カルボのスキルは鑑定、見た者に関しての情報を得ることができる。名前、魔力量、スキル、才能などだ。

記憶を読むことはできない。

        

鑑定結果として、スキルは魔力が負のエネルギーに変化するというもの。一度でもルリスの攻撃を喰らってしまうと、それだけで、死に至る可能性さえあるのだ。


これ程のスキルは本来、勇者や魔王クラスが所有するもので、有り得ぬこと。いや、そのクラスでも、一部しか、所有していないようなものだ。

その事実をカルボは受け止めきれない。


「次はこうはいかんぞ、覚えておけ」


       



        ◇◆◇◆



漸く着いた、迷宮(ダンジョン)だ。

構造は想像通りのもので、中央に大扉が取り付けられている。


「行こう」


イアムはそう言って、大扉を開けて、入った。

続けて俺も入る。


中に入ると、奥に水晶があるだけ。だけど、そこからは何か、気配を感じる。


「これに、触れてくれ」


「触れると、どうなります?」


迷宮(ダンジョン)攻略の始まりだ」


準備は出来ている。

それでは早速、触れてみることにする。


触れたと同時に発光し、魔物が出現する。気配の正体はこれだ。薄々分かってはいたが。

10体のゴブリンが出現した、このゴブリン達、妖精に格段に強化されている。攻撃を受けると、重い。

かなりの剛力だ。


だが、俺達の敵ではない。

数秒経たずに屠られてしまった。


迷宮(ダンジョン)にて出現する敵はボスを除いて、妖精が魔力で魔物を生成していて、そこには魂が含まれていない為、生物ではない。なので、心置きなく戦うことができるのだ。


次は5体のオークが出現した。

ここからはなかなか厳しいかもしれない、なんとこのオーク、スキルをもっているのだ。妖精から速度上昇のスキルを与えられており、俊敏な動きをする。

並の実力者なら見えない速さだ。


「このオーク、速いですね」


「いや、私からすれば遅いな、熱傷炎(バーンフレア)!」


これもなんとか倒すことが出来た。

オークを殲滅し、新たな敵が出現する。


「逃げるなら今の内だぞ、ボスだ」


「逃げませんよ」


禍々しい魔力に包まれながら、召喚されたのは、悪魔だった。

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