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第37話 動き出す闇の組織

初日の教師生活が終わり自宅へ帰るとゼロが戻って来ていた。

シャワーを浴びてリビングに行き、ソファに座るとゼロが私の前に跪いた。

「ご主人様。闇の組織に動きがありました。

レントを見張りとして付けていますが、各地で組織の人間と思われる者達が活発に動き始めて連絡を取り合ったりしております。

何らかの行動に出る準備では無いかと推測いたします。」

これだけの大規模な行動があると言うことは何か大きなイベントがあるのかも知れない。

それか何かのカモフラージュなのか、どちらにせよ警戒は必要だ。

やっと闇の組織が明確な動きを見せ始めるとは、ちょっと面白いことになって来そうな予感がする。

「レレ、ルル。

あなた達も組織の人間と思われる者達を監視。

ゼロの指示に従って行動して。」

瞬間移動でレレとルルは私の目の前に現れると跪いた。

「レレ姉様。私達にもまたご主人様からのお仕事が貰えそうです。」

「ルル。ご主人様はゼロ兄様だけでは不安なのよ。」

「レレ姉様。やはり私達が居ないとダメなんですね。」

「ルル。そう言うことなの。」

2人はお互いに見合って、多分だけど楽しそうに話をしている。

本当に可愛い子達だ。

「レレ、ルル。お願いね。」


「御意。」


「ご主人様。この街にも不穏な気配があります。

あらゆる場所で気配が拡散しております故、お気をつけください。」

3人は消えていなくなった。

同時多発的に何かやるつもりなのかもしれない。

だとすると、学園が狙われる可能性もあると言うこと。


私の探索能力であれば異変に気が付かないと言うことは考えられないが、警戒はしておいた方がいいだろう。


そんな報告を受けてから警戒をしながら一週間が過ぎた。

特に何にも無く平和な日常が繰り返された。

学園での先生業務も慣れて来て生徒達とも仲良くなって来て学園で楽しく仕事をしている。

週の初め学園の職員室で授業の準備をしていると。

「ユスティティア先生。

生徒達とも仲良くやってらっしゃるようですね。」

学園長レバートンさんが話しかけて来た。


「そうですね。皆いい子達で可愛らしいですね。」


教室に入って授業を始めると外から不穏な魔力が近づいて来るのを感じ取った。

「……。何か来るわね。」

生徒達は気がついていない様だ。

かなり大きな魔力。

幸い教室の生徒達は魔法理論の構築で術式の書写中。


「皆んなちょっとそのまま書写を続けてて。」


「先生。どうしたんですか?」

委員長のマリーナは察しが良い。

私の異変に気がついた様だ。


「マリーナさん。ちょっと良い?」

私の側に呼び寄せて耳打ちで『あまり良く無い気配の魔力がこちらに近づいてるの。もし、何かあったらあなたが主導して教室から避難。魔法演習場に移動して。あそこなら大抵な事は大丈夫だと思うから。』と告げた。


「……、先生。」

不安そうなマリーナに私は安心させるために微笑んで見せた。


のんびりともしてられない。

校舎からグラウンド出ると真っ直ぐこの場所に凄い速さで何か来る。

そして、グラウンドに大きくて黒い塊が地響きを立てて着陸した。

「おいおいおい、もう少し静かに降りられないかなぁ〜気づかれちゃうだろう。」

大きな黒い物体は魔獣の様で背中に人間が乗っている。


『ご主人様。各地で魔獣が暴れています。』

ゼロが思念を飛ばして来た。

『その様ね。ゼロ。レレやルル、レントと共に魔獣殲滅。

任せたわよ。』


『御意。』

こちらもゴリラの様な形で全身から赤い炎を纏い、大きさはドラゴン位はあるだろうか、強力な魔獣である事は間違いない。


「派手な登場ね。。入学希望者では無さそうね。」

着地の衝撃で校舎の窓から生徒達が覗いて騒ぎになっている。


「ん?何だ女!俺たちの気配に気がつくとはただ者では無いな。」

背中に乗っている男は歳の頃は20代前半くらいだろうか、赤い髪に全身軽装の鎧を身につけている。

剣を持っていない所を見ると格闘を得意とするのかもしれない。


「ガラリアント・ピトス。

世界の闇を支配する者と関わり合いのある人よね?」

男はわたしを見てニヤニヤしている。


「お前もしかして、俺たちの邪魔をしている奴の仲間か?

ひ弱そうな女だからと言って手加減はせんぞ。

俺は四死天が一人、呪殺のサジュレマ。」

異名から推測すると呪いを得意としているのだろう。

だが、私には通用しない。


「何が目的なのかしら?

でも、残念ね。

私が相手なんて、あなたついてないわよ。」

黒いゴリラは口から高エネルギーの魔法を発動した。

魔法発動までの時間は数秒。

咄嗟に羽を飛ばして防御壁を作った。

かなりの出力の火炎放射だ。

羽もいつまで持ち堪えられるかわからない。

「やるじゃないか。こいつの火炎を受け止めたのはお前が初めてだぞ。」


「ドラ。生徒達を守って。」


「わかった。任せときい。」

私の肩から翼を羽ばたかせて校舎の方へ飛んでいく。


私は周囲に羽を展開。

黒いゴリラに羽を飛ばして攻撃するも、兎に角素早い動きで交わされてしまう。

サジュレマと黒いゴリラの同時攻撃を防ぎつつ、魔法を繰り出す。

生徒達に被害が及ばない様に校舎側には羽の防御壁を展開。

黒いゴリラには炎系の魔法は無効化される。

サジュレマも素早く捉えきれない。

黒いゴリラは火球やブレスを飛ばしてくるが、私には効果がない。

黒いゴリラも私の炎は交わさず手で払い除けたり身体で受け止めている。

「バカか!炎は効かないのがわからないのか?」

黒いゴリラの横で高笑いのサジュレマ。

しかし。

「そうかしら。」

その瞬間、黒いゴリラは力無く倒れ込んだ。

「な!おい!何してる!」

突然倒れた黒いゴリラはピクリとも動かない。

そして、サジュレマも。

「グゥホ!」

口から血を吐いて地面に全身倒れ込んだ。

「な、なんだ?」

必死に立ちあがろうとするが身体が思う様に動かない。


「ふふふ、只の炎じゃ無いのよ。

私の炎には猛毒が含まれてるの。

攻撃を受けたり、近くにいるだけでも毒の影響を受けてしまうのよ。

まあ、即死毒は仕込んで無いから、まだ死なないわよ。

闇の組織の事を聞かないといけないしね。」


「ハハハ、道連れだ!」

サジュレマはそう叫ぶと魔力を高めた。

しかし、何も起こらない。


「な!なぜだ!」


「ああ、呪術を発動しようと思ったのかしら?

それは出来ないわよ。

だって、あなた呪殺のって名乗ったでしょ。

追い込まれたら呪術使うと思って、戦闘中にあなたの呪術に関する魔力経路を破壊させて貰ったわ。

だから、呪術は発動しないわよ。」

私の神魔降伏眼の前ではその程度の事は造作もない事だ。


「バカな!お許しを〜!ミカルドス様〜!」

魔力が膨大に膨れ上がっている。

これは不味い!

その瞬間、サジュレマは魔力を爆発させた。

瞬間的にサジュレマの周りを羽でドーム型に包み込んで爆発を最小限の被害に抑えようとした。

爆発は防げたが、グラウンドに大きな穴が出来た。




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