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【完結】スキルクリエイター 〜レベルを犠牲にスキルを創る。でも、レベルが低くて使えないってどう言う事ぉ〜〜⁉〜  作者: 華音 楓
第3章 変革

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094 神からの贈り物

 俺たちが自衛隊駐屯地へ避難をして数日がったったある日、またもあの不愉快な声が聞こえたて来た。


『あ~あ~あ~。聞こえますか~。マイクテスト、マイクテスト。ウォッホン!!』


 俺たちはこの声の主を忘れたりはしない。

 俺たちの地球をこんな世界にした張本人だ。


『こ~~~~~んに~~~~~~ちわ~~~~~~~~~!!神です!!』


 またもふざけた話し方だ。

 周りの人たちも上空を見上げながら、怒りを顕わにしている。

 今すぐにでもこいつをぶちのめしたい。

 そう言わんばかりの殺気だ。


『さてさて、僕からのプレゼント、受け取ってくれたかな?な~に、お返しはいらないよ?だって僕は神様だもの。』


 くそ!!あいつは人をイラつかせる天才なのか?!

 ん?待てよ?プレゼント?

 まさか……


『いや~、諸君があまりにも慎重すぎて、全然進化が進まないから手を出しちゃった。てへっ!!』


 まさか…

 まさかまさかまさか!!


『強制進化の為にゲームステージを一段上げちゃいました。おかげでダンジョンスタンピード発生したでしょ?対応できた人は何人いたかな?今まで頑張ってきた人はちゃんと生き残れたと思うんだけどな~。頑張ってこなかった人は……。僕の世界にはいらない。』


 さっきまでのお茶らけた空気が一変。

 自称神からの殺気が大瀑布のように襲い掛かってくる。

 俺ですら足が震えたのだから、そうじゃない人たちはひとたまりもなかったと思う。


『それと~。いきなりピ~~~~~~~~ンチ!!じゃあ、可哀想すぎるから、僕から何個かプレゼントをあげるね?♥』


ピロリン


 するといたるところから前に聞いた音が鳴り響く。

 俺は慌てて、スマホを取り出す。


個人情報▼

インベントリ▼


 特に変わったところはない。

 いったい何なんだ。


『君たちのステータスを少しいじらせてもらったよ。あとで確認してね~。それともう一つは全員にステータスボーナスポイントを100づつプレゼント。僕って太っ腹~~~~。』


 くそ!!

 ぶん殴りてぇ~~~~~!!


『最後のプレゼントだよ~。この現状を終わらせる方法を教えま~~~~す!!それは~~~~~!!』







『15人の【魔王】を倒すことです。ただし、【魔王】もただ手をこまねいているわけではないですよ?【魔王】だって死にたくないですからね?抵抗してきます。つまり、ダンジョンの成長が今までよりも早くなるってことですね~。頑張って攻略してくださいね~~~。』


 そう言うと自称神の姿が上空から霧散して消えていった。

 言うことだけ言って帰っていった感じだな。


『あ、言い忘れてましたが、また進化が不甲斐ない場合はもう一度地獄を味わってもらいます。』


 これを最後に自称神の気配は感じられなくなった。




 俺は家族の元へ行くと、父さんたちが抱きしめ合って泣いていた。

 美鈴も泣きはらした目で俺を見つめる。


「お兄ちゃん……、佐奈が……。茂君が……。おじさんたちが……。スタンピードに巻き込まれたって……。」


ガン!!!!!!!


 俺は無意識に壁を殴りつけていた。

 探索者としてレベルやステータスを上げていたせいか、コンクリートの壁がへこんでしまった。


 あのイカレタ自称神のせいで……

 くそが!!!!


「父さん。誰も助からなかったのか?」

「茂君が一命を取り留めたみたいだ。自衛隊員が間に合ったようで、命に別状はないそうだ。ただ……」

「ただ?」

「両足を失ったそうだ。そして、佐奈ちゃんを目の前で……。なんでこんなことに……」


 俺は怒りを抑えるのに必死だった。

 おそらく茂君は立ち直れないかもしれない。

 最愛の人を失うだけでなく、穢されたのだから……


 俺は無言で家族の元を後にした。


 俺が向かった先は……

 一ノ瀬さんのところだ。




コンコンコン


「はい。」

「中村です。」

「中村さんですか。どうぞ入ってください。」


 俺の姿を見た一ノ瀬さんは、一瞬ひるんだが気を取り直して、俺にソファーに座る様に勧めた。


「それで、どんなご用件なんでしょうか。」

「一ノ瀬さん。俺にダンジョン攻略……、【魔王】討伐を手伝わせてください。」

「それは最前線に出るということですか?」

「はい、でもすぐにではありません。ダンジョンでスキルとレベルを上げます。そして、もう迷うのをやめました。俺の力はおそらくこのためにあるんでしょうね。あの腐れ自称神に俺に力を与えたことを後悔させてやります。」

「そうですか……我々としては歓迎ですが。おそらく狙われますよ?」

「構いません。すべてを蹴散らします。」

「相手が同じ【人間】だったとしても?」

「必要ならば躊躇するつもりはありません。俺を邪魔するなら、俺の糧になってもらいます。」


 自分で言っていて、かなり過激な発言なのは理解している。

 しかし、もうそう言っていられる段階は過ぎてしまった。

 この国のトップが【魔王】であるならば、それに組する者達と争うことになる。

 相手は俺を殺すことはいとわないだろう。

 躊躇せずに俺を狙ってくるだろう。

 俺が覚悟せずに突撃したところで脅威にすらならない。

 ならば俺が抑止力になってやる。

 邪魔をするなら命をかけろと。

 きっと俺はここまでする必要は本当は無いのだと思う。

 でも、ここで何もしないでただ流されたのだったら、きっと後悔する。

 だから俺は戦うことを選んだのだ。


「中村さん。そこまで気負わなくても大丈夫ですよ。我々もいます。中村さんには仲間もいるでしょう。大丈夫です。」

「すみません。冷静さを失っていました。」

「いえいえ、中村さんの気持ちは伝わりました。共に頑張りましょう!!」


 俺と一ノ瀬さんは握手を交わし、今後についての話し合いをした。


 まあ、覚悟はできたのだが、レベルが全く持って足りない。

 ステータス値はある程度追いついているが、スキルが全く追いついていない。

 最前線の探索者たちはスキルレベル20に届かんとしているところらしい。

 俺は俺でレベルを犠牲にする必要があるため、なかなか追いつくことができないでいた。


「中村さん。これは自衛隊で集めた情報をですので内密に願いますが、どうやら50レベルを超えたあたりでスキルの習得が加速しているようです。ですので、一度50レベルまで上げてみてはどうでしょうか?もしかしたら有用なスキルが創れるようになるかもしれません。」


 おそらく自衛隊員には50レベルを超えた人たちが増えてきているのだる。

 もしかしたら100レベル近い人もいるかもしれないな。


 この前ネットニュースで見た限りでは、世界最強パーティーのレベルは80オーバーだって話だ。

 日本のパーティーの中堅どころで團姉弟率いる「難攻不落の城壁」が頑張っていたそうだ。

 ただ、スタンピード以来話を聞かないので、どうなっているのか。


 カイリ達とは連絡が付き、後日こちらの駐屯地へと移動してくるそうだ。

 カイリ達も家族と一緒にシェルターハウスへ逃げ込んだようだけど、日に日にモンスターの攻撃が増してきたそうだ。

 自衛隊・警察で見回りを行い駆逐をしているたけれど、離れた位置の防衛はかなり厳しいものがあるそうだ。

 ここの自衛隊駐屯地では、シェルターハウスに逃げることができた4700名を受け入れることにしたらしい。

 そのほかにもいくつものシェルターハウスがあったが、移動を拒む人たちもおり、希望者だけを移動させていくそうだ。

 残った人たちは……

 それはあくまで自己責任だ。

 そこまで協力することはできないというのが結論らしい。

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