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第20話 死よりも恐ろしい恐怖をあなたに

人身売買組織のリーダーを捕まえる為情報として聞き出した場所に向かうことにした。

私達は睡眠を必要としない。

その分人間より動ける時間が長い。

夜の内に追い詰めたい。

ドワーフ王国で活動しているのは、ドワーフが多種族に大して興味を持たないことが要因として挙げられる。

私はゼロとレレを連れて向かったのは王都エドマの中心街にある立派な屋敷でサマラン王国の所有する貴族の邸宅だった。

レグゼン男爵と言う男で独身貴族のわがままし放題で本家から離反されドワーフ王国に亡命して暮らしているらしい。

『ルル。彼女達を安全な所まで案内したらドワーフ王国警備隊にこの場所の情報を伝えて』

『ご主人様。畏まりました。』

兎に角相手がいろいろ察知さる前に行動する必要がある。


「ゼロとレレは警備している者達を片付けるのよ。

私はレグゼン男爵とやらに挨拶して来るから。」

屋敷に侵入すると、警備の男達が集まってきた。

「何者だ!」

良くあるセリフだけど急に侵入してきたのに名乗るわけがない。

ゼロとレレがアッサリと倒して行く。

私はそんな事は気にする事なく屋敷の中に堂々と玄関から入って行く。

白い天使様の姿で堂々と。

「何だお前は!止まれ!」

やれやれ中にも雑魚が沢山いる。

羽を飛ばして次から次へと切り殺し行く。

造作もない事だ。


屋敷の中は2階にも部屋があり警備が多い所に男爵がいるのだろう、2階に人が集中している。

「早く殺せ!」

2階の奥の方で男が叫ぶ声がした。

「みぃ〜つけた〜。」

さっさと雑魚を羽で切り裂くと奥の部屋で1人の男が居て。

「何だお前は!何の恨みがある!」


「そう言えば、貴方に恨みは無かったわね。

でも、人身売買組織を作ったのは良く無かったわね。

人を売ったお金で良い暮らしをしてるなんて人道に恥じる行為よね。」


「おまえか〜!俺の邪魔をしているのは!」


「そうよ。だって私を攫って奴隷として調教しようとするんだもん。」

そう言うと私は人間の擬態であるルーナの姿になった。

そして、怯えて腰を抜かしているレグゼン男爵の目の前まで歩いて行くとしゃがみ込んで恐怖に怯えている顔を可愛く微笑んで見ている。


「油断したな!」

懐から剣を抜くと私に切り掛かった。

だが、レグゼンの剣とそれを握っていた手が宙を舞って剣が床に突き刺さる。

「ウギャァ〜ぁぁぁぁぉぁ!」

レグゼンは自分の手首から手が無くなった事に気がつくと大声で叫び声を上げた。

「ダメだよ。剣なんて危ないよ。

大丈夫よ。

直ぐには殺さないから。

警備隊の皆さんが来るまで、じっくり恐怖をあなたにあ・げ・る!」

鋼糸で立派な椅子に括り付けて身動きできない様にした。

「や、やめろ!腕が〜死んでしまう。」


「大丈夫よ。腕の一つ無くなっても人は死なないわ。

それより、廃城で死んでいた女の子にどんな拷問をしたのかしら?

とても興味があるわ。

教えてくれるかしら?」


私はルーナの姿でレグゼンと向かい合う様に椅子に座って眺めている。

外も静かになりゼロとレレがきっちりと仕事を終えたようだ。


「ウギャァ〜痛い、腕が!」

うるさいので腕から出血しない様に治癒してあげた。

私って凄く優しい。


「これで痛くないでしょ。

さあ、どんな拷問をしたのか聞かせて。」


「狂ってるのか?どんな拷問だと、全裸にしてムチで打ちつけて、人格を破壊するために男達が何度も身体を弄んでやったよ!

これで満足か!?」

素早くレグゼンの指を数本羽で切り落とした。


「ぎゃぁぁぁ!」

不細工に叫んでいる。


「ねぇ?指は切り落とすのよね?拷問ですもの。

これくらいはするでしょ?」


「はぁ、はぁ、や、やめてくれ!」

余程痛かったのであろう涙を流している。


「それでね。

もう一つ聞きたいことがあるの。

あなたは売る人。

じゃあ、買う人が居るわよね?

何処の誰さんなのかしら?」

その言葉を聞いた瞬間レグゼンの表情が硬く変化した。

もしかして、買う方が大ボスなのかしら?


「……、知らん!」

明らかに嘘をついているわね。

死を前にしても言えないほどの相手とは気になる。


「ねぇ?早く言わないと切断した指から毒が回ってるわよ。」

もう既に手首辺りまで紫色に変色していた。


「おい!やめろ!うわぁ〜。」

痛みはない様だが死が確実に近づいている事を自覚できたようだ。

「早く言わないと本当に死んじゃうよ。

毒は苦しいよ。

血も吐くし、全身に激痛と燃える様に熱くて痛いわよ。

それが何時間も続くのよ。

人間ってそんなに簡単には死ねないのよ。」


「ガラリアント・ピトスだぁ!奴が黒幕だ!

だが、手は出せない。

ここまでだ。奴は世界の闇を支配する者だ。

奴を守る暗殺者や奇形の異能者達を相手ではお前も生きては居られないぞ!

俺に手を出した事を後悔する事になる。」


「あら、随分元気に話すのね。

ガラリアント・ピトスね。

へぇ〜、怖そうな部下を沢山抱えてるのね。」

何者かの気配がすると思ったら、レグゼンの首が宙を舞う。

私では無い誰かが近くに居る。

『ゼロ!レレ!』

反応が無い。

どうやら外が静かになったのはゼロとレレもやられてしまったようだ。


「あらあら、私の可愛い子達を虐めるなんて、何処の誰さんかしら?」

と言うと無数の爆撃弾が飛んでくる。

一見火の玉だが、ファイアーボールの様な魔法攻撃では無い。

魔力を感じないからだ。

私の翼は自動的に防御する。

それがどんなに強力で素早くとも。

爆撃弾は私の翼で大爆発をする。

周りの全てを吹き飛ばしたが、私はその程度では傷すらつけられない。


「もう、ルーナの綺麗な身体に傷でも付いたらどうするのよ。!」

椅子に座っている周りは焼けこげた匂いが充満している。

それでも私はまだ椅子に座ったままだ。


「化け物め!

まあ俺も化け物だがな。

お前の部下は外で転がってるぞ。

残念だったな。」

レグゼンの後ろの方の壁が崩れたところからガタイの良い男が現れた。

全身黒い鎧と爆弾の様な物を身体中に付けている。


「ふふふ、あの子達を倒したですって?

それはどうかしら?」

そう言うとゼロとレレが私の直ぐ横に瞬間移動して跪いた。

「ご主人様。外の害虫は駆除致しました。」

「ゼロ兄様が美味しいところを持っていってしまったわ。

ご主人様。

この害虫は私にやらせて貰えませんか?」


「な、何だと!確かに殺したはず。」

爆弾男は2人の様子を見て驚いている。


「ああ、そうよね。

でも、私があなた達の接近に気が付かないと思った?

ゼロとレレには念話して攻撃されたらやられた振りをするように命じていたのよ。

だって、その方が面白そうだもの。」

私は余裕の笑みで爆弾男に微笑んでみせる。

それは強がりでも何でも無い。

確実に黒幕に繋がる獲物を見つけた喜びだ。


その笑みに爆弾男は少し後ろに一歩下がった。

しかし、異変に気がつくはず。

「ん?」

爆弾男は自分がこれ以上後ろに下がらない状況である事に気がついた。

何せ、この私がこの部屋を鋼糸で外に出られない様に張り巡らせたのだから。

その事に気がついた爆弾男は臨戦態勢に入った。

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