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第36話 先生って響きは良いですね。

教師としての経験は無いのだが、女教師と言うワードには興味があって、セクシーなイメージの先生を作ってみたいと思っている。

服装はやはり白いシャツに胸元は谷間が見えるか見えないか際どい開き具合で、少しミニなタイトスカートを履く。

白くて綺麗な脚を見せてヒールを履けばセクシーな女教師の出来上がりだ。

一限目の授業が始まるチャイムが鳴り、私は教室に入っていく。

クラスの生徒は何処となく元気がない。

私の姿を見てクラスの委員長であるマリーナ・ユスイルが立ち上がる。

「起立。」

皆立ち上がる。

「礼。

よろしくお願いします。」

よく教育されている。

皆元気のいい声でしっかりと礼儀正しい。


「先生。

先生が言われていた答えを皆んなで考えました。」

クラス委員長のマリーナが手を挙げて発言して、それを聞いて私は教壇に名簿と教科書を置いた。

「どうだった?答えは出た?」

皆不安そうな顔をしている。

いい答えには辿り着けなかったようだ。


「先生。

残念ながら意見を纏められませんでした。

ヒントを頂けないでしょうか?」

問題に対して可能な限り対応を諦めないのは良いことだ。


「ヒントね。

良いわよ。

その代わり何を私に対価として支払う?」

何事にも対価が発生するのは世の慣わしだ。

それも伝えていきたい。


「対価って何ですか?」


「そうね。

例えば、ヒントをもらう代わりにお仕事をするとかね。」


「わかりました。皆んなで校庭の掃除をやります。」

委員長の言葉にクラスメイト達は複雑な表情だ。


「皆んなそれで良いのかしら?」


「はい。」

返事は元気があって良いのよね。


「わかったわ。

ヒントは勇者の英雄譚の中にあるわよ。

読んでみなさい。

それに授業の中にもヒントを入れていくわよ。

帰りの会までに答えを出す事。

それでは、授業を始めるわね。」

授業は基本的な雑学と言語習得、剣術や体術、魔法講義や実践と言った内容のものを日々こなしていく。

基本的には担任が受け持ち、専門的な内容は専門の教師が授業を行う。


「さて、これから先生が教えていくのは魔法に関する講義と実践、それと基本的な言語や雑学と剣術や体術なんかも教えていくわ。

今からの時間は魔法に関する講義よ。」


「先生。魔法の実践って言うけど。

先生自体はどれくらい魔法使えるんですか?」

活気盛んな男子が手を挙げて率直な意見だね。

学ぶ相手の実力が無いと学ぶ気にはなれないと言うことかしら?


「まあまあ、そう急がないのよ。

前の学期でも魔法については勉強して来たと思うけど、人間が使える魔法は精霊契約魔法だと言う事は知ってるわよね?

さて、この精霊契約魔法の欠点は何でしょう?

わかる人居るかな?」


「先生。欠点ってどう言う意味ですか?」

前の席の女の子が手を挙げた。


「そうね、精霊契約魔法を使う時は詠唱を必要とするでしょう。

そうすると魔法発動までに時間がかかる。

その分敵に狙われる隙が出来てしまう。

これも一つの欠点とは言えないかしら?」


「先生。俺は無詠唱で魔法使えますよ。」


「それは凄いわね。

どれくらい無詠唱で魔法使えるのかしら?

手を挙げてみて。」

手を挙げてもらうと3人ほど無詠唱で魔法を発動出来るようだ。

これは凄いことだ。

さすがは1組と言ったところだろうか。


何を兎も角言うよりも実際に見て感じた方が分かり易い。

魔法演習場に生徒達を連れて来た。

使用は自由でいつでも使える。

「さあ、論より証拠。

欠点を確認して見ましょう。」

詠唱による魔法はやはり皆んな発動までに数秒はかかる。

実際に使ってみるとその時間を認識できるようで、生徒達は何とか早く詠唱出来ないかトライするものもいる。

良い兆候だ。

無詠唱で発動するものは一瞬で魔法を繰り出せる。

それを見た詠唱組はその違いに落胆を隠せない。


「はい、そこまでよ。

どうだった?実際に使ってみると良さや悪さがわかるでしょう。

私は詠唱が一概に悪いとは思わないわよ。

何せ、呪文みたいでかっこいいしね。」

シャスベル・レクセス、マリーナ・ユスイル、ピーター・マクベリアスの3人は魔法、剣術、体術と今日一日見て気付いたが器用でセンスがある。


夕方帰りの会になり教室に行くと生徒達の顔つきは朝とは違って凛々しくなり、充実した一日を過ごした事が伝わってくる。


「さて、朝の問題の答えは出たかしら?」


「はい。先生。

私はわかったと思います。」

手を挙げたのはクラス委員長のマリーナだ。


「皆んなで話したの?」


「やっぱり意見が纏まらなくて。」


「マリーナさん。耳打ちして聞かせてくれるかしら?」

私の所に歩いてくるとマリーナは耳元で『例えどんなに優秀でも一人で出来ることには限界があるからです。

勇者も一人ではなし得なかった。

沢山の人達や仲間の力があって勇者と呼ばれる存在になるのだと思います。』


「マリーナさん。正解よ。

流石はクラス委員長ね。

まあ、クラス委員長だからこそ出せた答えとも言えるわね。」


「やった!」

その場でマリーナは可愛らしく飛び跳ねて喜んでいる。

クラスメイト全員にマリーナから正解の解説をさせた。

納得がいっている者もいれば、そうでも無い者もいる。

予想通りの展開だ。


帰りの会も終わって職員室の席に戻ると、職員室のドアが開いて数人の女子生徒が私の所に駆け寄ってくる。

「先生。私達放課後に魔法演習場を使って魔法の訓練をしたいんですけど立ち会って貰えませんか?」

生徒が魔法演習場を使う時は先生が付く決まりになっている。

「ええ、良いわよ。」

演習場には他の生徒と先生も魔法の練習に来ている。

広い構内なので、沢山の人数でも対応可能だ。

「先生。無詠唱を習得するにはどうしたら良いですか?」


「無詠唱ね。兎に角詠唱時間を短く出来るように練習する事ね。

経験に応じて即詠唱と言うスキルを獲得できれば無詠唱スキルも習得可能よ。」

生徒は目を輝かせて私の話を聞いている。

なんとも可愛らしい。


「先生は無詠唱で魔法を使えるんですか?」


「先生はね、精霊契約魔法は使わないのよ。

自己起動型の魔法だから詠唱を必要としないのよ。」

精霊契約魔法は詠唱により精霊から力を借りて魔法を発動する。

私の場合は自分の魔力で魔法を使っているから詠唱自体必要ない。


「え?詠唱無しで魔法使う方法があるんですか?」


「まあ、先生は人間族では無いからね。

出来るのよ。

人間族は精霊から力を貸りないと魔力を具現化出来ないでしょ。

先生は神魔族だから自分自身で魔力を持ってるのよ。

だから、自分で魔法を具現化出来るの。

まあ、ドラゴンとかと同じね。」


「そうなんですね。

神魔族なんて聞いたことないですけど。

凄いですね。」

この年代の子ども達、15歳くらいの女の子は特に素直で可愛らしい。

見ているだけで、心が穏やかになれる。

こうして、私の教師一日目は終わりを迎えた。


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