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第35話 白い天使様は学園の教師となる

英雄学園の校長レバートンが私の実力を見たいと言うので、学校の地下にある魔法演習場という広大なスペースにやって来た。

壁面にはかなり強力な魔法無効化処理された壁と耐震構造になっていて魔法を気兼ねなく使える。

「ユスティティア殿。

ドラゴンを使役されている事からも相当の実力者ではあると察しております。

しかしながら、我が校には優秀な先生は沢山おりますので、是非先生方とお手合わせして頂き、この学校の教師として相応しいかを皆と共に判断させていただきたい。」


「ええ、全然問題ないですよ。

時間が勿体無いですので、纏めて全員でお願いします。」

という事で、私の発言にイライラしている先生方全員、総勢30人ほどと対戦する事となった。


「本当に宜しいのですね?」

校長が険しい顔で私を見ている。


「ええ、どうぞ。」

私には何の問題もない。

ここの先生のレベルは確かに優秀だし、並の冒険者なら敵わないだろう。

でも、私の敵にもならない。


勝敗は一瞬で終わりを迎える。

私の『神魔降伏眼』は、相手の魔力操作を無効化し、その魔力すらも吸収する事もできる。

そして、自分より魔力が低い相手なら強力な魔力波動を飛ばして気絶させる事や強くすれば殺してしまう事も可能だ。

全員、何もする事も無く気絶してその場に倒れてしまった。


「私が生徒達に教えられる事があるとすれば、それは死への恐怖と立ち向かう為の覚悟でしょうか。」

校長は腰を抜かしてその場に尻餅をついて倒れてしまった。


勿論、校長から是非にとお願いされた。

学園は将来国や世界を守る為の人材育成なので、覚悟を持って入学している生徒ばかりらしい。

私が受け持つクラスは今年入学した一年生で3年間学ぶそうだ。

一年1組の担任で、1組は特に優秀な生徒が揃っている。

クラスは全部で4クラス。

期間ごとに試験を実施して優秀な者は1組へ、優秀でない者は2組以降へ移動となるサバイバルな面もある。


その試験を終えて、今日から新学期だったらしく、絶妙なタイミングで来たらしい。

校長に案内されて教室に向かう。

教室の前に到着すると、「ユスティティア先生。ちょっとここでお待ちください。」

と言って、校長だけ部屋に入って行った。


教室の中では。

「起立!」

生徒が号令を挙げると全員が立ち上がった。

「礼!おはようございます。」

「おはようございます。」

皆の元気な声が教室に響き渡る。


「はい。皆さんおはようございます。」

校長の挨拶と共に全員が席に座る。

「先ずは、皆さん試験ご苦労様でした。

今日から新しく新学期ですね。

皆さん不思議に思っていると思いますが、今日は新任の担任の先生を紹介する為に私が教室で挨拶をさせて貰いました。

それでは、紹介しますね。

ユスティティア先生よろしくお願いします。。」


そう呼ばれたので、私は教室に入っていく。

クラスの生徒は20人位で皆制服を着ていて可愛らしい。

男子と女子の比率は半々。

教壇に名簿を置くと。

「それでは、後はお任せします。」

そう言って校長は教室を出て行った。


「おはよう。」


「おはようございます。」

元気な声が心地いい。

「今日からこのクラスの担任になったユスティティアよ。

よろしくね。」

皆んな私が思ったより若くて幼く見えるので何と無く戸惑っているようにも見える。

それと何より肩に乗っかっているドラゴンに視線は集中している。

しかし、何人かの生徒は使役したドラゴンを私と同じように肩に乗せている。


「先生。凄く若いと思うですけど、何歳ですか?」

1人の男子生徒が手を挙げて質問をしてきた。

思春期の男子には目の毒とも言える私の可愛らしさに質問をせずにはいられなかったか。

「え〜と、ロット・アルギスくんね。

私は20歳よ。

君達とそんなに年齢変わらないわね。」


「先生!めっちゃ美人で可愛い!」

「めっちゃ可愛いよね。」

女の子達は口火を切って話し始める。


「ほらほら、静かにして。

今から大事な話をするわよ。」

私の言葉に女の子達は静かに話を聞く体制になった。


「今日からあなた達にいろいろ教えて行くんだけど、君たちが何故この場所に学びに来たのか知りたいのよね。

ここに来たという事は、将来国の為や世界の為にその身を尽くす覚悟があるって事よね?

誰か代表して答えられる人は居るかな?」

皆真剣な目はしている。

「さあ、君?名前はシャスベル・レクセス君。」

その中でも一際強い魔力を放っている男の子を私は指差した。

ゆっくりと立ち上がって。

「勇者ロディアスのように世界を救う人になりたいとは思ってるよ。」

なるほど、態度も大きく自分に自信があるのね。


「世界を救う人になりたいのね。

残念ながら、君には無理かな。」

私の発言に教室内の生徒達の空気感がピリッとしたものに変わる。


「先生!どうして無理なんですか?」

前の方の席の女の子が手を挙げて発言した。


「えっと、ナディア・バークレスさんね。

簡単よ。

勇者ロディアスであっても世界を救うのは簡単ではないからよ。」


「勇者ロディアスは魔王を倒したんだぞ!

世界を救っただろうが!」

シャスベルは立ち上がって大声で怒鳴っている。


「私の言った意味がわからない内は誰であっても世界は救えないわ。

恐らくロディアスも同じ事を言うと思うけどね。

さあ、ホームルームはお仕舞いよ。

次の授業までに私の言った意味を考えておいてね。

聞くからね。

答えがわからない人は2組に落としますから、そのつもりで。」

生徒達はざわめいた。


「ちょっと待てよ!何だそれ!」

何人かの男子は立ち上がって猛反発。


「そうね〜、救済処置としてクラス全員で考えてもいいわよ。」

そう言うと私は教室を出て職員室に向かった。


「なあ、ご主人。

ちょっとあのガキらには難しいんちゃうか?」


「良いのよ。答えを導き出す事が重要なのよ。

そして、リスクを背負う事も人を強くするしね。」


「さすが、わしのご主人やわ。」

職員室に入ると私の席が用意されていて、机の上には教科書や問題集、それと様々な書類が置かれていた。


「ユスティティア先生。

私は学園主任のイストール・マクラインと言います。

机の上の書類に目を通しておいてくださいね。

わからない事は私にお尋ねください。」

座っている私の席の隣に年配の男性が声をかけて来た。

「はい。ありがとうございます。」

かなりの数の先生が職員室には居て、私と対峙した先生以外にも沢山居るのだと驚いた。

中にはかなりの魔力を持つものもいる。


「ユスティティア先生。

私はユーリ・マカマリアンと言います。

よろしくお願いしますね。

肩に乗せているドラゴンは何と言うお名前何ですか?」

隣の席に座っている女性の先生が微笑んで話しかけてきた。


「ユスティティアです。

よろしくお願いします。

この子はドラと言います。

ドラ。挨拶して。」


「しゃぁないなぁ〜、ドラいいますねん。

よろしゅう頼んます。」


「え?知性を持つドラゴンなんですか?」

ドラが話したことにより職員室の先生達が私の周りに集まって来てドラを珍しそうに話しかけたりと大騒ぎになってしまった。

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