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第48話 幻魔皇帝編 臨戦

「ここからは私が説明させて頂きます。」

私の言葉に円卓に座る王達の視線と側近達の視線が私に集中している。

さて、ここからどう話を持っていくべきか。

側近の何人かは得体の知れない刺客である事は疑いようが無い。

奴らは下手に拘束しようとすると自爆する前例がある。

私やロディアスは問題ないとしても各国の王達は無事では済まない可能性もある。

だが、この状況から話を逸らすのも無理がある。


「私はユスティティアと申します。

サマラン国王とドワーフ国王とは初めてお会いすると思います。

今は英雄学園で優秀な生徒達に魔法や剣術に体術などを教えています。

まあ、私の事はこれくらいにして本題に入ります。

先日、学園に不審な者が現れました。

私以外のほぼ全員に精神支配系の魔法のようなもので記憶を改竄し、さも数年前から教師として働いていたかのように装う事が出来る力を持っていました。

その者を取られようとしましたが、自爆してしまったのです。」

これは一つの賭けだ。

この話をして側近や勇者パーティの1人になりすましている者達がどう動くか。


「ユスティティア殿と言ったな。

その自爆した者は何か語らなかったのか?

それだけの情報で敵と見做すのは無理がないか?」

口火を切ったのはサマラン国王だ。


「敵かどうかはその時点では不明でしたが、私以外に精神支配を試みている事と私が気付いたら時に攻撃された事で敵と見做しました。」


「なるほど。

ユスティティア殿に攻撃したとあれば、我が国はその者の存在を敵とするべきかと思う。」

獣人族の王が立ち上がって力強く答えた。


「ユスティティア殿。

その後学園の者達はその者の存在の記憶はないのか?」


「それについてはおっしゃる通りです。

覚えていませんでした。

原理的な詳細についてはわかりませんが、私が確認したところ、その者が腕に付けていた装置が爆発して破壊された事で精神支配は無くなったようです。」

私の話す内容に皆騒ついている。


「勇者ロディアス殿はどう思われるか?」

この会議の主催者とも言うべきエルフの王がロディアスに話しかけた。


「俺は、回りくどいのは苦手だ。

お前とお前とお前と、それにそこのお前とお前と、そして、俺の前に突然現れたカイルと名乗ったお前。

ユスティティアが言う得体の知れない男の仲間だな!

何を企んでいるか話してもらおうか。」

ロディアスは頗る素直だけに我慢できなかったのだろう。

怪しい者達を次から次へと指差して名指ししていった。


「ロディアス?

何を言ってるの?」

立ち上がって話すロディアスにアリスが不思議そうにしている。

「アリス。

カイルと名乗るその男は突然現れた。

お前達が記憶改竄をされているようなので、様子を見ていたのだ。

しかし、断じてその男は俺達の仲間では無い。

共に旅もしていないし、喜びも苦しみも分け合っていない。」

真っ直ぐな強いロディアスの主張にアリス達は戸惑いを隠せない表情である。


「アリス。

ロディアスの言う事は本当よ。

私もロディアスも精神支配や記憶改竄は無効化される。

ロディアスが指摘した通り、各国の王達に側近として就いている者の中にもいるのよ。」

指摘された者達を話しながら注視していたが何故か動揺を見せていない。

これだけ確実に指摘されればある程度態度に出そうなのだが、彼等は平然としている。


「まあ、わかりました。

ここは話し合いといきませんか?」

カインと名乗った男が話し始めた。

悪びれた様子もなく、ただ淡々と話しながら一歩前に出ている。

話し合いに持って来る事で何らかのメリットがあるのか。

世界の王達が集まる事すらも予測のうちで、あちら側にしてみれば手間が省けた形になってしまったのかもしれない。


「良いだろう。話を聞こう。」

勇者ロディアスは鋭い眼光で睨みを効かしながら答えた。


「それでは、我々の王である幻魔皇帝陛下より、この世界に住む者たちにお言葉である。

偉大なる幻魔皇帝陛下はこの世界を植民地にされる事を望んで居られる。

今より1ヶ月後にこの様な席を設けて幻魔皇帝陛下への忠誠を違う場を設けてもらう。

その時には陛下の忠臣にして最強の戦士がお前達の言葉を聞くことになる。

それまでに返答をまとめておく事だな。

もし、反抗する様であれば、この世界は破壊するとの幻魔皇帝陛下のお言葉だ。

心して返答されよ。」

勝ち誇ったような表情には苛立ちすら覚えている。

だが、十分な時間は稼げた。

「話は終わったかしら?

随分と言いたい事を言っていたけれど、そんな一方的な発言をこの私が容認するとでも思った?」

その瞬間、男達6人を鋼糸でぐるぐる巻きにして拘束した。

「ぐぅぁ」

私の鋼糸は並の方法では解除や切り裂く事は不可能。


そして、例の如く。

「幻魔皇帝陛下万歳!」

と叫んだが。

何も起こらない。

「ど、どうして自爆しない!」

男達は焦った声で叫んだ。


「ああ、無効化したわ。

貴方が口上を述べている時間で十分解析出来たわよ。

私に爆発を目の前で見せたのは失敗だったわね。

あの時、爆発に使われている物質を2種類感知していたのよ。

物質さえ鑑定出来れば、その腕の装置内に仕込んである爆発物質を無効化するのは造作もない事。

それと毒も仕込まれていたけど、毒は私の得意分野なのよ。

それも無効化したわ。

さて、じっくりと聞かせてもらおうかしら。

幻魔皇帝陛下とあなた達がお慕い申し上げている輩についてね。」

6人の男達は拘束したまま王達に引き渡した。

これから拷問なり、尋問なりしてこの者たちの目的も判明するはずである。

自爆を考えている者達なので自白するかは怪しいが、段取りとして王達に委ねる事にした。

もし、答えない時は精神支配なり、僕にするなり、手はある。

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