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【完結】スキルクリエイター 〜レベルを犠牲にスキルを創る。でも、レベルが低くて使えないってどう言う事ぉ〜〜⁉〜  作者: 華音 楓
第2章 万年Gランク確定→頑張ってFランク。

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081 強欲

 さすがにこのスキルは話せないな。

 間違いなく人道的ではない。

 しかも成功した場合、相手はレベルを失う。または行き過ぎると消滅だぞ?

 やばすぎるにしてもほどがあるだろう。


「カイリ…、ダイスケとリョウは……」

「……っ!!」


 カイリはシンの問いかけに答えることはできなかった。

 ダイスケたちがいた場所には装備品だけが転がっていたからだ。

 おそらく二人はダンジョンに吸収されてしまったていた。

 二人がモンスターとして復活しないことを祈ろう。


「そうか…。これが俺が欲した先に有った物なのか……。」


 ダイスケたちの装備を見たシンは、己が起こした出来事を理解したらしい。

 こうしてシン達の話を聞いていると、そこまで悪いやつには思えなかった。


「それにしてもシン、どうしてここまでやらかしたの?あなたらしくないわ。

「わからない。ただ、第4層に最初に入った時、焦りを感じた気がした。ゴブリンの群れを一か所攻略出来たけど、ほとんど攻撃が通じない気がした。だからかな、力が欲しかった。武器が欲しかった。スキルが欲しかった。すべてが欲しかった……。その時スキル【強欲】が手に入ったんだ。」


 なるほど、スキル【強欲】は後天的に備わったスキルか。

 レベル上げ以外にも発生する可能性はあったけど、行動や思考そのものも対象ってわけか。


「それからだんだん良く分からなくなってきた。自分が思い通りにならないとイライラしたし。欲しいと思ったものを無理やり手に入れようともした。しまいにはカイリ達も俺のモノにしようとしていた。」

「シン……」


 シンの独白にカイリがそっと頷く。

 カイリはシンの手を握り、頭をなでていた。

 それは、恋人親友というより、出来の悪い弟を慰める、そんな感じがした。


「あの事件の後、カイリ達と別れてさらにほしくなった。力づくでも俺のモノにしようとした。ダイスケたちは全力で止めてくれた。でも俺は止まれなかった。だから俺はダイスケたちを……。命令を聞く人形として欲したんだ。その時初めてスキル【強欲】を使った。」


 これは……

 スキルから精神へ攻撃を受けるのか?!

 もし仮に各スキルに性質みたいなのがあって、それに引きずられるとしたら。

 これもまた【生物の進化】の過程の一つなのではないだろうか…


 ダメだな、悪い方に考えてしまう。

 あくまで仮定で決定ではない。

 今回のスキル【強欲】がそうだっただけかもしれない。

 とりあえず『七つの大罪』シリーズと『七つの美徳』シリーズには要注意とだけしておこう。


「それから俺は、ここに閉じ込められた。ただ、その前からおかしかった。俺は同じ探索者のパーティーを何回か襲撃していたんだ。この手で人を殺めたのに何も感じなかった。モンスターを倒すときと同じ気持ちだった。ステータスを見るとレベルが一気に上がっていった。だからますます俺は手を血で染めていった。」

「っ!!!!!」


 やはり『探索者型イレギュラー』はシンで確定だった。

 たぶん、スキルに精神を汚染されていたんだろう。

 シンを責めるのは酷かもしれないな……


「だから俺は……、俺は……。おれ………!!」

「離れろカイリ!!」


 俺は一足飛びでカイリに向かい、その体を引っ張り飛ばした。


「キャっ!!」


 悲鳴とともに谷浦のいる方向へ投げ出されたカイリを、谷浦がうまい事キャッチしてくれた。

 助かった!!


「うぐッ!!ぐを~~~~~~~!!」


 シンの様子が明らかにおかしい。

 何か別のモノがいるような…

 まさか…


[ふぅ、やっと出られた。あれ?まだ体がうまくうごかない?まあいい。これで活動がしやすくなる。]


 明らかにシンとは違う何かがシンの声で話し始めた。

 俺たちは一気に警戒度を上げていく。


[ん?なんだ、餌まであるじゃないか。これならすぐにでも活動開始できるようになるかな?]


『先輩!!明らかにさっきまでと違いますよ?!』

『あぁ、全員警戒を絶対に怠るなよ!!』


「シン……なの?」

[誰ですかあなたは?餌の分際で私に話しかけるんじゃない。]


 カレンが話しかけるも、その得体のしれない何かは取り合う気もないようだ。

 ただ、俺は何となくわかっていた。

 おそらく、俺のスキル【スキルクリエイター】のせいだろうな。

 自称神の『スキル創造の権能』の影響だろか。


「お前はスキル【強欲】だな。」

[ほう、なかなかどうして。ん?……。ふむ、これは面白い。プロメテウスめ、本の主たるセフィロトへの反抗か?まぁいい。私は私の役割を果たすだけだ。]


 これはどうしたらいいものか…

 このままこいつが動けるようになったら、俺たちでは太刀打ちできない…

 スキルを使えばおそらく。

 しかし、それだとシンが……


『ケントさん……。どうにかできるんですよね?』

『カイリ⁉』

『シンを……、悪夢から解放してください……。』

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