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第29話 白い天使様は獣人族の神となる。

宰相が処刑されてミュウの嫌疑も晴らされた。

一件落着だが、私に取ってはそう簡単な話ではない事が残っている。

他の誰かに買われて屈辱的に生きていくよりは私が育てようと考えていたミュウの事である。

買うのに5000万ギルと言う大金を使っている。

白い天使としてミュウを連れて王宮を訪ねていた。

王との謁見をするためだ。

獣人族の王であるマクベスは義理堅く情に熱い男で国民からも多くの支持を得ている。

そんな国王と会う為に王宮にやって来た。

謁見の間では無く、別の個室を用意させた。

その部屋に私とミュウ、そして国王の3人での密談がなされようとしている。


「さて、国王よ。

ミュウの嫌疑も晴らされた。

あなたとしてはミュウを解放して欲しいと思っているでしょうね?」


「勿論だ。

もう奴隷として扱われる事も無くなった。

返してもらう事は出来るだろうか?」

私に対して国王は座っていた椅子から立ち上がると深く頭を下げた。

「父上。」

その姿にミュウも申し訳なさそうに俯いている。

まだ、ミュウには隷属の首輪が付けられていて、私の奴隷である事実がある。


「返すのは問題無いけど。

タダでと言う訳にはいかない。」


「わかっている。

娘を形は違えど助けて貰った。

その恩には報いたい。」

深々と頭を下げられては無碍にもできない。

国王もいろいろあって苦しい思いをしたのだろう。


ミュウに付けられている隷属の首輪と私の主人の指輪を腐蝕魔法で消滅させた。

「これであなたは自由よ。」

首から無くなった事を確認するかのようにミュウは自分で確かめている。

そして、ミュウも深く頭を下げた。

「ありがとうございます。」


「良いのよ。これからは親孝行に励みなさい。

散々心配掛けたんだからね。」


「はい。親孝行に励みます。」

良い顔をしている。

この数週間で心も体も成長したのでは無いだろうか。

一度苦しみを知った者は人の苦しみを知る事が出来るはず。

この学びがこの国を良い方向に導く事を願うばかりだ。

「白い天使よ。名を聞かせてくれぬか?」


「ああ、そうだったわね。

私の名は、ユスティティア。

それで、ミュウは解放したわ。

私の行動にどう報いるのかしら?」

必ず何かを得たらそれには対価が発生する。

特に大した事は望んでいないが、獣人族の王がどんな事を考えているのか知りたかった。


「我が王家であなたの事を神として崇める事を誓う。

その背中の羽を一枚貰えないだろうか?

それを後世にも伝えて崇める事とする。

これで如何だろうか?」

なるほど、面白い申し出だ。


「王よ。その言葉に偽りは無いな?

ならば、我の前に跪くが良い。」

一度こう言うセリフを言ってみたかったんだよね。

マクベスとミュウは私の前に跪いた。

羽を渡すのも良いが、ここは神格化を象徴する方がそれっぽいなぁ。


と言う事で、羽を武器にして渡せばかっこいい。

やっぱり剣だよね。

獣人族は剣を使わないかも知れないけど、それだけに信憑性が増しそうだし。

羽を一枚手に乗せると、武器に変化させる。

「王よ。我が羽を渡す。

もしこの国が危機に陥った時、この武器を手に持ち我に助けを求めれば、直ぐに駆けつける。

『ウイニングブレード』と名付ける。

受け取れ。」

その剣は全体が白く光り輝き、蒼き空をイメージした蒼白の鞘と柄、刀身は白くもあり、向こう側が助けるかのような透明感、鍔には羽が生えた様な仕様にした。

剣としても業物の名刀と言っても過言では無い仕上がりだ。


ふわりと宙に浮いてマクベスの目の前まで行くと両手で受け取った。

「ユスティティアよ。この剣は代々大事する事を誓う。

そして、娘を救ってくれた事に感謝する。」


「さて、私は行くね。

堅苦しいの苦手だからね。

まあ、2人とも仲良くやりなさいよ。

その剣を通じていつでも見てるからね。

じゃあね。」

私は瞬間移動で2人の前から消えていなくなった。

その後、マクベスは義理堅く私の剣のために部屋を作り飾って毎朝礼拝をしているらしい。

それで私には不思議な事に経験値が入ってくる。

どう言うシステムなのか不明だが、私の成長を助ける効果があったようだ。


獣人族の国にも猫耳の分体を10人置いていく。

この国がまだ不安定という事もあるが、猫耳の分体なんて凄く可愛いでは無いか。

私のお気に入りの分体になった。


「ゼロ。レレ、ルル。」

宿屋の部屋でゼロ達を呼び寄せた。

「ご主人様。闇の組織に関する情報を得ました。

宰相ラスナンの部下が1人逃走を図ったという事で、私が捕えました。

その者が闇の組織と繋がっておりまして、今回の騒動も闇の組織からの司令があったようです。

裏で宰相に進言を繰り返していた事を白状しました。

そして、組織の拠点が竜人族の国の王都ドラテスターにある事が分かりました。

それとこの国で闇オークションを開いている組織も闇の組織の資金源になっている様です。」


「流石ねゼロ。

それでその男はどうしたの?」


「はい。まだ監禁しております。」

早速向かう事にした。

監禁している場所は廃倉庫でその中の部屋に縛ったまま拷問により力無く倒れている男がいた。


「あら、まだ生きてるかしら?

ねぇ?今日から私の為に働いてもらうわよ。」

私は獣人族の男を殺してその魂を取り込むとゼロ達同様に私の忠実なら部下にすべく分体として復活させた。

今回はゼロやレレ、ルルとは違って身体も魂もそのまま使わせて貰った。

ただ違うのは私への忠誠心を強く持っている事。

なので、記憶もそのまま残っている。


「さあ、起きなさい。

あなたの名前は?」

縛っていたロープを解くと獣人族の男は私の前に跪いた。

「ご主人様。私の名はレントと申します。

これよりご主人様の為に身命を賭して働く所存でございます。」

身体は獣人族だが、種族はレレとルル同様にルーンデビルで悪魔族になる。


「レント。あなたはゼロと共に竜人族の国へ先に赴き闇の組織の拠点を暴け。」

「御意。」

2人は消えて居なくなった。


「さあ、レレとルルには私と一緒に来て貰ってお仕事よ。」


「御意。」

私達が向かったのはこの国で闇の人身売買を行なっている闇オークションの会場とそれを運営する組織の拠点。

「レレとルルはオークション会場に向かって。

地下に事務所があるからその部屋にいる者は全て皆殺しにして来てね。」

「御意。」


そして、私はそれを運営している組織の拠点に向かった。

ゼロの情報では普通の民家の地下に事務所を作っている。

地下に何部屋も作って居てそれなりの大所帯になっているそうだ。

だが、私の敵では無い。

羽を飛ばして次々と切り裂いていく。

男も女も関係なくその場所にいる者全て八つ裂きにして殺した。

この行為が正義なのか、悪なのかは後世の者達が判断するだろう。

今はそんな事を気も留める事はなかった。


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