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神心実験  作者: 蘭 縁(アララギ ヨル)
5/5

5.鬼ごっこ

いつも読んで頂きありがとうございます!

ヒビキはそのまま四階まで余裕の表情でゆっくり階段を登った。


「あいつどこから来るかな、屋上、いやないか?」


その大きな独り言と共に後ろから(ガシャン!)ガラスの割れる大きな音。


「おいおいジョーダンだろ!」


ヒビキは慌てて後ろを振り返る、

そこには窓ガラスをぶち割り勢いよくイツキが飛び込んできていた。

イツキは照れくさそうに笑みがこぼれた表情で


「またちょっと飛びすぎました!」


「イツキ、お前面白い奴だな!」

ヒビキは驚いたのと同時に笑いながら言った。

イツキはヒビキが笑みを浮かべたその瞬間、

ヒビキ目がけて走り出した。


ヒビキさんは絶対油断してる今がチャンス!


イツキの伸ばした手があと少しでヒビキに届く瞬間、

ヒビキは姿勢を低くかがめその手をかわし、イツキの足を蹴りはらった。


「うわっ!」


イツキはバランスを崩しそのまま倒れた。


「動きは悪くない、けどそれだけじゃ俺には勝てないな」


にやけた顔でヒビキは走り去った。

イツキも急いで立ち上がりヒビキの後追った。


一時間は経っただろうか、何度も何度もヒビキを追い詰める場面はあったが。

窓を使ったり、ベランダから上の階に飛び移ったり、

ギリギリの所でかわされ逃げられる。

イツキは疲れ果て、体が止まってしまった・・


「駄目だ何度追いついても、攻撃を読まれてかわされる・・・」


普通に追いかけてもきっと捕まえられない、

ヒビキさんの行動を先読みして、不意をつかないと・・・


イツキは俯き一度冷静に考えて、ヒビキの行動パターンを振り返る事にした。

ヒビキさんの足はそこまで早くないけど机や椅子、

窓などを使って最短で逃げれる様に体をうまく使いこなしている。

それに正面から挑んでもかわされる・・どうすれば。


イツキはしばらく考えた後、

はっと顔を上げた、イツキの中に一つの勝ち筋が見えた。


「逃げ道を無くせばいい!」


イツキは各教室の机や椅子を集め始めた。

一方ヒビキは屋上で横になっていた。


「追いかけて来なくなったな・・諦めたか。思ったより根性ないなー」


クサナギイツキ・・始めはなよなよした意気地なし野郎と思っていたが、

身体能力向上への適応の速さ、咄嗟に飛び込んでくる判断力、

意外とセンスあると思ったが・・・・


そう言いながら端末で現在の時刻を確認した。


「18時40分、後20分か・・」


屋上の扉が開く、


「来たか・・」

ヒビキはゆっくり立ち上がり


「ずいぶん遅かったな、ギブアップか?」


イツキは少し疲れた顔をしつつ笑顔で、


「お待たせしました、ヒビキさん覚悟してください!」


何か考えがあるのか?

ヒビキは身構え、イツキは全力でヒビキの方へ駆け出した。

ヒビキは屋上から5階の窓へ飛び移り、教室の扉を開き中に入った。

そこには、大量の山積みになった机や椅子が縦に並べられてバリケードの様になっていた。


なるほど普通に追いかけても勝てないと踏んで、

40分の間逃げ場を塞いでいたのか・・

一瞬驚きつつも、その口元がにやけた。


ヒビキはバリケードに背を向け教室の扉の方を向いた。

考え方は悪くないが、正面から来たところでかわせばいいだけ。

残念だけどお前の作戦は何の意味もない。


そうヒビキが思った瞬間、(ガラガラガラ)大きな音をたて、バリケードが崩れた。

ヒビキは慌てて後ろを振り返った・・・

そこにはバリケードを突き破たイツキの姿とその手がヒビキの目の前まで来ていた。


なるほど、バリケードはあくまでも囮・・・本命はこっちからだったか。

これはまずい・・・


思わずヒビキはイツキの手を掴み背負い投げをしてしまった。

イツキが教室の地面に落ちる音と共に、


「いたッ」と声を上げた。


数秒間の沈黙の後ヒビキは我に返り


「すまん、大丈夫か?」


イツキの手がヒビキの裾を掴んでいた。

痛そうな顔をしながらも、笑顔でイツキは


「捕まえました!」


ヒビキは思わず大笑いした。

そんなヒビキの表情をみてイツキは少し怒ったように、


「痛かったんですけど」


ヒビキはイツキを起こし


「悪かった、俺の負けだ」


と笑顔でイツキに握手を求め二人は友情の握手をした。

それと同時に施設のアナウンスが流れ始めた。


「各隊員の皆様お食事の準備ができましたので、1階食堂エリアに向かって

 下さい、もう一度繰り返します・・・」


アナウンスが終わるとヒビキは指を鳴らした、

学校が消え元の何もない白い空間になった。


「行こうイツキ飯の時間だ」


二人は1階に向かった。


最後まで読んで下さりありがとうございます!

最後にブックマークといいねお願い致します!

次回も是非読んで下さい!

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