第5話 魔王種になりましたよ。
魔王種アルハラに進化した。
1週間程で魔王種に進化した私は結構すごいと思っている。
早熟と言うとスキルはあるけれど、頑張った方では無いだろうか。
「おお!アルハラまで進化するとは、過去にもそこまで進化した者はおらんはずじゃ。」
「流石に最下層の魔物はヤバかったけど、何とかここまで来れたわ。」
「少し忠告だが、勇者には気をつけるのじゃぞ。
あれはお前がどれ程進化しても勝てる相手では無い。
擬態も見破られる可能性もある。
出来る事なら会わないようにする事だ。」
この世界には異世界もので有名な勇者様がいらっしゃるのか。
確かに勇者様はどの異世界物語でも規格外の強さを見せている。
そう言えば、気になる事がある。
「ねぇ、この世界に魔王は居るの?」
勇者が居るのであれば、魔王も居そうだが。
「魔王は居ないぞ。
お前が進化を続ければ魔王という事になるかも知れないな。
以前居た魔王は勇者によって討伐された。
お前も派手な振る舞いは控えた方がいいぞ。」
やっぱり魔王は討伐されちゃうのね。
必死で人の姿に近づきたくて魔王種に進化したけど、これからの行動には注意が必要だ。
「じゃあ行くね。」
私は再びダンジョンへ飛び出した。
こうなったらさっさと最終進化まで行ってやる。
そして、その後は…、どうするかはまだ決めてない。
魔王となるのか、それとも擬態で人として生きていくのか。
私は一週間夜ダンジョンに潜ってひたすら経験値稼ぎを行った。
時には瀕死になる事もあった。
それでも何かに取り憑かれたように戦い続けていた。
それは本能に駆り立てられているのかもしれない。
そして、その時は訪れた。
リトラの部屋に転送してくると。
進化が始まった。
種族 アルハラクイーン
名持ち スルカ・サマリス。
性別 メス
年齢 0歳
レベル506
体力 5286743 魔力 7348765 物理攻撃 423765 魔法攻撃力 743698 物理防御 128735
魔法防御 238742 速度 146385 運 282146
スキル
猛毒牙 猛毒霧 猛毒舌 猛毒針 剛腕 堅固 浮遊翼
防御翼 隠密 鋼糸 魔法反射 絶剣 念話 鑑定
魔導の極み
毒魔法レベル10
ポイズンアロー ポイズンスワム ポイズンスラッシュ
デスサイズポイズン
腐蝕魔法レベル10
腐蝕根絶波動 腐蝕大爪剣 腐蝕絶滅眼
炎魔法レベル10
豪炎球 プロミネンスフレア フレアウイング
電撃魔法レベル10
ライトニングボルト ブラックスパーク バーストボルト
氷結魔法レベル10
ダイヤモンドダスト フリーザウォール エンドレスブリザード
水流魔法レベル10
ウォーターブレイク ウォーターヴォルテックス
ウォーターブレイド
暴風魔法レベル10
ウインドブレイド トルネードクラッシュ ウインドスラッシュ
無限再生 斬撃無効 炎無効 貫通攻撃レベル10 完全擬態 貫通無効 状態異常無効 腐蝕耐性レベル3
水耐性レベル2 電撃耐性レベル3 精神異常耐性レベル5
飛翔 超早熟 熱無効 超鉄壁 魔力探知 神眼 魔王覇気
ステータス限界突破 瞬間移動 次元転移 痛覚無効
ステルスインビジブル
斬撃効果アップ 魔法効果アップ
称号
魔王の無限華 毒舌の転生者 知性の宝玉 猛毒の狩人 リトラとの絆 無謀の先駆者 激毒の死神 欲望の亡者
強欲の探求者
「ホホホ、最終進化しおったの!」
私の姿はより人間と言うか、天使に近づいた気がする。
蒼白の長い髪、整った顔立ちと青い瞳に白い肌。
羽衣を纏った姿に抜群のスタイル。
背中の翼は4枚になった。
「やったわ!
この達成感!
堪らない!」
「ホホホ、そりゃそうじゃろうな。
進化への欲求は本能的な現象じゃ。」
掻き立てられる想いは本能によるもの。
それを自分で自覚するのは難しいが言われてそうだと納得ができる。
「そう言えばレベルって最高どれくらいまで上がるの?」
「通常は999までじゃが、ステータス限界突破のスキルで上限はわからんよ。」
限界が無いのであればまだまだ未知の力が私には隠れている可能性もある訳だ。
それを考えるとドキドキしてくる。
「いろいろありがとう。
また来るね。」
そう言うと私はドアを開けてダンジョンへと足を踏み入れた。
レベルを上げるに至って沢山のドロップアイテムもゲットしたし、それを売ればかなりの金額が手に入りそうだ。
今の時点でこのダンジョンで私に敵う者は現れない。
出口に向かうついでに何体かの魔物を倒しつつ外に出た。
外に出るとアリアーナの姿に擬態して宿屋に戻った。
さあ、この先どんな生き方をするのか考えて行かなくてはならない。
その為にも情報を集めよう。
アリアーナの記憶も辿ってエルフの国や街にも行ってみたい。
次の朝、早速冒険者ギルドに向かった。
掲示板にはいろいろなクエストが貼ってある。
先ずは私が関連しているようなクエストが無いか確認する。
討伐対象にされているといろいろ面倒そうだ。
だが、その様なクエストは見当たらない。
少し安心した。
「よお!アリアーナ。」
私の背後から男性が声をかけて来た。
「ジャック。
おはよう。」
彼は人間族のジャック。
アリアーナの記憶によると何度かクエストに同行している。
悪いやつでは無いが、女癖は悪いらしい。
「クエスト探してんのか?」
「ええ、討伐クエストでも行こうかと思ってね。」
見ているとドラゴンの討伐クエストがある。
Dランクから受注可能と書いてある。
その張り紙を手に取るとジャックに見せた。
「これ行かない?」
ジャックは紙を手にすると内容を読んでいる。
「2人じゃキツイな。
他も魔法使いや前衛の剣士やらがいるな。
当てはあるのか?」
「無いよ。
探して来てよ。」
「はあ?俺が探すのかよ。」
「え?そうよ。」
不服そうな顔をしていたが仕方ないとばかりに冒険者に声をかけている。
私はクエストの内容を再度確認する。
クエストはワイバーンの討伐。
町を襲ったり家畜や畑、街道の馬車にも被害が出ていて緊急性が高い。
人間の冒険者がどんな風に魔物と戦うのか見るのも楽しみだ。
ジャックは2人の冒険者を連れて来た。
「おい!連れて来たぜ。」
「え?あ、そう。
ありがとう。」
「何だよ、折角連れて来たのにそっけない態度わよ!」
「ごめんごめん。
ありがとうね。」
ここでジャックの機嫌を損ねても面倒なので、愛想笑いはしておこう。
ジャックが連れてきた2人は魔法使いのビビと言う女性と剣士のマグナと言う男性冒険者だ。
「ワイバーンの討伐だけど、大丈夫?」
2人はそこそこ腕には自信があるようだ。
特に問題なく一緒に行くことを快諾してくれた。