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とある書き手のエッセイ集

誤用、誤用と言うけれど〜実は進化の途中かも?〜

作者: 空野 奏多

 こんにちは、または初めまして!

 私しがない日文卒業者です!


 大学で日本文学を専攻し、そのあと日本語学専攻に変更してます。なので、一応どっちもわかるつもりです。ちゃんと学べてればね?


 そんな人間でも、なろうにいるんですよねー! いやだって純文学となろう小説は、ディナーとスナック菓子みたいなもんだから!


 もう全然違うから。

 逆に違うから読んでるまである。


 さて。文学の話はまぁいいのだけれど、語学専攻者としてもネットは面白いのよ。言葉の最先端だなーというか。変化がいち早く見える。


 なのでね、私から一言言おう。



 真の日本語学好きは、むしろ誤字誤用大好き!

 指摘する方じゃなくて!

 それは進化の瞬間かもしれないから‼︎



 ですので、そういう意味でテンションが上がる。


 決して「誤用誤用誤用ぉぉぉ! 見つけたぜぇ……! 指摘してやる……っ!」とはならない。多分これが普通なんだけどね?



 このままだと私が「何言ってんの……?」と思われてしまうので、お時間ある方には理由を説明しておきます。



 はーい、参加者は先生についてきてね〜!



 ではでは、「日本語学を学ぶとなんで喜んじゃうの?」って言うと、さっきも言ったけど進化の瞬間だからです。


 人間が進化してきたように。

 生活様式が変化してきたように。

 言葉もまた、その形を変えていきます。



 例えば。平安時代の人と現代人、同じ日本人ですが果たして会話が成り立つでしょうか?



 答えはNOです。


 同じ言葉を使っていても、意味が変わってきてるからね。たぶんカタコトの現代外国人より、話できないと思うよ?


 古典って授業あったよね?

 全然違くなかったかな?

 苦手な人も多かったと思うよ。



 そう。それほどまでに日本語1つとっても、言葉というのは変わっていくものなのです。



 え? そりゃ年代が離れすぎだ?

 そんだけたちゃいやでも変わる?


 うーん……。言いたい事も分からなくはないけど。


 語学の歴史っていうのはつまり、誤用の歴史なんだよ。誤用が許容されていく歴史。そうじゃなきゃ、一言も変わらないはずでしょ?


 わかりやすいように平安と言ったけど。

 別に江戸とか明治でもいいよ。

 それでもどこかは絶対違うからね。


 今馴染んだ言葉たちも「誤用だ」と言われたものが、たくさんある。廃れた意味も、似たもの同士で統合しちゃったのもたくさんある。


 まぁそんな長い話しても仕方がないので。

 現代でのわかりやすい例を挙げよう。



 例えば「一生懸命」。


 元は「一所懸命」、一箇所の領地を武士が頑張って守ってたところから出た言葉。さて、この字を書くなろう書き手はいるだろうか?


 まぁ、意味は伝わるよね。

 でも今は「一生懸命」が一般的。

 口で言う時もそうなんじゃないかな?



 例えば「姑息」。


 「姑息な手を使いおって……!」みたいな感じかなぁ。生意気とか、卑怯って感じ?


 でも本来は、その場凌ぎの意味です。

 ねぇこれ本来の意味で使われた場合さ?

 むしろ「?」ってなる人が多くない?

 たぶん小癪と意味が混じってますねぇ。



 例えば「敷居が高い」。


 「あんな高級そうなところ、敷居が高いなぁ……」って感じで使いますよね。


 だけど本来、「不義理・不面目なことなどがあって、その人の家に行きにくい」ことを指します。その状況で使った方いますか?



 はい。みなさん、正しい知識つきました!

 さて、これらを見た時に言いますか?

 「それ間違ってるよ?(どやぁ)」って。



 ……いや、言ってもいいけど、『なんだコイツ……』と思われるのがオチです。


 正式な場においては。ある程度格式も重んじられるため、歴史的な使い方を必要とする場合があります。


 けど、普段なら?

 「意味がわかりゃいいじゃん!」

 そうなりませんか?



 そうです! それなんですよ!!!!



 そもそも言葉の役割は「意味を伝える事、思っている事を伝える事」です。なので、究極的には「伝わりゃいい!」というわけです。




 ですので。

 伝わらないうちは「誤用」ですが。

 伝わるようになったら「それも正しい」。




 それこそ、日本語の進化の瞬間なんですよ〜! ほら! この感動わかりました⁉︎ テンションの上がる理由わかりましたか⁉︎


 今、目にしている「誤用」!

 進化の最中なんです〜!

 広がるほど育ってるんです〜‼︎


 もう半分も意味を「誤用」で使うようになれば、ほぼ定着したと言って過言じゃありません。やったね! 歴史的瞬間見れたよ〜‼︎


 ……って感じになるので。



 実は日本語学の人は、誤用に問題意識はあんまりありません。由々しき事態……! なーんて、思わないのです。



 だって、言葉は生き物だから。



 変わっていくのが当然だから。

 それを止めるのは難しいのです。


 そうそれは、ポケ◯ンで進化の際にB連打するような……って、今はBじゃないのかな?


 ポケ◯ンだってさ?

 一度止めてもまたレベル上がったらさ?

 進化しようとするじゃん?


 言葉もほぼそれと同じなので。目くじら立てて「誤用だ! 駆逐しろ!」とは、語学専攻はなりません。ゆるやかなのです。


 ま、私も学ぶ前は「どんどん誤用増えるな……」って、不安意識が高かったですけどね? まぁ「誤用」って言うからだよね。


 「間違ったもの」という意識だから。

 「間違えは正さなきゃ」っていう。

 正義感なんだろうけど……悪じゃないよ?



 言葉は汚染されていくわけではなく、みんなが使いやすいように進化するだけなのです。



 という訳で、結論。




 言葉は伝わりゃいい!

 伝わる人が半数以上になったら!

 それはもう気にするだけ無駄‼︎


 ただ伝わらないなら、やっぱり間違い!

 言葉は伝わらなきゃ意味がない!

 だから少ないうちは、直そうね!




 はい。そういう事です。ま、あんまり伝わらないうちは気をつける事が必要ですけど、そうじゃなくなったら止める必要ありません。


 それはBボタンの連打行為です。

 つまり流れに逆らう少数派です。


 ちゃんと意味がわかってもらえるならーーもっと言葉は、大らかでいいんですよ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 昔誤字報告機能が無かった頃、感想のついでに誤字誤用の指摘をよくしていましたが、 それを意図してそうしたと言われたことは無かったです。 書き手が勘違いしていた、知らなかった、間違って憶えていた…
[良い点] 遠い昔に国文学科を卒業した者です。 専攻は中世文学で、謡曲で卒論を書きました。 なので、おっしゃることはよくわかります。言葉って変化するものですよね! でもやっぱり、自分が慣れ親しんでき…
[一言] うっかり感想を書き間違えました! 申し訳ありません! 「爆笑」の改訂が反対になっていましたね! 『広辞苑』の第6版「爆笑」→「大勢が大声でどっと笑うこと」 第7版→「(一人でも)はじけるよ…
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