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第24話 勇者と友達になりたい白い天使です。

突然私の部屋を訪れた勇者ロディアスは私が人間では無いことに気づいていた。

確信はなかったのかもしれない。

私には究極完全擬態と言うスキルにより、通常で本体を見抜く事は出来ない。

擬態ではあるが、正確には別の存在を作り上げているくらい精巧に擬態しているからだ。

「私は人に危険を及ぼす存在にはならないわよ。」


「うん。それはわかっている。

今日ダンジョンで会った時、君は只者では無いとわかったけど。

普通の人間に捕えられていた。

何か訳があるに違い無いと皆んなと話したんだ。

それで、食事に誘うように俺がアリスにお願いした。」

食事の前から皆んな私に疑いを持っていたのか。

楽しく過ごせたのに少し残念だ。


「それで、私の評価はどうだったの?」


「うん。君はいい奴だ!」


「あ、え、そ、そうなのね。」

良くも悪くも嘘をつかない性格。

恐らく彼の前では嘘が通用しない気がする。

何らかのスキルを持っていると思われる。

「エルフの王に会っただろう。

彼は私の親友であり仲間だ。

彼から君の事を調べて欲しいと頼まれた。

この羽を見せられた時は魔物かと思ったが、人を助ける魔物は居ない。

そして、会って分かった。

君は人間の転生者だな!」

エルフの王からの繋がりだったか。

彼に渡した羽を勇者ロディアスは私に見せている。

それをロディアスに預けたと言う事は私の事は全て信用していたわけではないと言う事になるね。

まあ、仕方ないか。

そして、転生者とまで言われるとは、勇者とは恐ろしい存在だ。

「ええ、そうよ。私は違う世界で殺されてこの世界に転生したの。

でも、転生したのは人間では無く魔物だった。

でも、知性のある魔物は魔王にもなれると教えられたけど、私は人に近づける進化を選んで今に至るわ。」

勇者ロディアスは真剣な表情で私の話を聞いてくれた。

とても紳士的な男である。


「そうか!君からは敵意を感じない。

エルフの王には俺からいい奴だ!

と伝えておく。

すまなかった!

君を疑うような事をした!

エルフの王に代わってお詫びする!」

勇者ロディアスは深々と頭を下げた。

まだ敵か味方かわからない相手を目の前にして視界を遮断するような深く頭を下げている。

私は彼の信頼を得たと考えて良いかもしれない。


「良いのよ。気にしないで。

今日の食事の時間は久々に楽しかったわ。

アリスとも仲良くなれたしね。

会えなくなった友達を思い出したわ。

これ!受け取ってくれる?」

私はもう一枚羽を差し出した。


「これは?」


「まあ、勇者ロディアスには必要ないかもしれないけど。

もし、危険が迫って困ったことになったら、この羽に私を念じてくれれば助けに行くわ。」

ロディアスは私の手から羽を受け取った。

羽はキラキラと白く真珠のように煌めいている。


「おお!友情の証だな!有り難く貰うぞ!」


「もう、ルーナの姿に戻って平気かしら?」


「おお!すまない!良いぞ!」

私はルーナの姿に戻った!

「天使の姿はあまり晒したく無いのよ。

目立つからね。

何処で誰が見てるかわからないもの。」


「ルーナ!」

ドアの向こうからアリスが走って駆け寄り抱きついてきた。

「え?アリス?」

実は気配は感じていたので、この話しを聞いている事は知っている。

だが、泣いているアリスを見て知らなかったフリをする。

「許してね。騙すような事して、ごめんなさい。」


「ああ、良いのよ。私は人間では無いもの。

あなた達が警戒するのは当然よ。」

抱きついているアリスは無邪気な性格で可愛らしいと感じた。

「ふおふぉふぉ、わしはルーナがいい奴だとわかっておったぞ。

エルフの王シュレンゼン・ルーンフォレストはわしとロディアスが魔王討伐の際に一緒に旅をした仲間でのう。

ヤツも国や世界を思っての事じゃ。

ルーナ殿、許してやってくれ。」

その後ろからマイクとパレスティーも加わって賑やかになった。


「まあ、俺も信じてたぜ!」

清々しい笑顔でマイクは微笑んでいる。


「皆んなありがとう。この世界に来ていい友達が出来た気分よ。

私の本当の名はユスティティア。

種族は神魔族ミサナミ・エル。」


「神魔族って聞いた事ない。」

まだ私に抱きついているアリスがロディアスの方を向いて呟く。

「うん。神魔族とは聞いたことのない種族だ。

だが、そんな事はどうでも良い!君はいい奴だ!

それがわかればそれでいい!」


次の日、再びの再会を願って勇者達はドワーフ王国を去って行った。

宿屋の部屋にゼロ達を呼び戻して調査の結果を聞くことにした。

「ゼロ。王宮の様子はどうたった?」


「はい。ご主人様。

ドワーフ王はあまり白い天使について気に留めている様子はありませんでした。

しかし、官僚達は何者なのかと調査を進めているようです。」


「レレとルルはどう?」


「はい。ご主人様。

私達は闇の世界を支配する者に関して聞いてまわりましたが、その事に関する詳しい情報は手に入りませんでした。

しかし、組織の人間の監視の目は感じていましたので、何らかの動きを取ってくる可能性は有りそうです。」

3人とも私がベッドで座っている目の前で跪いて話している。

やはり組織の情報はそんなに簡単に手に入らないと言うことね。

ドワーフ王も私に感謝する様子もなしとは寂しいね。


「ご主人様。勇者の方は大丈夫だったのですか?」

この子達には近づかないように言ってあったから不安になってるのね。


「ええ、大丈夫よ。

勇者だって普通の人間なんだから。

話せば仲良くなれるわ。」

それにしてもどうしたものか。

ドワーフ王国での行動はこの辺りにして次の国に向かった方が良さそうだ。

長居していい事は起こりそうにない。

明日は獣人族の国、テフラ王国に行く準備を進める。

獣人族は他の種族との接触を好まない。

どんな旅になるのか、想像するとワクワクしてくる。


「ご主人様。私はテフラ王国へ赴き例の組織の調査を進めておきたいと思います。」


「そうね。頼むわ。」

ゼロは深く頭を下げると瞬間移動で消えた。


「レレ姉様。ゼロ兄様に先を越されました。」

「そうね。ルル。

私達はこの国に残って例の組織の調査をする事を提案しようかと思ってたわ。」

「レレ姉様。名案です。」

2人とも心の声がダダ漏れでお互い見合って話しをしているのが何とも可愛い。


「レレ、ルル。

お願いね。」


「御意。」

2人は瞬間移動で消えていなくなった。


私も出発しよう。

獣人族の王国はどんな事が待っているのか、想像するだけで心が躍る。

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― 新着の感想 ―
[一言] シリアスなシーンで『~』を使うと(「ぎゃ~」とか)気が抜けた様に感じるので、余り使わない方がいいのでは? ↑小説を書いたことも無いど素人の意見なので、そんなこと無いと思ったら全然無視して下さ…
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