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【完結】スキルクリエイター 〜レベルを犠牲にスキルを創る。でも、レベルが低くて使えないってどう言う事ぉ〜〜⁉〜  作者: 華音 楓
第2章 万年Gランク確定→頑張ってFランク。

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071 出力調整と空気

「じゃあ、ドロップアイテムを回収しようか。」


 周辺を見ると、ドロップアイテムが見事に散らばっていた。

 不思議なのが、あの熱量の中でもドロップアイテムに被害がないってことだ。

 スライムゼリーなんてすぐに蒸発しそうなんだけどな。


「一戦目にしてはそれなりに出ましたね。」


 カイリ達ははスライムゼリーの為に大分スライムを倒しまくっていた。

 しかし、属性付きは初めてだったみたいで、加減が全くわからなかったそうだ。

 

 俺たちは集まったドロップアイテムを確認した。


 魔石(小)が2個。火属性の核(低品質)1個。スライムゼリー(青)が1個。


 正直多いんだか少ないんだか。


「虹花さんあと何体くらいいますか?」

「そうですね、塊としてはあと5グループでしょうか…。ただ、人の気配も増えてきていますので、注意は必要ですね。」


 俺たちが今一番恐れているのは、誤射だ。

 誤って高火力の魔法が同業者に当たったとなると問題になってしまう。

 ただでさえ、今は『イレギュラー』の一件で騒がしい時期だ。

 騒ぎにならないに越したことはない。


「では、他のグループとかち合わないように進みましょう。」


 俺たちは虹花さんが感知したモンスターの塊に向かって移動を開始した。

 案の定、同業者に出会いはしたが、みんな下層へ向かう途中らしく、問題なさそうだ。




「とまってください。この先のT字路左50mにスライムと思われる反応を確認。数はおそらく3ですね。」


 虹花さんの探知に引っ掛かったようだ。

 おおよそ200m範囲にならないと正確な数がわからないといっていたけど、それを差し引いても十分すごい性能だと思う。

 本人曰く、大まかに分かるだけで、詳細が分からないからまだまだだそうだ。


『ここからは念話通信にきりかえますねぇ~。まずは目視できる範囲まで静かに進みましょう。』


 ここからはアスカが司令塔として対応をしていく。

 俺たちは足音に細心の注意を払ってスルスルと前進。

 

 突き当りのT字路に差し掛かり、先頭の谷浦が先の様子を確認した。


『スライム3匹確認。青色無属性が2匹。白色だからおそらく回復が1匹。』


 回復系スライムとは面倒だな。

 早めにつぶさないと、すぐに回復されて時間だけがかかってしまう。


『虹花さん。私がバフをいっぱいつけますから、回復のスライムをやっちゃってください。その後にケントさんと栄次郎さんが突撃で2匹を押さえる。最後にカレンちゃんとカイリちゃんの魔法でとどめ。それとカレンちゃんとカイリちゃん。これはあくまで訓練でもあるからね~。オーバーキルにならないように調整してくださいね~。』


 カイリを見ると顔を真っ赤にしていた。

 よほど先程の戦闘でオーバーキルしたのが恥ずかしかったのだろうか…


『皆さん準備はいいですか~?』


 虹花さんが弓を構えた状態でスキルを発動し始めた。


『スキル【ホークアイ】!!【ピンポイントショット】!!』

『命中率よ~~~~。上がれ~~~~~!!』


 これも新たに発見したことなんだか、声に出さないで念話状態でもスキルが発動したのだ。

 スキルは別に声に出さなくても発動はする。

 特に魔法が良い例で、わざわざどんな魔法かなんて口にせず、イメージだけで発動が可能だ。

 物理スキルも声に出す必要があまりないかもしれない。

 しかし、声にしたほうがいい場合もある。

 それが、補助系スキルだ。

 補助系スキルを使用する際は今から何の補助をするという風に声に出す。

 すると、イメージも固まりやすく、仲間も今何の補助を貰ったかわかりやすい。

 だが、ここで問題も発生する。

 戦闘前で相手に気付かれていない時、スキルを発動するときに声を出してしまうと、せっかくの隠密行動がフイになってしまう。

 それを解消できるのだから、このスキル【指揮者】はやっぱり壊れスキルだ。


 虹花さんが角から通路に飛び出して、狙いを定める。

 その時間はわずか1秒もかかっていない。

 俺からしたら、出ていった瞬間に矢を放ったようにしか見えなかった。


 放たれた矢は狙いたがわず、回復型スライムの核を撃ち抜いた。

 一瞬にして核を破壊された回復型スライムは液状化して地面に消えていったのだった。


 俺と谷浦はお互いを見合わせて、角から飛び出す。

 そのままの勢いで2匹の無属性スライムに盾を構えながら突っ込む。


 スキルではないモノの、シールドバッシュとかシールドチャージとか言われる技術だ。


 俺たちの勢いに負けて2匹のスライムは後ろへ飛ばされていった。

 俺たちと距離が開いたためか、カイリとカレンが余裕でスライムを撃ち抜いた。

 今回は前回の反省を踏まえてバレット系の魔法にしたらしい。

 これもまた見事に核を撃ち抜いていた。

 どうやら、アスカから支援を受けていたみたいで、命中率が格段に上がったそうだ。


 核の壊されたスライム2匹もまた地面に吸い込まれていったのだった。


 地面に残された物は魔石(小)が1つとスライムゼリー(青)が二つだった。


『周囲敵影なし。戦闘終了です。お疲れさまでした~。』


 アスカの声で戦闘状態を解除した。

 それにしても、全部一発で倒すとかどれだけ強くなったんだろうか…


「カレンちゃんもカイリちゃんも、今回はいい感じに調整できてたね~?」

「私だってやればできるんだから!!」


 アスカが二人をほめると、カイリが胸を張って答えたんだが…

 虹花さんの視線が怖い…


 俺と谷浦はなんだか会話に混ざってはいけない感じた。


 ”俺たちは空気です”


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